虚空に消えた叫び
「あ、ああ、これで俺はおしまいだ。死ぬ以上の恐怖を味あわされる」
「どう言う事か」
「ぐあ!」
突如パークの右肩から血しぶきが飛んだ。
あの鉄壁の防御を誇ったパークの体が崩壊している。
「時間制限とかオーバーヒートとか?」
その時、巨大な声があたりに響いた。
「魔王の声?」
「いかにも。初めましてかな諸君」
「ま、魔王様!」
パークは怯えている。
魔王は太い声を周囲に響き渡らせた。
「貴様は期待を裏切った。元来醜く動きも遅いお前など魔界では上にいけんと思った儂はおまえに様々な能力を与えて育てた。将来の魔王候補としてな。しかし貴様は負けた。最後の使命として自爆で勇者パーティを道つれにしろ」
「な!」
「三分間の猶予のあと貴様の体は爆発する。死して意地を見せろ」
パークは体が光り始めた。
「いやだ! 死にたくない!」
パークがあんなに弱い所を
俺は天に向かい叫んだ。
「魔王とやら好き勝手してんじゃねえ。降りてこい!」
「ふん」
魔王は等身大になり突如降りて来た。
「魔王?」
「私の縮小立体映像だ。殴りたければ殴れ」
「うおお」
しかし当然のように透けてしまう。
「くそくそ!」
暖簾に腕押しだった。
しかしナターリアは叫んだ。
「快人君! この人を助けるのよ! 爆破パワーを吸い取るわ」
俺は駆け寄った。
「じゃあ俺も」
マーガス達も来た。
「俺達もやる」
「やられてもいいさ」
「みんな……」
「じゃあパークの体に手を当て爆破パワーを抑え込むんだ」
パークは人が変わった様に邪心の抜けた顔をした。
「こんないい人達を俺は」
「無駄だ。そいつはすぐに死ぬ」
俺はきっと魔王をにらんだ。
「やめろ! 取るなら俺の命を取れ!」
「はあ?」
「早くしろ!」
「敵の為に死のうとするとは気が狂ったか? それとも頭が悪すぎて狂ったか?」
「ああ、俺は頭悪いよ。子供の頃から成績は中の下、大学も決められない。ニート候補だ。でもな、例え敵であっても死にたくないと叫んでいる人の気持ちを無視する人間にはなりたくない!」
パークは諦めを口にした。
「もういい。俺はこんないい人達を殺そうとしていた。でももういい。爆発のエネルギーが凄すぎて君達は皆死んでしまう。ならば方法は一つ」
「え?」
「俺の太陽光吸収心臓と爆弾は繋がっているんだ。これを停止すれば爆弾は止まる」
パークは心臓を貫いた。
「これでいい。俺は魔王にそそのかされられた。しかし上に行けなくても自分を思いやってくれる人達と一緒にいる方が何倍も幸せなんだ。うっ」
「あなたは利用されていた……」
「例え生き残ったとしても凶悪犯の擁護なんて世間はしない。俺はここで死ぬ」
「パーク!」
「これでいい……」
俺達は墓を作った。
「俺、大事な人を魔王軍に殺された事ないから怒りが凄くはなかった。でも今回まさか敵の死で魔王達にこれ程の怒りを感じるとは思わなかった。パークの悲しみを胸に魔王を倒す」




