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詩 アイドルになりたい

作者: WAIai
掲載日:2026/06/19

「アイドルになりたいな」

「え?」


登校中、私は勇気を出して切り出した。

彼は驚いており、私は少し頬を膨らませる。


「そんなに驚くことないじゃないの」


いじけた子どもみたいに告げると、彼が口を開く。


「悪い。だって、お前、アイドルって…」


彼の視線が私の全身を見つめていく。

何だが心の中を見られているようで、恥ずかしかったが、逃げようとはしなかった。


「応援してやるよ」


彼が目を輝かせながら、OKサインを出してきた。

私は嬉しくなって、

「ありがとう、実は…」

カバンを開け、雑誌を見せる。


そこには、「アイドル募集」と書かれており、黄色い付箋が貼ってあった。


「もう応募しちゃったんだ」

「え!? もう!?」

「駄目かな?」


彼を上目遣いで窺うと、雑誌と私を見比べる。

首まで赤くなっているのは、気のせいだろうか。


大型動物が小動物に甘えて大人しくなったような、そんな感じだった。


彼は怒った顔を作り、

「俺に何で言わなかったんだよ?」

「だって恥ずかしいもの。でも今更だけど、どう思う?」

「どうって…」


少女のように、彼はもじもじし、早口で言ってくる。


「お前ならなれるよ。頑張れ」


彼は視線を背けると、手で顔をあおぐ。


「朝から暑いな」


誤魔化すように、1人で呟く。

私は甘えようと、彼の袖を摘む。


「本当に?」

「本当だってば。…嘘だけどな」


小声は聞こえなかった。

私は1人ではしゃいで言う。


「特技はピアノにしようと思って」

「ああ、それはいい!! お前、得意だものな」

「うん!! 何を弾こうかな」


雑誌を胸に抱えると、彼が手を繋いでくる。

私も嫌ではなかったので、握り返す。


「あ! そうだ!!」

「どうしたの?」

「ちょっと雑誌を見せてみろ」


何で急に慌てたのか、私は分からなかったが、素直に雑誌を見せる。

彼は速読し、ほっと安堵の息を吐き出す。


「…良かった。水着審査とは書いていないな」

「え? 何?」

「何でもない。…あ、先生だ」


校門に先生が立っており、私は慌てて雑誌をカバンにしまう。


「また後で話してもいい?」


先生を気にして小さく言うと、彼はすぐに頷いてくる。


受かるといいな。

ライバル達はどんな感じなのだろうか?


1人で空想しながら、校門を通ったのだった。


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