魔王の挑戦状
悶々とした思いを抱えながら俺は修行を続けていた。
引き続き火炎の威力アップとバリエーション増やしをアッサム様に付き合ってもらう。
濁流のような形で放出するタイプを放つ。
ごうごうと白炎がアッサム様に向かって行きこれをかわす。
さらに、直径五〇センチくらいの炎の弾をいくつか放つ。
これは地面にぶつかると化学反応みたいに爆発を起こす。
さらに今度は小さい代わりに速く撃てる火の玉を右手手のひらから連射する。
後、剣みたいな形にして振り下ろすタイプとか。
「疲れたかい?」
「はい、でもそれ以上に『どういう形の技にするか』が絞れません。威力重視とかスピード重視とか広範囲攻撃とか」
「でもその中から選択できる程いろんなバリエーションを開発出来たって事だろ? それは凄い事だよ」
「サージェント・パークが死んだいま、いよいよ魔王軍が本気になると思います。決戦が近ければ魔王に通用するか不安です。あいつパークを一瞬で殺したし、自分は降りてこなかった。上から見てる感じですごく強そうな感じがします」
「でもこれ程短期間に伸びたのは快人君が初めてだ」
「ありがとうございます」
「ただ、君の白いエネルギーの正体が実は僕も分かっていないんだ。分かれば伸びるんだけど」
「僕だけ白いんですか、何でだろう」
「それでね。今度僕の友人の有名な予言者が来て白い炎の謎を解いてくれるらしい」
「本当ですか」
「後、何か悩んでない?」
「え! いえ何でも!」
実は先日の件は勿論悶々としている。
ナターリアもそんな表情。
フォルスターは何か生き生きしている。
そんな時だった。
「大変です果たし状が!」
何と門の前に果たし状が来たと言うのだ。
「ごきげんよう勇者諸君。よくぞパークを倒したな。これ以上戦いを続けてももどかしいから儂が直々に相手をしてやろう。場所は儂の城で日時は一週間後だ」
「え!」
「これ信用できるんですか!」
俺は何故か魔王が嘘言ってると思えなかった。
直観だけど。
王様方の耳にもこれは伝わった。
「これは明らかに罠です!だまし討ちとか」
「勇者パーティを助ける隊を編成しましょう」
俺にもそう言う人がいるのは聞こえたけど何故か魔王がそうでない気はした。
何て言うか、罠やだまし討ちって結局自分の株を下げるし、あいつからすれば「儂一人で十分だ」と思ってるんだろう。
ところで俺は先日のパークの死で初めてナターリアの為以外に本気で魔王を倒そうと思った。
善人を苦しめてる事よりも悪人の部下すらあんなひどい目に合わせる奴だから。
そして預言者が来る日は近づいた。




