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番外編 龍宮 アルトの憂鬱  作者: 紅p
運命を変える者達
1/13

001 ~出会いは最悪~

 これは宝珠の国の とあるかたすみでのお話……。

 龍宮 アルトはいつも何かが肩にのっており、眉間にしわが寄っている二三歳の青年である。

 そんなアルトはアカデミーの院生の一年のある日、今までにない不快な思いをさせられた。

 そして、アルトはもう二度とそんな奴等とは関わらないはずだったが、

運命の悪戯により次の日からアルトを不快にさせた奴等と関りを持つ事となってしまう……。


「お帰りなさいませアルトお坊ちゃま。おや? どうかなされましたか?」

 自家用機である飛行艇に帰り着いた龍宮 アルトはそう話し掛けられたがそれに返答しなかった。

 そんなアルトは二三歳の青年で美しい青い瞳にそれと同じ色の腰下までの長い髪、

色白のベージュ肌で痩せ型、その美しい容姿は女性に劣らない程のものである。

 さらに宝珠の国の最高峰の学力を誇るアカデミーの院生でトップの頭脳を持つ。

(どうかなされたどころかじゃない!! こんなにイライラさせられるなんて!!

 折角こんな思いをしない様にしてたのに……)

 だが、そんなアルトは自家用機の自室の机の前でむしゃくしゃしていた。

 何故なら先程、アルトが通っているアカデミーで恥ずかしい思いをさせられたからである。

(何なんだ、あの人達は!?

 どう見ても姉弟じゃないのに、姉ちゃんやら、お姉ちゃんって言うなんて……。

 家族ごっこなら他所でしてくれ!!)

 ダンッ!っと右拳を机に叩きつけてアルトは自身の怒りを机に流した。

「まあ、あのケレスとかいう奴がアカデミーに受かる訳ないさ!」

 それから深く椅子に腰かけたアルトは自身を落ち着かせる様にそう言って髪をかき上げる。

 ちなみに、ケレスと言うのはアカデミーでアルトに恥を掻かせた一味の一人の名で、

ダークグリーンの瞳にそれと同じ色の髪を頭の上で束ねていた少し日焼けした少年の事である。

 その少年の言動からして歳は一七歳で、中肉中背、

見た目からして性格は単純で、身長はアルトより少しだけ低いと思われた。

 そんな緑頭の少年の小生意気な顔を思い出しているアルトだったが、

パソコン画面にイヴからの連絡が写し出されている事に気付いた。

 イヴとはアルトの二歳年上の姉の事で、龍宮家の当主にして水鏡の国の頂点に立つ将軍の事である。

「あっ、姉上からだ!

 えっ……。明日、宝珠の国の皇女を光の神殿までお連れしろ、だって!? 何だ、つまらない……。

 と言う事は、僕がお連れしなきゃいけない!? どうして?

 それに宝珠の国に皇女なんていたのか!?」

 そんなイヴからのメッセージをわくわくしながら見たアルトは、がっかりやらびっくりしながらも、

イヴの言う事を素直に聞く事にした。

  ちなみに光の神殿とは、アルトの故郷である水鏡の国の本島、稲叢島いなむらとうに聳え立つ

動物だけでなく数多くの精霊や霊獣までもが住む美し気山、ビフレスト山の中腹にある神殿の事だ。

 その光の神殿にはこの世界の中心の神であるアマテラス神が下立つ樹、世界樹があり、

そして神聖な儀式が行われる場所にもなっているのである。

 そのメッセージを受け取った次の日の朝……。

「いってらっしゃいませ。アルトお坊ちゃま」

 そう言って頭を下げたのはアルトの執事である鼓 メイサだった。

 前日、アルトを出迎えたのもメイサである。

 メイサはグレーヘアーで鬢が左右に張り出し、前髪は眉がはっきり見えるまでのパッツン前髪、

後ろ髪を一つに結った色白のベージュ肌で少し痩せ型の女性である。

 そしてその瞳はアルト同様の色だが、その眼光は研ぎ澄まされた刃物の様に時々変化し、

それを向けた者に何も言わせなくする。

 ちなみに年齢は不肖である。

「行ってくる。婆や、今日は頼むよ」

「アルトお坊ちゃま。大丈夫ですか?」

 そんなメイサにアルトは振り返る。

 すると、メイサの顔には不安が滲み出ていた。

「どういう意味だい?」

「昨日、何か嫌な事があったのでは?」

 首を傾げたアルトの前で眉が下がっているメイサはその不安を出す。

「ああ、大した事じゃない。考えるだけ徒労に終わる事だから」

「そうでしたか。あまり御無理を成されぬ様に……」

 そんなメイサにアルトはふっと笑ったがメイサは悲しそうな声でアルトを見送った。

(全く、婆やは心配性なんだから……)

 それから眉間にしわを寄せたアルトが宝珠の国の王宮 ヴィーンゴールブ城内を歩いていると、

聞き覚えのある楽しそうな声が聞こえてきたのである。

「ま、まさか……。この声って……」

 その声を聞いたアルトに前日の嫌な記憶が蘇り、不安が過った。

 そして、アルトのその不安は的中する。

 そう、集合場所である謁見の間には昨日アルトを不快にさせた三人組と霊獣、精霊に加え、

もう一人、どう見ても馬が合いそうにない赤髪の青年がいたのだ。

 その赤髪の青年は小麦色に日焼けした肌に鍛え抜かれた体で、身長もアルトより大分高く、

その顔にある瞳は髪と同じ色で陽気な顔をしているが何処か胡散臭い顔をしていた。

 そして、その赤髪の青年は緑頭の少年からは兄貴と呼ばれ、

黒髪の女性からはジャップと呼ばれていたのである。

 そんな黒髪の女性は髪を背中まで伸ばしており、黒色の瞳にアルトより色白の肌で華奢な体、

瞳はその髪同様の黒色、どうみてもお人好しという顔をしていた。

 そして、その隣には有り得ない程の大荷物があり、

その上には橙色のフード付きのポンチョで体のラインを隠した桃色の猫の精霊が仰向けで眠っていた。

()何なんだ、あの赤髪の彼は!? 兄貴だって? 彼も家族ごっこをしているのか!!

 それに、何だいあの大荷物は? 本当に知性のない者の考えはわからないね!!

 少し教えてあげなきゃ!)

 そう考えたアルトは四人組に近づいて行った。

 そして、

「本当に馬鹿じゃないの? 日帰りにそんな大荷物抱えてさ。

 それに、食事ぐらい龍宮リュウグウ家で提供されそんな物を食べる事なんてないのに」

と、眉間にしわを寄せたアルトが話し掛けると、

「お前は、龍宮 アルト!? 何でいるんだ?」

と、緑頭の少年から嫌悪感たっぷりな顔で怒鳴なれ、

「何だ? ケレス、知り合いか?」

と、言った赤髪の青年からアルトは興味津々な顔をされてしまった。

「知り合いじゃあない!! すごぉーく嫌味で、性格が曲がった奴で、関わらない方が良い奴だ!!」

 さらに緑頭の少年は非礼な言葉を並べる。

(本当、知性のない者って、嫌いだ!!)

 すると、アルトの眉間にはさらにしわが寄った。

「君……。随分、失礼だね。今日は僕が案内してやるって言うのに」

 そんなアルトは嫌悪感を前面に出してしまった。

 それからその後も緑頭の少年は何かゴチャゴチャ言い続けていたが、

アルトがそれを右から左へ流していると、

「まあ、今日は初めての家族旅行だ。楽しくいこうや!」

と、赤髪の青年は気が抜ける様な事を言い出し、

何故かその言葉はアルトの耳に残った。

(何なんだ、あの赤髪の彼は!? 今から家族旅行に行くだって?

 本当、危機感を持ってほしいね!! そんな態度じゃアマテラス様に認められる訳ない!!

 大事な妹君が認められなくても僕達のせいにするなよ!!)

 そんなアルトはイライラしながらも四人組を自身の飛行艇に案内する事となった。

 ちなみに赤髪の青年の妹と言うのは宝珠の国の次期女王の少女の事で、

その少女の瞳は黒く、中肉中背の体、褐色の肌に茶色に赤色が混じった髪は肩まで伸びていた。

 そしてその顔立ちは、負けん気が強いといった事をそのまま表していた。

 さらに付け加えると今までこの宝珠の国の皇女の存在は何らかの理由で公表されていなかった。

 そんな宝珠の国の皇女の隣には宝珠の国の守り神である精霊神の執事霊獣、朱雀のクリオネがいた。

 クリオネは小型犬の姿をしており、全身が紅色の短毛に金色のタビーが入り、

ふさふさした尻尾を持っている。

 さらに大きな三角形の耳に黒いアイラインが入ったエメラルドグリーンの瞳が

そんな彼女の可愛さを引き立てていた。

 今回アルトはこの宝珠の国の皇女を光の神殿迄連れて行かなくてはならない。

 それはこの宝珠の国の皇女が宝珠の国の女王になる為にはアマテラス神の加護が必要だからである。

 そして、この重要な任務からアルトの運命は大きく動き出す……。

 へい! 【番外編 龍宮 アルトの憂鬱】を勝手にリニューアルしちゃいました☆

 いえね、本編と番外編のペース配分が難しくって難しくって……。

 苦肉の策がシリーズ化して、良いタイミングで投稿しようってなったのよ……。にゃはは♪

 それでですな、一応追い着くまではまあまあのペースでの投稿だす!

 なので、こんな感じですがよろしくにゃのだ☆

 次回【運命を変える者達 ~共に旅立ち~】


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