暖簾に腕押し
ギルザルゴと遂に一騎打ちの時が来た。
「……!」
「くく」
「あの、鉄球を下して皆を開放してくれないか?」
「それはもう少し様子を見よう」
「急がないと皆力尽きてしまう!」
「まあ、そう急がずともよい。仲間の命など軽い物だ」
「あんたには分からない!」
そこへアッサム様の声が脳に直接聞こえた。
「聞こえるか?」
「え?」
「テレパシーだ。大声で作戦会議をするわけに行かないからお前の脳に直接話す。それにナターリアとの脳内会話もばれないから三人で作戦を立てられる」
「心強いです」
「では行くぞ」
遂にギルザルゴと対峙。
皆固唾を飲む。
「グオオ」
と抑えめの吠え声を出しギルザルゴはパンチで攻撃して来た。
思ったほど速くなくて避けられた。
でも遅いのが不気味。
「がああ!」
様子見の様にギルザルゴはパンチを撃ってくる。
アッサム様は言った。
「まず様子見の為に回避に全集中するんだ」
「分かりました」
とナターリアは答えた。
しかし開始二分、ギルザルゴの動きはあまり速くならない。
牽制の様に俺もパンチを出そうとしたが不安でそびれる。
今度はギルザルゴの攻撃を腕でガードした。
重くて響くけどそれ程でもないのが不気味。
牙、爪、蹴りで襲い掛かるギルザルゴ。
何とか二人合体分の回避力で避けている。
「あれ、俺の動きが重く遅くなっていく」
「ふふ、気づいたか」
「何?」
「さっきから至近距離で余の息を吸っているお前は動きがどんどん遅くなっていくのよ」
「何だって!」
俺は素早く距離を取った。
焦るのは禁物だが遠距離攻撃。
ナターリア詠唱で巨大光魔法がギルザルゴに向かう。
避けもせず見事に命中したが全く効き目なし。
「なら」
俺は渾身の白炎を放った。
火に包まれるギルザルゴ。
ところが全く効いていない。
「なら、俺の基礎から身に着けた威力の大きい技を」
アッサム様は止めた。
「あれは危険だ!」
分かっていたけど、俺は右手に力を溜めた。
「来んのか? ならこちらから」
ギルザルゴが攻めて来た。
幸いそんな速いパンチでないので見切れた。
昔マッギリールとの戦いで使ったカウンター爆発。
上手く右の掌にパンチを撃って来たギルザルゴの前で大爆発が起きた。
ところが煙の中から無傷のギルザルゴが出て来た。
「くっくっく」
「これほどまでとは」




