近づく戦い
近づく戦いに備え俺達は修行していたのだが、とにかく海斗がすごかった。
凄い動きでアッサム様と渡り合って見せる。
はっきり言って凄すぎる。
俺はぎりぎりで目で捉えてるくらい。
アッサム様の方が先に汗をかき呼吸が乱れた。
「少し休もう」
とアッサム様が言った。
それと、何とラセル王子も修行に加わったんだ。
「僕だけ城でじっとしてるわけに行かない!」
何でも騎士団とかなり修行したらしい。
さらに終わってから自主トレとか。
「王子いい動き」
ナターリアは褒めた。
ただ魔王に通用するかは分からない。
でも本人の意気が凄いらしいんだ。
「僕はただ城で座っているだけの人間になりたくない。足手まといは百も承知だ。皆は僕を弾除けにでも使ってくれ」
いや、さすがに王子を弾除けには。
でも俺は気づいてたんだが嫉妬の感情が実は生まれてたんだ。
海斗があまりにすごくて皆感心していて、俺は人違いだったから。
もう一つは王子がナターリアの婚約者である事。
いや、本当に優しくいい人なんだけど。
フォルスターと王子は手合いが終わった。
「フォルスター、君は強く男らしい。僕の様な坊ちゃんは足元にも及ばない」
「そ、そんな」
「でも、僕にも負けたくない意地があるんだ」
「な、何の事か」
後話はそれるけど俺は海斗と話した。
「君、現世にいた時からめちゃ強かったの」
「いや、少し剣道出来る位で、ここでアッサム様の修行を受けて伸びたんだ」
「え? 元からじゃないの?」
「うん、ナターリアが話聞いてから凄く驚いたよ」
「自信あった?」
「ない。でもどうしても僕が必要だって彼女が言うから意気に感じたんだ」
「意気に?」
「うん。責任感と言うか」
「やっぱり君只者じゃないよ」
海斗と離れた後アッサム様が俺の所に来た。
「何か悩んでるの」
「いえ、認めたくないんですが海斗やラセル王子に嫉妬みたいな感情があるんです。ナターリアは俺をすごく褒めてくれてたけど、自分の小ささに気づきました」
「本当に小さな人間なら打ち明けてくれない。と言うか認めないだろう」
「海斗ってどのくらい強くなりますか」
「後三日あれば魔王と戦えるね」
「ええ?」
「そうそう、君とナターリアに新しい戦法を教える」
俺とナターリアは道場に戻った。
「もう一度幽体憑依の術を使うんだ。それをすれば一+一は二どころか五十、百になる」
「ええ?」
「ただ前と違って時間や状況制限も出て来るけどね」
そうだ。ナターリアが生き返ってからしばらく一心同体じゃなかったけど、これからは技として一心同体になる?




