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第12話

レビテーションを使用しリーシャが甲板から数十センチ程ふわりと浮くと同時に、

「来たぞ!クラーケンのお出ましだ!!」

キャプテンライズが怒鳴り声を上げ竜騎とリーシャ、レンが海を見ると渦潮の中心から巨大な烏賊の魔物が姿を現した。

「マジで烏賊だ!?」

「クラーケンだからな!よーし野郎共、戦闘開始だ!」

『アイアイサー!』

キャプテンライズの命令に海賊達がバルテス号の縁に取り付けられたセリーナ謹製【ランスボウガン】に投擲槍をセットする。

「ってぇぇぇぇぇぇぇ!」

そしてキャプテンライズの号令に一斉にランスボウガンのトリガーを引く。

ギュン!という音と共に投擲槍が打ち出されクラーケンに向かって降り注いだ。

だが、命中したのはほんの数本で後は外れ海中に沈んで行く。

「や、やっぱり急拵えだから命中制度が悪いねぃ。ガタガタブルブル」

「無理すんな無理すんな。船室に入ってろって(汗)」

「あ、ちょっ、タッちゃん!?」

青い顔でタツキの横に立ちランスボウガンの命中制度に呟くセリーナにタツキは汗を浮かべてセリーナの背を押して船室の方に押しやった。


「外れても気にすんな!奴の動きを押さえる事を考えろ!」

『アイアイサー!』

「リーシャ!イケるか!?」

キャプテンライズの要請にリーシャは頷き呪文を唱える。

「ーーーーーーーーーーー」

リーシャの唱える呪文はフラベイムに教えて貰った古代魔術言語に変わっており、竜騎に掛けられた翻訳魔法では何を言っているのかが伝わらなかった。

「リーシャ曰く、現在の魔術言語より古代魔術言語の方が魔法の威力が段違いに高まるそうッス」

「レンも習ったのか?」

「あっしは魔力量もそんなに多く無いッスからね。習って無いッス」

竜騎がリーシャの唱える呪文を聞いているとレンが近付いて来て竜騎に話し掛けてきた。

「それにしてもリーシャが何を言っているのかが分からないな?」

「多分、今と昔じゃ魔術言語が違うからじゃ無いッスか?」

正確には言語体系が全く違うからである。

それは兎も角、そうこうしている内にリーシャの呪文が完成した。

「ライトニング・フォール!」

リーシャが魔法を唱えると空よりクラーケン目掛けて雷が降り注いだ。


ズドォォォォォォォォォンッ!


【キュオオオオオオッ!?】

降り注ぐ雷に堪らずクラーケンは苦悶の悲鳴を上げると、バルテス号に向かって触手を伸ばす。

「副長!」

「アイサー!」

先代・・・・・・つまりキャプテンライズの父親の代からバルテス号を操って来た副長はキャプテンライズの声に応えると操舵輪を勢い良く回す。

するとバルテス号は荒れる海を物ともせずに右に曲がりクラーケンの触手を回避する。

「副長、奴の周りを囲む様にバルテス号を動かしてくれ!野郎共!機雷投下準備だ!」

『アイアイサー!』

副長が操舵輪を巧みに操りクラーケンの周りを囲む様にバルテス号を動かし、海賊達が竜騎考案、セリーナ製作の『機雷』を次々に海へと投下する。

慌ただしく周りが動く中、竜騎はクラーケンの動きに注目する。

「雷が弱点の割りには大したダメージがなさそうだな?」

竜騎がそう言うとそれを聞いていたリーシャとキャプテンライズが弾かれた様にクラーケンを見る。

「確かに効いてねぇみてぇだな」

「そうみたい」

クラーケンはうにょうにょと触手を動かしておりライトニング・フォールのダメージは殆ど無いようだった。

「こりゃどうしたもんかな?」

キャプテンライズが考え込むと竜騎はふと何かを思い出したかの様にクラーケンを再び見る。

「そう言う事か。奴の身体の滑りが一種のアースみたいになってんだな」

竜騎の考えは当たっていた。

クラーケンは自身の身体を特殊な粘液で包んでおり、それがライトニング・フォールを海面に流すアースの役割を果たしていたのだ。

「リーシャ!レビテーションを俺にかける事は出来るか?」

「今の私では自身を浮かす事で一杯」

「なら、バルテス号からクラーケンまで氷の道を作る事は?」

「・・・・・・多分出来る」

「なら、頼むわ。キャプテン、氷の道が出来たら俺が突っ込むから援護よろしく!」

リーシャは竜騎の頼みに頷くと呪文を唱え始め、レンはリーシャの負担を少しでも軽くしようと考え海面に向かって氷の魔法弾を射ち始める。

「リーシャ、あっしが氷の魔法弾で核を作るッスからそれを目標に魔法を撃って欲しいッス!」

「ーーーーーーーー」

レンの声にリーシャは呪文を唱えながら頷く。

「足場が出来るならお姉さんもタッちゃんと一緒に行くよん」

「セリーナ?」

突然聞こえたセリーナの声に竜騎が振り向くと船室のドアからセリーナがバトルアックスを肩に担ぎながら出てきた。

「無理すんなって」

「大丈夫だよん。足場さえあればお姉さんも戦えるからねぃ。クラーケンの触手はお姉さんが叩き斬るからタッちゃんは奴に打ち込む事だけを考えるんだよん」

先程までの青い顔でガタガタ震えていたセリーナはそこにはおらず、そこには戦士の顔をしたセリーナが頼もしげに笑っていた。

「・・・・・・分かった。頼んだぜセリーナ!」

「タツキ、セリーナ行く!フリージング・ウィンド!」

竜騎がセリーナに頷くと同時にリーシャの魔法が完成し、氷雪の風が吹き荒れレンの放った魔法弾を中心にクラーケンまでの氷の道が形成される。

「行くぜセリーナ!」

「あいよタッちゃん!」

竜騎とセリーナはバルテス号から飛び降り氷の道に着地するとクラーケンを目指して走り出した。

「てめえ等!勇者達の花道を邪魔させんじゃねぇぞ!射って射って射ちまくれ!!」

『アイアイサーッ!』

クラーケンに向かって走る竜騎とセリーナを見ながらキャプテンライズはニッと笑い海賊達に指示を出す。

「まるで嘗てのリクスとライズみてぇだな」

操舵輪を握る副長は竜騎とセリーナを見て嘗てまだ冒険者だった頃のリクスとキャプテンライズを思い出した。

「馬鹿言ってんじゃねぇよバルト。俺とリクスはまだ無鉄砲だったさ」

「ちげぇねぇ」

昔を思い出して副長・・・・・・バルトとキャプテンライズは笑い合う。

「さて、ライズ。バルテス号は俺に任せてお前も行って来いや。血が騒いでんだろ?」

「どうにもな。冒険者だった頃を思い出しちまった。後は頼んだぜバルト副長」

「アイアイサーッ!キャプテンの思うがままに!」

バルト副長の返事にキャプテンライズはキャプテンハットを脱ぐとそれをバルト副長に渡し、魔弾銃をホルスターに納めると懐から青いバンダナを取り出し頭に巻き付ける。

そして、腰の後ろに装備していた二振りのカトラスを引き抜くとバルテス号から飛び降り竜騎とセリーナの後を追って走り出すのであった。








久々のオマケスキット【風にご注意】


レン「ところでリーシャ」


リーシャ「何?」


レン「レビテーション使う時は注意が必要ッスよ?」


リーシャ「?」


レン「スカートが風で捲れてたッス」


リーシャ「///!?」


レン「今日は白ッスね」


リーシャ「言わないで!?」


教訓・レビテーションを使う時にはスカートに気をつけましょう(笑)



オマケスキットの2【その頃のスノー】


レミィ「うみゅ〜zzz」


スノー「わきゅ」


アルテミス「あらあら、レミィったらはしゃぎ過ぎて寝ちゃったのね?」


スノー「わきゅ。うち、ご主人様達が帰って来るまでレミィちゃんの面倒見るの」


アルテミス「うふふ♪ありがとうねスノーちゃん」撫で撫で


スノー「わきゅ〜♪」尻尾ぶんぶん♪


スノーは竜騎達が居なくてもレミィの世話でそれなりに忙しそうだった。



次回あたりクラーケン戦終了・・・・・・出来るかなぁ?

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