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10話 不穏な知らせ

ここから新しい章が始まります。

「レオス様、冒険者ギルドのマスターから伝言鳥が来ました。鳴かせますか?」

 

 早朝、今日は一日のんびりしようと決めて自室で引き篭もる準備をしていた時だった。

 

 ファルシアが1匹の鳥......伝言鳥を抱えて部屋の中へ入ってきた。

 

 人の言葉を覚え、一度だけそれを鳴き声として記憶出来るモンスター、それが伝言鳥だ。

 

 知能が高く、人に対して恐怖心を抱かない気質でこのように王都では伝達の手段として使われている。

 

 ギルマスからの伝言鳥......面倒事かな?。

 

「確信は出来ませんがまず間違いないかと」

 

 嫌だけど、再生してくれ。

 

 フェリシアが伝言鳥の嘴を留めていたバンドを外すと無駄に渋い男性の声が聞こえてくる。

 

『朝早くからワリィなレオス! 実はちょと問題が起きててな』

 

 フェリシア、正解。10レオスポイントあげるよ。

 

「必要ありませんが、受け取っておきます。100ポイントで好きな願いを聞いてくれると聞きましたので」

 

 え? マジで、初耳なんだけど。

 

『この前にフォクシーが救難サインを出したダンジョンがあるだろう?』

 

 確か、新しい階層が見つかった場所だよな。

 

「はい、あれから新しい情報はありませんがどうなったのでしょう?」

 

 でもあそこの町は港町だから冒険者の質も高いから攻略が進んでるんじゃないか?。

 

『そこで攻略を進めていた銀級冒険達が全滅した』

 

 俺とファルシアの言葉が止まる。

 

 全滅、それも銀級達がだ。

 

 帰還の魔工具を持って無かったと言うことは無いだろう。

 

 それにあの時のフォクシーさんの護衛も逃げれずに倒されていた。

 

 いくら不意打ちとはいえ全部の魔工具が壊される可能性は低い。

 

 と言うことは、考えられる事は1つ。

 

『新しい『法則』が生まれたかもしれん、事態を重く見たグリア領の冒険者ギルドからの要請を受諾した』

 

 分かってるよ! ファルシア、ミリシアを呼び戻してくれ。

 

『ダンジョンに思い知らせてやれ』

 

 準備が出来たらすぐに出る。

 

『王都最強ってやつをな』

 

 遠慮は無用だ、全力で行くぞ。

 

 /////////

 

 まだ日が上りきる前に私達は馬車へ乗り王都を出発していた。

 

 向かい合って座る私とレオス。

 

 いつもなら他愛もない会話をしてれば時間があっという間に過ぎるけれど、さすがにそう言う空気じゃない。

 

 ダンジョンの法則の変化、最悪ね。

 

「あぁ、今までの魔工具は使えないと思ってた方がいいな」

 

 レオスの表情は硬い。

 

 それも仕方ないわよね、それ程にダンジョンの変化は厄介で慎重に当たらないといけない事なんだから。

 

 それが『冒険王』のレオスでも。

 

 いえ、レオスだからこそ慎重にならないといけない。

 

 あの呪いがあるから。

 

 ......って! そんな事は後で考えれば良いのよ!。

 

 2人でダンジョンなんて久しぶりなんだから今は楽しんでおかないとね!。

 

 ほら、レオス! 今からそんな顔してたら疲れるわよ!。

 

「いや、それはそうなんだけど......久しぶりに馬車に乗ったから尻が死んでる」

 

 スライムクッション持ってきてないの? もうそんな事なら早く言いなさいよね。

 

 私は予備のクッションを取り出してレオスに渡す。

 

 本当に変なところが抜けてるんだから。

 

「助かったよ、ミリシア」

 

 はいはい、どういたしまして。

 

 ついでに朝食もあるから軽く食べて行きましょう。

 

 いつものサンドイッチ屋のおじさんが持たせてくれたお弁当をレオスに見せる。

 

「さすがミリシア! 気が利くな、ありがとう」

 

 頬を緩めてサンドイッチを食べ始めたレオス。

 

 幸せそうに噛み締めるレオスを見ると私の頬も緩みそうになるわ。

 

「ほら、ミリシアも食べないのか? たまごサンドもいっぱい入ってるぞ」

 

 まったく、そんなに急いで食べなくても無くならないわよ。

 

 サンドイッチを頬張るレオスと呆れる私。

 

 やっといつもの空気になったわね......あと少しだけ、この平和な時間が続けば良いのに。

 

 私は、徐々に見えてくる街を見ながらそう願わずにはいられなかった。

 

読んでいただきありがとうございました!

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