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第11話

久々の投稿です。

今回はクラーケン戦の遭遇前になります。

竜騎達はキャプテンライズの海賊船【バルテス号】に乗りクラーケンが出没すると言われる海域にやって来た。

「存外に揺れるな」

帆船に初めて乗る竜騎は揺れ幅に驚くがそれでも何時クラーケンが現れても戦える様に心構えは忘れない。

むしろ心配なのは、

「ガタガタブルブルガタガタブルブル」

青い顔をしているセリーナの方だった。

「セ、セリーナ?大丈夫か?」

「お、お姉さんなら大丈夫だよん?ガタガタブルブルガタガタブルブル」

「いや、大丈夫そうには見えないんだが・・・・・・(汗)」

青い顔をしながら気丈に振る舞おうとするセリーナではあったがやっぱりガタガタと震えていた。

「セリーナはドワーフだから」

「船に乗るのは初めてなんッスね?」

リーシャとレンがそう言うとセリーナは躊躇いがちに頷いた。

「そ、それもあるんだけど・・・・・・実はお姉さん子供の頃に溺れた事があってねん?水恐怖症なんよ」

「じゃあ、港で待ってろよ(汗)」

「お、お姉さんにも職人としての誇りがあるのよん?ガタガタ」

どうやらセリーナは鍛治職人として自身が作った武器がきちんと作動するかを確かめる為に乗船したようだった。

「だからってその状態じゃまともに戦えないだろ?」

「だ、大丈夫。お姉さんの心配は要らないからタッちゃんは他の皆の心配をね?」

ガタガタと震えながらもセリーナはニコッと笑って言った。

「タツキ、セリーナさんはあっしに任せるッスよ」

「・・・・・・わかった。頼んだぞレン。セリーナもヤバかったら直ぐに船室にな?」

「お、オッケーだよん」

「あっしに任せるッス!」

タツキはレンにセリーナを任せると舵を取るキャプテンライズの下に向かう。

「キャプテン、まだ着かないのか?」

「もう少しだ。セリーナは大丈夫か?」

先程のやり取りを聞いていたキャプテンライズがタツキに問う。

「本人曰く大丈夫らしい。けど出来るだけ揺れない様にしてもらえると有難いんだ」

「この波だからな。しかし、この海域は水神竜の加護もあって荒れる事は無いんだが・・・・・・バルテスに何かあったのか?」

何気無くキャプテンライズが洩らした言葉にタツキは反応する。

「キャプテン?今水神竜って聞こえたんだけど・・・・・・もしかしてキャプテンは水神竜と面識があるのか?」

「ん?あぁ。タツキは聖剣の勇者だから水神竜に会わないといけないんだっけな。水神竜は俺達竜の(ドラグーンネイル)の守り神なんだよ。このバルテス号の名前は水神竜が直々に自身の名前を授けてくれたんだぜ」

キャプテンライズはニッと笑うと巧みに舵を取りながらクラーケンの住む海域を目指しバルテス号を進ませる。

「そろそろ着くぜ。副長舵を替われ!」

「アイサーキャプテン!」

キャプテンライズは近くに待機していた副長と舵を替わると腰に下げたホルスターから二丁の銃を取り出し弾丸を込める。

「火薬銃?」

「いんや、コイツは魔弾銃さ。俺の親父の趣味でな。火薬銃の様な形をしてるだけさ」

そう言ってキャプテンライズは黒金の魔弾銃の準備を終える。

それと同時にマストの上に登っていた船員がキャプテンライズに向かって声を張り上げた。

「キャプテン!前方に渦を発見!!中心に白い物を確認!奴が現れます!」

「よし!お前も下りて来て戦闘準備だ!」

「アイアイサー!」

「タツキ。お前は海戦は初めてだろ?下がってリーシャを頼む」

「わかった」

海戦のプロのキャプテンライズに言われた通りタツキはリーシャの近くまで下がった。

「リーシャ、大丈夫か?」

「ん。魔法を唱える間、海に落ちない様に支えてくれると嬉しい」

「どーしろと(汗)」

前にも述べたがリーシャの背は低い。

何せ竜騎の胸辺りに頭が来るのだ。

肩を押さえるにしても、この揺れでは踏ん張りが効かず竜騎がリーシャを支えるには必然的に胸を押さえるか抱っこするしかない。

「・・・・・・///」

リーシャもそれに気付いたのか顔を赤くする。

「何してるッスか(汗)」

互いに顔を赤くしている竜騎とリーシャを見て汗を垂らしながら近づいて来た。

「いや、リーシャに支えてくれと頼まれたんだがどうした物かと」

浮遊魔法(レビテーション)使えば良いじゃないッスか」

「・・・・・・」

「あるのか?浮遊魔法」

「フラベイム様に教わってたッスよ?」

竜騎がフラベイムと修行していた1ヶ月半。

フラベイムは何も竜騎の修行のみをしていた訳では無い。

この旅で皆が生き残れる様にちゃんとリーシャとレンにも修行をつけてくれていたのだ。

因みにレンには体捌きを、リーシャには失われた過去の魔法、【古代魔法】を数個授けてくれた。

浮遊魔法(レビテーション)もその一つで険しい山道等で転落しない様に、リーシャがきちんと竜騎達についていける様にと授けてくれた。

「全然使わないから忘れてたッスね?」

「・・・・・・///」

レンの指摘にリーシャは顔を真っ赤にしてコクンと頷くのであった。

この元宮廷魔導師様は案外天然なのかも知れない。

竜騎はキャプテンライズ達が慌ただしく動き廻る中、そんな事を思わずにはいられなかった。




【魔物図鑑】


【クラーケン】

海に住む全長十メートルを越える巨大な烏賊の魔物。

出現する際には渦潮と共に現れ海を行く船を襲う。

弱点は炎と雷だが、水中に潜む為炎は余り効果が出ない。

炎で狙う場合は足を狙うと効果的。

食する事も出来、味は大味だが中々に美味。

刺身もイケるがガルムレイドには生で食べるという事が無い為、誰も知らない。


次回クラーケン戦!

魔物図鑑を読んだら討伐後のオチが読めると言う罠(笑)


因みにセリーナの水恐怖症はあっしの実話に御座る。


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