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番外編 龍宮 アルトの憂鬱  作者: 紅p
運命を変える者達
4/9

004 ~一顧傾城の美女 イヴ~

 赤髪の青年と黒髪の女性、

そして、緑頭の少年との距離を少し知事メタアルトは背後から声を掛けられた。

 それはアルトのよく知っている人物だった。

 その人物は赤髪の青年達を見つめ、意外な提案をする……。


「アルト? こんな所で何をしているのですか?」

 アルトの背後から声を掛けたのはアルトの姉であるイヴだった。

 イヴはアルトと同じ色の髪をポニーテールでまとめ、裃姿の袴には長短の二振の刀があった。

 そして、アルトより少し上からその一顧傾城をそのまま表した顔にある

アルトと同じ色の瞳でアルトを見つめていた。

「姉上!?」

 そのイヴにアルトは畏まってしまう。

「アルト、この方々はどうなされたのですか?」

「この者達は、宝珠の国の皇女の、そ、その、か、家族の者でして、今回、同行してきたのですが……」

 だが、イヴに優しく聞かれたアルトは説明した。

 すると、その説明を聴いたイヴは暫く緑頭の少年達を見つめていた。

「そうでしたか。私の名は、龍宮 イヴと申します。現龍宮家の当主です。以後、お見知りおきを。

 あなた方の名を聞いても宜しいですか?」

 それからイヴが口を開くと赤髪の青年が全員を紹介し、全て解決してしまったのである。

(ふぅーん……。そういう所もあるんだ)

 アルトはそんな赤髪の青年を見直す。

「そうですか。アルト、この者達を我が龍宮家に案内しますよ」

「あ、姉上!? 宜しいのですか?」

 そのアルトはイヴの優しく流れる水の様な声を聞くと思わず目を見開いてしまった。

「私が良いと言っているのです」

「はい、姉上! 承知しました!」

 それからイヴに、にこっと見つめられると嬉しくなったアルトの顔は綻ぶ。

「君! こっちに来たまえ!」

 そして、アルトは顔を斜め右に上げて髪をかき上げながら緑頭の少年達に指示した。

 そう、アルトは嬉しかった。

 イヴが自分の両親とは違い、格式等関係なく接し、尊敬出来る人だと改めて感じれたからだ。

 アルトはそんなイブの期待に応えるべく行動する事を決意し、

その第一歩として緑頭の少年達にそう指示したのである。

 だが、龍宮家の屋敷内で宝珠の国の皇女と合流した緑頭の少年と赤髪の青年は、

こそこそと何かを話し始め、真面目な話を壊しかけてしまったのだ。

(全く……。彼等には緊張感というものはないのかな?)

 そんな彼等を見たアルトはムカッとくる。

「君達、静かにしたまえ」

 それでもアルトは落ち着いて緑頭の少年達を黙らせる事に成功した。

「姉上。僕達も御供させてもらいます」

「あなた達もよろしくね」

 それから目を輝かせたアルトがイヴを見ると

イヴは吸い込まれる様な笑顔で緑頭の少年達を見つめる。

 こうして皆で光の神殿付近まで行く事が決まった。

 だが、

「父上、母上、客人に失礼ですよ」

と、イヴは眉を顰めていたアルトの両親を制した。

(やはり、あの人達とは合わない……)

 そんな自分の両親の悲しい行為を見たアルトは失望する。

 それから宝珠の国の皇女を光の神殿に導くべく行動している間、

緑頭の少年は色んな事に騒いでいたがそれを無視し、アルトは浦島から降り立った湖の畔まで来た。

 そして、

「アルト」

と、イヴにそれだけ言われたアルトは頷いて浦島にマナを与え、浦島を巨大化させた。

「何かさっきよりデカくなってないか?」

 すると、大きくなった浦島を見た緑頭の少年は驚きたじろいでしまったのだ。

「当たり前だよ。乗る人数が増えたんだから」

「そうじゃなくって!! 何で、デカくなれんだよって言ってんの!!」

 呆れて物が言えそうにはなかったがアルトが説明すると緑頭の少年は驚きを前面に出した。

(彼は本当にアカデミーにいく気はあるのだろうか……)

 そんな緑頭の少年をアルトは心の底から心配になってしまった。

 何故なら、この事は一般常識だったからである。

「はあ……。君は何も知らないんだね。

 いいかい? 霊獣に与えるマナの量や質によって霊獣は姿を変えれるんだ。

 わかったら、さっさと乗りなよ」

 それからその緑頭の少年にアルトは教え、全員無事に浦島の背に乗る事が出来た。

 そんなアルト達を乗せた浦島はイヴの水の盾である冬夏青々の泡に守られた。

 水の盾とは術者の意志と水のマナを融合させ強固な防壁を作る水鏡の国の者が使う特殊な術の事で、

特に冬夏青々は龍宮家の者のみ使える技である。

 その冬夏青々は術者の強固な意志の下、

その防壁の中にいる者に危害を加えるものから守る盾となる。

 なので今回、湖深くにある洞窟を通り龍神の滝へ向かう為の盾となった。

 ちなみに目的地である光の神殿はその龍神の滝を登りきった先の泉、水鏡の泉に浮かぶ島にある。

 そしてその移動中、緑頭の少年は何にでも驚き、騒いでいた。

 アルトはそんな緑頭の少年を無視すれば良いのだが何故か放っておけなく、

「姉上の力さ。姉上の力のおかげで、僕等は守られているんだ」

と、教えてあげてしまった。

 だが、その合間にアルトは黒髪の女性が非常に気になった。

 それは黒髪の女性は笑っていたが、

その笑顔の裏で何かに怯えている事をアルトが感じ取れたからである。

(どうして彼女は怯えてるんだ? その癖、人に気を使ってばかりいる……。

 と言うか、家族なら誰か気付いてあげないのか?)

 そんな黒髪の女性をアルトが怪訝そうに見ていると、

龍神の滝の前にある小さな島で龍神の岩に祈祷し終えたイヴが浦島へ戻って来た。

 それから浦島は龍神の執事霊獣である鯉の霊獣達の助けを借り、龍神の滝をぐんぐん登っていたが、

その間も緑頭の少年は一人騒いでいた。

 そして、そんな緑頭の少年はそのままで、

龍神の滝を登り切ったアルト達の目の前にこの世のものとは思えない光景が広がった。

 そう、龍神の滝を登りきった先の川は七色に光る光が楽しく踊り舞っていたのである。

 さらに透き通って見える川底からもその光が反射され水の中までも光が舞い踊り、

その光輝く川はまるで夜空に浮かぶ天の川の様だったのだ。

 そしてそんな川岸には色んな生き物達が集まり、

彼等は目を輝かせ嬉しそうにアルト達を見つめていたのである。

(凄い、彼等がこんなにも歓迎するなんて……。そんなに、宝珠の国の皇女を認めさせたいのか?)

 そう感じているアルトがまるで天の川の様な空間を浦島に乗って進んでいると、

「姉貴!? 顔色が悪いぞ?」

と、やっとその事に赤髪の青年が気付く。

「へへ。私、酔っちゃったみたい……」

 すると、明らかに顔色が悪い黒髪の女性は赤髪の青年を見つめ苦笑した。

「大丈夫ですか? もうじき当直します。それまで、耐えれますか?」

「はい。大丈夫です」

 そんな黒髪の女性は美しいイヴの顔と声で少し頬を赤くして頷いた。

(何を強がってるんだ? 大体、浦島に乗る前から君は気分が優れない顔をしていたじゃないか!!)

 だが、その黒髪の女性の強がる態度にムッとしたアルトの眉間にはしわが寄る。

「そんなんだったら、来なきゃ良かったのに」

 そして、上手く気持ちを伝えられないアルトはそう言ってしまった。

「アルト、その様な言い方はやめなさい!」

「姉上。すみません……」

 その後、眉を顰めたイヴから叱られ、眉が下がったアルトは素直に謝るしかなかった。

 そんなアルトが浦島に乗ったまま光の神殿へと近づいた時だった。

 光の神殿の方から何かが激しく崩れる音が聞えたのだ。

 その音を聞いたイヴは血相を変え救いの神子の名を呼び、

川の水面を走り一人で光の神殿へと向かってしまった。

「はっ!? 何で、水の上を走ってるんだ!!」

 そして緑頭の少年はまたもや叫ぶ。

「姉上、お待ちください!! 浦島、急いで追いかけるんだ!!」

 その叫びが耳に入らないアルトは命じ浦島はス速度を上げたがイヴには追い付く事は出来なかった。

 それでも浦島はイヴを追い掛けアルト達は光の神殿がある島へと上陸する。

 すると、そこには目を覆いたくなる様な惨劇が広がっていた。

 と言う事で! 番外編 龍宮 アルトの憂鬱のエピソード 4 でした☆

 いやぁ、やっぱりこうやって執筆していくとアルト君を主人公にしたくなっちゃったのよね……。

 あの緑頭のコはねぇ、何かこう足りないのよ……。

 それに比べてアルト君は♪ にゃはは☆

 さっ! 浮かれてないで、次のエピソードを執筆しなくっちゃ♡

 でもね、冬夏青々のるび打ちが上手くいかにゃいのよ……。

 って事で、冬夏青々→トウカセイセイ でよろしくにゃのだ☆

 次回【運命を変える者達 ~頼る事と頼られる事~】

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