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少年戦士と彼に憑依した女勇者の二人三脚行脚(連載版)  作者: 元々島の人


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挑発される

2月27日改稿しました。

 青年はナターリアの知人のようだ。

 でもマーガスと呼ばれた彼は驚いていた。

「え? 君何で俺の名前知ってるんだ」


「え? ああ? ナターリアから聞いてたんだよ!」

 俺は言葉につまり、憑依しているナターリアは必死にごまかす。


 青年はまた驚いた。

「お前ナターリアの友人なのか?」


「そ、そう。隠れ友達みたいなもんで、彼女には自分がやられたら後は頼むって言われてたんだ。名前はカイトって言います」


「本当かよ! 俺はマーガス。ナターリアと組んでいた勇者パーティのメンバーの戦士さ。騎士学校の三席さ」

「ナターリアと一緒に戦ったんですね!」


「おう! パーティの力を担う役でね。これでも貴族なんだ。でかいだけが取り柄とは言わせない。カイト…ナターリアの口から一度も聞いた事のない名前だな」


 俺は取り繕った。

「付き合いは結構長い。でも彼女は俺の事を口外しなかった。何故なら狙われるから。彼女は俺を最後の切り札って言ってた」


「それで秘密にしてたのか」

「でも彼女が死に俺が出る番になった。マーガス君の話は聞いてたけど体大きいね」

「おお、体力には自信あるぜ」


 ここからまたナターリアが答えた。

「ナターリアが『いつも前に出て戦ってくれる頼もしい人』だって言ってた」

「それは嬉しい。ところで君大丈夫か」


「サソリの毒は食ってない」

「良かった」


「これからお城に行くから。こんな所でやられないよ」

「お城で何かするのか」

「うん、王様に僕がナターリアの友人で代わりに冒険に出ると伝えるんだ」


「そうなのか。なら俺も行く、そういう事なら俺も再度旅に出たい」


「そうなの?」

「ああ。ナターリアが死に俺は力を蓄えてたんだ。……ナターリアを死なせたのは俺達がふがいなかったからだ」


「……」

 俺はナターリアと脳内会話した。


「気にしてるみたいだよ」

「そんな事ないんだけどね……」


「ところで君貴族出?」

 マーガスの問いに俺もナターリアもたじろいだ。


「ほら、ナターリアは貴族だから」

「そうなんだ」

「え?」


 危ないタイミングでナターリアの方が上手くごまかした。

「ああ、僕は彼女の家の近くの村出身で一緒に遊んだりしたんだ」


「そうなんだ。それとナターリアが見込んだだけあって君強いのか?」


「ああ、まあ」

「剣の流派は?」


「浅草学園剣道部」

「は⁉」


「間違い間違い! 村の近くに凄い剣豪がいて手ほどきを受けたんだ」

「ちょっと手合わせしてみないか?」


「え?」

 結局周りにモンスターもいないしここでする事になった。

 そして始まると俺はあまり攻めず様子を見た。


 マーガスの剣筋は速い。

 しかしナターリアは見切ってくれた。


 すごい強い。

 俺の目じゃついていけない。


 怪しまれるから反撃もした。 

 二分間経った。


 マーガスは汗をひとふきした。

「ふう、中々強いな、でもそれだけじゃなく、ナターリアに剣筋が似てる。そっくりだよ」


「一緒に練習したから似たんだと思う」

「まあいいや。お前は信頼できそうだし、お城へ急ごうぜ。俺が飯おごってやる」


「ありがとう。初対面なのに」

「気にするな」


 俺はナターリアと脳内会話した。

「割とすぐ打ち解ける人だね」

「だからやりやすかったわ」


 俺はマーガスに言った。

「ナターリアとは学校時代一緒で楽しかった?」

「ああ、会ったときからすごく印象よくてお互い勇者に選ばれたら、なんて話してた」


「もう一人仲間いるんだっけ」

「ああ、フォルスターっていう奴だ。俺達は三人仲良く、それぞれ首席、二席、三席でグループでもあった。フォルスターは少し気難しくて俺とナターリアが声をかけ親しくなっていったんだ」


「良かったね」

「ああ、楽しかった」


「ナターリアはいい人だし、マーガスもいい人みたいだし、その人も楽しかったんじゃない?」


「そうだな、ナターリアや俺のおかげでフォルスターは変われたって言ってた」


「ナターリアは本当にいい人で、俺もある事で助けてもらったんだけど」


「あいつはね……いつも本当の親切は何かって悩んでた。自分の親切は偽善じゃないかって」


 俺は少し話題を飛ばしてしまった。

「ナターリアから聞いたあの話知ってる?」

「ああ、貴族時代にお金を貧しい人にあげたらってやつ?」


「あれ、偽善だと思う? 彼女気にして辛そうだった」

「どっちでもあると思う」


「え?」

「困ってる人にお金をあげるのと、その人のプライドを考えるのどっちも間違ってない」

「そうか……」


「どっちつかずの意見だけどな。かれこれ俺は優柔不断だってフォルスターに言われたな。飯を買う時も迷うし。でも例え相手に偽善と受け取られてもいつか自分の親切は伝わるんじゃないかと思う」


 マーガスの人柄が分かった気がする。

「マーガスは明朗でさばっとしてるね」


「俺は優柔不断だよ。食べるの遅いしね」

「え? すごい食べそうな体格だけど」


「食事の悩みで優柔不断になったんだ。子供の頃は食べた。でも俺は四歳の時すごく太りやすいと分かったんだ。で親に徹底して食事を減らされた。いつも空腹で、でも戦士になるためトレーニング激しくしなきゃいけなかった。で逆に食事をするのも辛くなり食べるのも優柔不断で遅くなった。嫌いになった」


「筋肉とか付けなきゃいけないのに食事大幅減なんだ」

「それからはあまり美味しく食うことなくなっちゃったな……」


 しかし、だった。

 突如俺達の前に二人の兵が現れた。


「魔王軍の偵察兵!」

 どうもこのあたりを警戒してるようだ。


 明らかに敵意を持った兵は名乗った。

「俺はオルン。貴様は勇者の仲間だな? 生き残りがいないか探っていたが」


 多分勇者パーティが生きてるかの偵察とかだろう。

 そしてマーガスが前に出てくれた。


「俺が二人相手してやる」

「マーガス、俺もやるよ」

 俺は少し勢いで言った。


 マーガスは言った。

「あいつらを見くびらない方がいい!」

 

 オルンは言った。

「お前はマーガスと言う奴かな? そっちは新入りか?」


 とオルンは俺に目を向けた。

「ナターリアの仲間だ」

 俺は自分の意思で言った。


「ほう。ではお前も倒さなきゃな」

 俺は強がりだが頼もしく見えるよう言った。

「マーガス、任せてくれ」


 戦いは始まった  

 マーガスの方を見やる余裕はなかった。


 しかし、意気込みは虚しかった。

 俺は、オルンにあっさりと切られた。

 

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