底知れない力
「うおお」
「ふふん」
笑うザンブラーと火炎を放つ俺のせめぎあい。
必死の食い止め。
海斗をかばい、彼を踏みつぶそうとするザンブラーの足を俺は火炎で全力で阻止した。
「はっ!」
「はあ!」
魔法の使えるナターリアと王子が俺を援護してザンブラーの足の下に並んだ。
「おうおう」
これを食らい、あまり効いてなさそうだがザンブラーは熱そうに足を引いた。
海斗は謝った。
「すまない皆」
「良いって事さ」
俺は言った。
「でも、どういう事だ心臓が貫かれても駄目って」
「私達とは体の構造が違う?」
ザンブラーは嘲笑った。
「せいぜい考えろ伝説の勇者共。それにしても勇者、お前はなかなかの腕とスピードだが心臓をついても効かないんじゃ意味がないなあ」
「ぐっ!」
俺は感じた。
海斗の自信が明らかにさっきより落ちている。
それはザンブラーが強いと言うより得体の知れなさぶりから。
はっ、そうだ俺は透視能力があるんだ。
集中すれば。
するとレントゲンみたいにザンブラーの体内が見えて来た。
でもあれ?
あまり人間と差がないぞ。
臓器とか骨とか。
構造自体は同じだ。
小声で俺は海斗に伝えた。
「どう言う事なのか」
「効いてるけどやせ我慢してるとか?」
「でも心臓だぜ」
「アッサム様」
「良し、キルビルとフォルスターと海斗の三人で攻めるんだ」
「はい」
アッサム様は指示を出した。
三人でかく乱作戦を始めた。
「ぬ? 今度は三人か。速いな」
「本音なのかわからない」
まずキルビルとフォルスターが前に出て相手の出方を伺いながら攻めた。
突っ込み過ぎないよう。
しかし相変わらずザンブラーはパンチしか撃ってこない。
「良し! マーガスも攻めるんだ。快人とナターリアは後方支援!」
急に作戦を変えたアッサム様。
戸惑いながら俺達は動いた。
そして
「あっ!」
剣が一閃され、何と遂に海斗はザンブラーの左腕を切り落とした。
「ええ!」
「はあはあ」
ザンブラーは息を切らし血もだらだら流れてる。
ところがである。
「うおー痛い! 痛い!」
ザンブラーはひょうきんささえ感じる痛がり方だ。
「何だあの反応? 効いてないみたいだ」
「くっ!」
また明らかに海斗には動揺が見えた。
ザンブラーは少し方針を変えて来た。
「ふん、良いだろう。まず勇者から殺してやる」
と言うとザンブラーは眼から光線を撃った。
「うっ!」
かなり速くキルビルはかろうじてかわした。
今度は弱めの火炎を口から吐いた。
フォルスターはかわした。
「明らかに攻め方を変えて来た。それに海斗をターゲットに決めて来た」
と思いきや、突如ジャンプし踏みつけも織り交ぜる。
相手の動きが読めなくなってきた海斗はパンチを受けてしまった。
「ぐあ!」
「威勢だけは良い連中だな。良い事を教えてやる。儂は伝説の剣がなければダメージは受けんのだよ」
「え?」
その言葉が皆を絶望に突き落とした。




