白魔法の謎
「え?」
「伝説の剣がないと?」
皆半信半疑でもあったが、確かに絶望感を決定的に受けた。
「魔王を倒すための武器」があるなら言い伝えにもなるはずだけど。
俺はアッサム様に聞いた。
「あ、アッサム様! 本当なんですか? そんなのあるんですか」
「いや、聞いたことがない」
ザンブラーは笑った。
「当然だ。昔先代の魔王が負けた時の事は言い伝えにならぬよう知っているものを殺したり本に書いたりできぬようにして次代に伝わらなくしておいたのよ」
「ぐ……!」
海斗が歯ぎしりをしている。
自信がぐらついたのかも知れない。
そして彼は言った。
「そんな事はない……! お前は僕達が倒す」
しかしアッサム様は言った。
「落ち着くんだ海斗」
「はっ!」
ところが静止も聞かず、海斗はうかつにもザンブラーに飛び掛かった。
爪パンチで迎え撃たれ吹き飛ばされた。
「海斗!」
海斗がダウンした。
激しく床に叩きつけられた。
ところがすぐ立ちまた飛び掛かった。
「うおお」
海斗はザンブラーの胸や腹をがむしゃらに切った。
明らかに冷静さを無くし。
ところが血は出るものの効いた感じがない。
「くそ!」
「無駄だ。あがく姿が愚かしいが」
俺はアッサム様に言った。
「海斗は冷静さを失ってます! どうしたのか」
「いきなり異世界に連れて来て満足な修行もせず魔王と戦うなどと言う無茶をさせたからかもしれん」
俺は彼の気持ちが分かると同時に少し弱い部分があると驚いた。
多分俺と同じで「勇者だ」と期待されて意気に感じたんだと思う。
責任感も強いんだと思う。
逆にもろい部分も。
アッサム様は指示した。
「作戦を変えるんだ。快人とナターリアと王子で魔法中心に攻めるんだ」
「はい!」
俺は白炎、ナターリアは稲妻、王子は水の魔法を同時に魔王へ放った。
どれもレベル五十近くでないと出ない威力だ。
ザンブラーの動きを止めるには一応成功した。
しかし
「凄い魔法の威力だ。普通の相手ならとっくに死んでいるだろう。だが儂は死なんのだ」
「諦めないぞ!」
「ほう! なかなか良い目だな。ん? どこかで見た事が。まさか数百先代の魔王を倒した白の魔法使い? いやそれは途絶えたはずだ。しかし」




