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不気味な変化

大学の講義が終わり、雅人は再び深夜のコンビニに立ち寄った。ここ数日の間に、店内の雰囲気は一層不安定になっているように感じられた。前回の訪問から数日が経ち、雅人はその変化に対する不安を抱えたまま、再びこのコンビニにやってきた。


店内に入ると、店員の姿がすぐに目に入った。店員は無表情で、異常に冷静な動作で棚を整理していた。雅人はその行動が前回よりもさらに奇妙であることに気づいた。店員は商品を棚に戻すのではなく、商品を無造作に積み上げたり、時折棚を前後に揺らしているように見えた。


「こんばんは。」店員が一言、無感情に挨拶した。雅人が挨拶を返すと、店員はしばらく黙ってじっと雅人を見つめていた。目線が無機質で、何かを探るような感じがする。


雅人は商品を選びながら、店員の動きが不自然だと感じた。商品棚の前で店員が頻繁に巡回し、時折立ち止まって何かを考えているような動作を繰り返していた。しかも、その間に商品の配置が頻繁に変わり、棚の整頓がまるで意味を持たないように見えた。


支払いを済ませると、店員はまたも無表情で「ありがとう」とだけ言い、雅人をじっと見つめた。雅人は不安を感じつつも、特に気にすることなく店を出た。


次の日、雅人は大学の友人である高橋にこの異常な行動について話した。「ねえ、高橋、最近行く深夜のコンビニ、なんかおかしくない?店員が変な動きしてるんだ。」


高橋は笑いながら言った。「またまた、疲れてるんじゃない?深夜に行くから変に見えるんじゃないの?」


雅人は納得できない気持ちを抱えたまま、話を終えた。別の同僚にも話してみたが、反応は同じだった。誰も真剣に受け止めてくれず、雅人は孤立感を強めていった。


数日後、再びコンビニに立ち寄った雅人は、店内の変化がさらに進行しているのに気づいた。商品の配置は完全に無秩序で、棚の中には不自然な物が混ざっていた。また、店員がしばしば店内を巡回しながら、奇妙な呪文のようなものを口にしているのを耳にした。雅人はその言葉が何語かも分からず、ただ不安が募るばかりだった。


ある夜、雅人がコンビニに到着した時、店内は異常な雰囲気に包まれていた。明かりがいつもよりも暗く、店員の動きがますます不気味になっていた。雅人が商品を選んでいると、店員が店の奥で何かを始めるのを見つけた。店員は手に持ったキャンドルを灯し、床に奇妙なマークを描き始めていた。店内には不気味な儀式のような空気が漂い、雅人はその場にいるのが恐ろしいと感じた。


「どうしよう…」雅人は心の中で呟いた。これ以上は無理だと感じ、すぐに店を出ようと決意した。しかし、その夜の出来事が彼の心に深く刻まれ、普段の生活にも影響を及ぼすことになるのだった。

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