目覚め過ぎた血
どうするか……
こんな時こそ冷静にならなければいけない。
「まだだ、俺はまだあきらめないぞ」
「カラ元気か?」
「確かに俺達の大技は全部あんたに通用しなかった。しかしそれは諦める理由にならない」
「ほう」
「何度でもやって見せるさ」
俺は構えた。
しかし
「待て!」
突如、海斗の叫び声が響いた。
「え?」
真面目な彼の怒鳴り声は俺達を驚かせた。
「俺は諦めない。倒す!」
「ふふ」
「海斗、どうしたんだそんなに自分を追い詰めて。突っ走らないで仲間と力を合わせないと」
「俺は勇者です。皆の期待を背負ってる。俺の負けは皆の敗北を意味します」
「そんなにまで君は責任感が強かったのか」
「いえ、異世界に来てからなんです。能力だけでなく性格すべてが覚醒して」
アッサム様は推測した。
「もしや、異世界に来て君の隔世遺伝した勇者の血が強すぎる程目覚めてしまったのか」
「そんな!」
「俺がザンブラーを倒します」
「よせ」
「うおおお」
止めるのも聞かずまた海斗はザンブラーに飛び掛かった。
しかしカウンターパンチを食って吹き飛ばされた。
しかし血をぬぐいまだ立ち上がってくる。
ザンブラーは炎と強風を起こした。
「はっはっは! 儂を倒さんと世界が暗黒に包まれるぞ。勇者は負けちゃいけないんじゃないのかえ?」
「うおお」
「駄目だスタンドプレーは!」
アッサム様は冷気で海斗を凍らせた。
そしてラセル王子はバリアで彼を包んだ。
「異世界の空気と状況変化が彼に流れる勇者の血と本能を病気に近い位変えてしまったんだ。休ませよう」
ザンブラーはいった。
「勇者を休ませるだと。おいおい勝機を無くす気かね」
しかし俺は言い返した。
「俺は勇者が動けなくなっても諦めないよ」
「また馬鹿の一つ覚えの技でも出すのか?」
その時アッサム様は言った。
「今こそ快人とナターリアが二人一つになるんだ。幽体合体だ」
「あれを!」
アッサム様は確認した。
「ナターリア、準備はいいか!」
「ええ!」
ナターリアは幽体離脱し俺の体に入った。
今度は前と違う。
前はいつも俺がナターリアについて行けなかった。
でも本当に今度は違う。
「強風を食らえ」
ザンブラーは強風を起こした。
しかし俺達は飛ばされなかった。
「ならば火炎だ」
ザンブラーは今度は口から火を吐いた。
しかし俺は水を受け流すようにこれに耐えた。




