血を吸うセイウチ
「セイウチの化け物?」
その異様な姿に皆恐れを感じすぐ攻撃する事が出来なかった。
「そうだ。俺は醜く動きが遅く牙くらいしか取り柄のない一族だったのよ。それが魔王様に目をかけていただき、人間の様な高い知性や強靭な肉体、素早さもいただけた。だからこの決戦でおのれの忠義心を見せようとお前らに挑んだ」
「接近するのは危険だ。魔法と弓矢で攻撃するんだ」
魔法使いと弓兵部隊はそれぞれ魔法と矢で攻撃した。
にやりとするパーク。
避けようともせずその身に矢と魔法を食らったが蚊に刺されたほども効いていない。
「はーっはっは!」
フォルスターは言った。
「うかつに飛び込むのは危険だ。快人、お前の白炎で攻撃してくれないか」
「勿論!」
俺は魔力を温存しながらも出来るだけ強い威力の火を出そうと詠唱した。
パークは動こうともせずにやにや笑っている。
「くらえ!」
俺の手から白炎が放たれた。
パークは動かない。
ドーンと言う音と共にまともに当たったが、全く効いた様子がない。
「何だと!」
「今のメンバーで快人の白炎以上の遠距離攻撃を持つ者はいない。接近戦しかないと言う事か」
フォルスター達は前に出た。
「ほう、接近戦とはなかなか度胸があるな。しかし、まずは雑魚を片付ける」
「え?」
と言うなりパークは凄い速さで近くの兵に飛び掛かった。
いきなり兵を殴りつけると首が折れた。
そして怯えている近くの兵には巨大な牙で噛みついた。
「うわあ!」
どんどんと兵の力が抜ける。
そして完全に力がなくなるとパークは兵を無残に捨てた。
「血とエネルギーを全部吸ってやった」
「やばいぞ! あいつに捕まったら!」
俺は前に出た。
「あいつに接近戦は危険です! 俺の白炎をもう一発!」
俺は後を考えずさっきより強力な白炎を放った。
ところがパークはのけぞるどころか反応がさっきと同じだ。
パークは俺を睨んだ。
「貴様、さっきから二発も食らわせてくれたな。貴様から殺す」
「わっ!」
「快人!」
キルビルが素早く俺をかばい槍の乱舞を浴びせた。
「凄い速さだ!」
皆驚いた。
ところがパークは全部食ったものの全く効いていない。
「いくら速くてもあいつの皮膚が頑丈すぎるんだ」
「はっ!」
「ぐあ!」
パークはキルビルを邪魔とばかりに吹っ飛ばした。
そして俺の肩に噛みついた。
「快人!」
マーガスとフォルスターは俺を助けようと必死で攻撃した。
しかし全く効かない。
「血とエネルギーを全て吸い尽くす」
「ああ」




