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光の後に残るもの~忘れても、届く~

初投稿です! 読んでいただけたら嬉しいです。

「……っ」

重たい瞼を、ゆっくりと持ち上げる。


滲む視界の向こうで、カーテンが淡く揺れていた。

差し込む朝の光だけが、やけに鮮明に刺さる。


知らない天井。


息を吐いた、その瞬間——


椅子が倒れる鋭い音が、静寂を破った。


「……っ!」


誰かが勢いよく立ち上がる気配。

それは迷いなく、こちらへ向かってくる。


「起きたのか……!」


掠れた声。


次の瞬間、視界の端に影が落ちた。


ベッドの横に駆け寄ってきた男が、息を呑むようにこちらを見つめている。


逆光で、顔ははっきりしない。


それでも——その存在だけは、異様なほど鮮明だった。


胸の奥が、理由も分からないまま強く脈打つ。


男は一度、息を詰めるように目を伏せて、それから、壊れそうな声で笑った。


「……俺が分かるか。」


その言葉が落ちた瞬間、胸の奥が痛んだ。


分からない。


知らない。


それなのに、どうしてこんなにも——息が苦しい。


男は縋るように、そっと手を伸ばす。


「ナイトだ。」


低く、静かな声。



まるで名前というより、祈りみたいに響いた。


「……ナイト。」


その音をなぞった瞬間。


胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。


何かが確かに触れた気がしたのに——



それでも、何も思い出せないのに、離れてはいけないとだけは分かっていた。


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