434 成就の橋渡し
異空間内の主が消えていくことに魔法が解け、空間が元の大きな1つの部屋に戻っていく。
「お兄様、ご無事ですかっ?」「すまない・・・。(フルフル)いや」「?」「ありがとう、助かったよプリメラ。・・・バッツ君とロロナ君もだ」「へへ、つっても結構怖かったけどな」「あれに1人でずっと戦ってたなんて・・・ホント、凄いお兄さんだね」「ワン」「ふふふ。自慢のお兄様です」(ま、当然よね。この子のお兄さんだもの)(よくお一人で凌いで・・・。ありがとうございます)「ちょ、ちょっと」「・・・それがプリメラの精霊か?」「え?あ・・・はぃ・・・」「そちらの動物は・・・」「たぶん・・・精霊の類かと・・・」「そうか。(まだまだ知らない世界だらけだな)」
自信満々に腰に手を当て威張るツインテールの小さな少女と両手を前に腰からしっかりと頭を下げる長髪の女の子に主のプリメラが両手を前に居た堪れない気持ちになっていた。ロロナの黒柴は本当にただの動物にしか見えず、未知の世界をまた1つ知ったと考えることにした。「ぁ・・・えへへへ」優しく頭を撫でてあげると少しだけ妹の心は和らいだようだった。
「ここに来たのは・・・」「あ、はい・・・。パミルさんが視た可能性で・・・制御室は他にもあるんじゃないかと」「・・・当然予防線は張っているか。しかしどうして?」「可能性ってパミルちゃんが言ってたので・・・。それに・・・皆、必死に地下にある制御室を探している時に、分散させるのはって・・・」「それでも君達だけでは・・・。いや、敢えてか」「(コクリ)こっちよりも本命はたぶん、下・・・。だからこっちは隠れて制御室の破壊、は出来なくても居場所さえ報せれば最悪、誰かが手伝ってくれると思ってたから」「確かに」「っは・・・」「「「!」」」
微かに誰かの声が聞こえた瞬間、バッツ達は周囲に目を配らせながら武器を構える。プリメラを守りつつゆっくりと音の発信源に振り返るドレッド。チリチリと炎が残る中心に女神の石像と共に散っていったはずのアルタナルが仰向けに倒れていたのである。残る石像と共に上半身だけが半透明になりながらも存在し、今まさにゆっくりと世界に還元するかのように空へゆっくりと魔素が舞い上がっていた。
「はっはっはっ・・・はっ・・・は・・・。実に・・・聡い、子が・・・いるようです・・・ね」「嘘だろ。あれで死んでないのかよ」「(ボソ)バッツ」「あの映像の部屋は上にあると?」「ええ・・・。嘘を吐いても・・・意味が、ありませんから・・・」「・・・最後の一瞬、躊躇った様に感じられた。・・・やはり」「いいえ。あれは・・・私の全力・・・ですよ。・・・私は・・・本当に・・・・・・人々を、救えると思っていましたから・・・」「「「・・・」」」(勝手な言い分ね。それがこの世界を無に還す事だと分かっていってるの?)「何?」(マナの循環は・・・常に一定・・・。増える事も減る事も、それには理由があります。されど、必ずそれは世界を巡り・・・理となってまた戻る。あなた方がしている事は・・・この星の存在そのものを消滅させる行為ですよ?」「「「・・・」」」
初めての情報。更には精霊の少女達のもたらしたとなってはとても嘘とは思えなかった。そんな彼女達の視線にアルタナルは最初の頃と変わらない・・・いや、どこか少し・・・荷が下りた様な柔らかい微笑みを見せる。それはまさに人々を救い導く素朴で温かい顔だった。
「ドレッドさん・・・言ったでしょう? この世界は・・・神の気まぐれで作られた世界・・・。 見放された世界なのですよ・・・。 実際・・・始祖アルメラ以外は誰一人・・・神の声を耳にした事は無い。どれだけ苦しかろうと・・・。どれだけ・・・死が迫ろうと・・・。神は、見てはくれなかった。私達の信じる心は・・・ただ・・・無意味となっていったのです。 かつての友人も・・・家族も・・・全て・・・消えて、いったのです・・・」「「「・・・」」」
柔らかな声に少しだけ想いが強く乗る。紡がれる言葉は、彼の生涯とその中に積もった苦難の数々を物語るかのようだった。いつしか彼の目には一筋の涙が零れていた。
「私は良かったっ・・・。だけど・・・あの子だけは・・・あの方たちだけは・・・どうしても、救って頂きたかったっ・・・」
流石にその表情には精霊達も眉を寄せ、同情してしまう。沈痛な面持ちの中、ひとり・・・ドレッドがゆっくりと近づいて行った。
「これからです」「・・・」「言いたい事はありますが・・・。これから、世界はあなたの願う、もう少し優しい世界へと変わっていく事でしょう。少なくとも・・・国家の代表達は手を取りあう事を選びました。きっかけは本当に褒められた事ではありませんが」「・・・・・・ふふ」
苦笑するアルタナルに、つられる様に思わず・・・本当の笑みが零れるアルタナル。
「(ああ・・・そうか。私もまた・・・本当に、救って・・・)ありがとう。その言葉が、聞けて・・・私は満足です。・・・あなた方の世界を・・・楽しみに・・・して・・・おりま・・・・・・」
自分の中の想い残しが晴れていくように彼はキラキラと魔素となって空へと完全に舞い上がっていった。
「別の形で・・・お会いしたかったです」
消えていく上空を見つめ、ドレッドが敬礼をして見送った。
・・・・・・
街の中でも1つの戦いに決着がつく瞬間だった。
「ば、馬鹿なっ! 何故だっ! 何故、それほどの力があってお前はっ!」「持っているのと誇示するんは違うんやボケ」
激しい争いの後に周辺の地形は瓦礫と化していた。そんななか軽傷と服を少しボロボロにしただけに留まったオメロス達が瓦礫の上からコルテュースを見下ろしていた。生み出したのだろう異空間に結界ごと押し込まれ、潰されるそうになりながらも必死に藻掻いていた。
「あなたの恣意と一緒にしないで。私達の力は・・・滅ぼすために使うワケじゃないわ」「ふざけるなっ! それこそ貴様らのエゴだろうがっ! 尤もらしい事を言っても我らは所詮、あのモノ達の、いや・・・ヒトの傀儡に過ぎんのだぞっ」「そんなのどうでもええわ。邪魔してくんならワイ等はワイ等で判断して戦ったるわ。せやけど今回は・・・お前が敵や」「大人しく引くなら・・・私達は見なかった事も出来たかもしれないのに・・・」
少し同情の余地を見せるヒーの想いに対して、当の本人は必死に異空間から抜け出そうと藻掻き、全く響いていない事が分かる。
「あり得ん・・・。こんな事がっ・・・。ただの臆病者だった貴様らにオレが負けるなど・・・!」「止めとけや。それはアイツ等の様に捕らえる結界やない。最悪、お前を苦しめたまま・・・殺すで?」「!!」「貴方みたいな乗っ取りをしなくてもね、強くなれたりするのよ。分かった?」「ま、ちょっと理由は納得いかんがな。や、負け惜しみやないで? あれはノーカン。ノーカンやから」「・・・」「何の話をしているっ・・・?!」
``そりゃそうよ``というヒーの気配を感じつつも咳払いをして流すとゆっくりとコルテュースの下へと降りていく。
「とにかく、もうええんや・・・。お前はしばらく・・・そこで反省してろ。たぶんワイの魔力とお前の気配におっさん等が気付くはずや。そこでもう一度・・・キッチリ裁きを受けろ、分かったな?」「っぐ・・・こんなモノっ・・・」「オメロス」「ああ、もう終わりやな」
下から生み出された1本のサンゴ礁を折って、剣代わりにして近づく。
「っ! 待て話せば──」「それを全部、捨てたんはお前や。その罪・・・向こうでキッチリ反省しとけ」「待っ──・・・!」
ザンッ・・・!
高く掲げたサンゴの剣を振り下ろす。地面を数十センチほど切り裂いた所で、コルテュースを閉じ込めた異空間は完全にオーフェンツ・ヴァームと分断されたのだった。
異空間のあった場所を何とも言えない暗い表情で呟くオメロス。
「ホンマ・・・バカな奴やで」「・・・」
2人はそれ以上何も言わず、寂しく瓦礫の街中を少しだけ佇むのだった。
・・・・・・
ドガガガガガガガギドガドゴガギィンガギガギガギガギギギギギドギドギドギガギィィィンンン・・・!!!!!!
衝撃波と粉塵が道を建物を問答無用で貫通して行ったり来たりしていた。ガラガラと崩れ落ちる建物とガードレールやモノレールっぽい作り物。通り過ぎる度に片や強引に全てを瓦礫に変え、片や氷の結晶へと形作っていく。
「ガッハッハッハッハッ! スゲエスゲエッ、なんて力だ。マダ湧きやがるっ」「っ・・・!」「っつうかホントウに、ついてコレンのカヨっ。アンタのバケモンダナッ!」「貴方と一緒にしないでくださいっ」「ソウ言うなッテっ・・・」「嫌、で・・・すっ」「ウゴッ」
片手で豪快に振り回しつつも器用に操るジャグラの懐へと飛び込むと同時に、剣で斬り払うと同時に巨大な氷塊を誤差で発生させて追加攻撃を繰り出すユティ。2段攻撃に流石の彼も大きく九の字に曲がって数十メートル後ろの建物を貫通。更にそこから4,5つと建物を突き破って飛んでいく。小さく息を吸ったユティはそこで再度、武器を構え直し斬り上げた。町の一角が大津波に襲われる直前の様な氷山を作り上げる。
「・・・うっそ~・・・」「あれが・・・彼女の本気なのね」「ははは・・・凄いな・・・」「・・・」
飛空船に乗せてもらったミュティアは唖然とし、驚くシャノンノとジルクトは何と言っていいのか言葉に詰まっている様な感じだった。そんな彼女達の戦闘をゼクは1人、ジッと見つめている。
「・・・」
少しだけ自らが作り出した氷の山をジッと見つめていたユティは、足に力を溜めると真っ直ぐに飛び出した。まるで彼女の意思に従うように氷が穴を穿ち、そこへ突っ切っていると遠くの方から盛大に氷を爆散させる音と衝撃が届いて来る。迷わず突っ込み剣を振りかぶったそこには、歯を剥き出しに笑ったジャグラが待っていた。
「ッシャアアアッ!」「ふっ!」
ガギィイィイィイィイィイィイィイィイィイィイ・・・!!!!
繰り出した両者の力は相打ち。鍔迫り合いをしながら、錐揉み上に回転して地へと落ちていく。あと数メートルという所でどちらからともなく弾き返すとジャグラは強引に踏ん張りを利かせ、亀裂を踏んで再び飛び上がり、ユティは近くの建物の壁に軽やかに回転して足を付けると氷と風の吹き飛ばし、加速して跳躍した。2人はまたしても交差する。
ガキン、ガキィン、ガキガキガキィン・・・ドンドガン、ガンカン、ガキィン、ガゴン、ドゴンッ!
「(クソッ!)」「・・・」
出来るだけその場でギザギザの大剣を振り回す男と壁などを足場にどんどんと加速して連撃を繰り出していくユティ。互角だったその戦いはスピードから徐々に差が生まれ始める。「(ナンダ・・・さっきと?)」疑問に生まれるジャグラの目に僅かに彼女の服装が白いドレスへと変わっていくのが見える。その度に力が増して攻撃が重くなっていった。頑丈になったはずの体に傷が作られていく。変化した影響か急速に回復しようとするが・・・途端に鈍くなる。1、2、3つ・・・斬られる傷を見れば僅かに霜が出来ていた。
「あなたの攻撃は強力です」「!」「ですがっ・・・」「ッラアッ!」「まだ浅い」「クソォッ!」
後ろに回られ強引に振り回すが、その刃を打ち上げられ、懐に入って回転斬り。咄嗟に硬い腕で防ぐがそれでも裂傷の痕が刻まれ、凍り付く。蹴り出し、振り下ろし微かに見える彼女の動きを予測して叩く、叩く、ぶっ壊す・・・。だが、あと一歩が足りなかった。その隙を突かれ、胸に豪快に横一文字を斬りつけられ、彼女はジャグラの上を回転して通り抜ける。怒りに任せ魔力を吹き上げた大剣の叩きつけは盛大に半径数十メートルの建築物を崩壊させ、大きな穴を作る。盛大な粉塵の中、シュルシュルと避けて大きく外に回転して近くにあった建物の屋上へと着地するユティ。
「・・・」「ック・・・グウウ~~~ゥ・・・!」
大きく髪とスカートを靡かせる、遥か下方のクレーターの中心地ではギリギリと歯軋りして唸る男の姿があった。吹き上がる魔力。金色の目が先ほどよりも強く光り、刺々しい髪と同様に下半身の体毛が硬さ増したような光沢を見せる。傷は強引に修復され、その度に甲殻の比率が増していった。観察している間にも上がっていく魔力とその変貌はまさに・・・暴走状態に映った。
「(自我を失いかけている?)」
危険度が増したと判断した彼女は近くにいた飛空船を更に遠ざけるように手で合図を出す。受け取り離れていったのを尻目に彼女は更に呼吸をして、魔力を深く・・・繋げて、解放する。
(力を貸して・・・シキハナ・・・)
愛剣が光ると同時に、水色と白のコントラストとなって鞘と剣が1本の直刀へと変わる。
(あなたも貸して・・・ラフィーナ)
体内で微かにクスリと笑ったような気がした。それと同時にドレス姿が少しだけ煌びやかに変化し、イヤリングとティアラが付いた。魔力の質が一気に上がり、彼女の瞳にと小さく水色と白の雪の結晶の様な紋様が浮かび上がる。
ズン・・・! 「!!!」
変貌している中でもガラリと彼女の質が変化した事を口角を上げて涎を垂らしながら喜んだジャグラ。
「フーッ・・・フーッ・・・!(ありがてえぜ。こんなに全力で戦ってくれるってのはよぉ)」
まだある理性の一部で、感謝するジャグラ。それは・・・蹂躙ではない対等な者としての礼儀を示してくれた事だと勝手に受け取ったからだった。
「あなたとは・・・ここで決着をつけます」「フーッ・・・! ハァアアアア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛・・・。ゴイ゛・・・!」
もはや人肌が残っていた部分すら甲殻へと変貌してなお、理性の一部が人としての闘争心を残し、受けて立とうとするジャグラ。そんな相手にまるで重力という常識を無視する様なふわりとした動きでスローペースで向かって行くユティ。あまりの緩慢に少し前なら飛び出していた所だが、今の彼は暴走とは裏腹に対応は冷静だった。舞い降りる数十秒・・・。それは互いにとって刹那の決着の束の間だった。
・・・・・・・・・あと数メートル、動き出した初速はほとんど同時だった。
「!」
先に切っ先が到着したのはジャグラ。・・・が、切り裂いた彼女の姿が彼の背中に抜ける。着地した音と気配。振り返ると同時に斬り払う。周辺を更地にする斬撃は霧の様に通り抜け彼女の体を通り抜ける。揺れる彼女の霧はゆっくりと彼の前に飛んで行く。両手を使い大剣を壊す勢いで振り下ろした所で、ゆっくりと遥か後方で軽やかにユティは着地した。
バギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギッッッ・・・・・・!!!!!!
それはジャグラが本来作り上げる斬撃の事象をも凍り付かせ、銀の波紋を周囲へと拡げた。
(・・・ありがとよ)
3つの大きな傷跡を作り、赤い血を吹き出したジャグラ。倒れる直前そんな言葉が聞こえた気がした。
「・・・お疲れ」「・・・・・・うん・・・!」
換装を解いて剣を鞘に納める時、遠くから歩いて来る親友の姿に・・・彼女は満面の笑みで答えるのだった。
・・・・・・
「・・・はぁ、本当に疲れた・・・」「確かにな」「さ、さっきまでの凄みはどこに?」
船内に捕縛状態で収納したデッドグレムゲンを置いて、ユティとナルシャは体を大きくしてもらったゼクに突っ伏す形で寝転んでいた。その柔らかさにもっと癒されようと雲をぷにぷにと掴んで遊んでいた。あまりのギャップにミュティアが呆れていいのか困っていいのか戸惑っていた。
「お~いっ!」「シャノンノちゃ~ん、こっちーっ・・・!」(ん?)「あれ?なんか皆居る」「どうしちゃったんだろう?」
急ぎオメロス達と一緒にグロッグ、ベラール、ガジェットを回収するシャノンノ達。
・・・・・・
「いや~、ホンマってゼクッ。何お前美味しいとこ取っとんねん、そこ替われやっ」(そんな事ボクに言っても・・・)「さっきのとんでもない魔力はユティだったのね。それだけ消耗する戦いをしたんでしょうね・・・って、話聞いてるのオメロス」「いや、待って今大事な゛どご──あぐえっ!」「馬鹿やってないで、他の皆に肩を貸してあげなさい。分かったわね!」「ぁぃ・・・」
雲を掴み強引に引き剥がそうとしていたがヒーに怒られ、半べそ状態でグロッグ達に手を貸して飛空船に乗せていく。
「な、なんかすみませんね」「気にしないで。いつもこんな感じだから」「いやシャノンノちゃん。ワイももうちょっと、ぁはい、手伝います」
怒りの気配を感じ、大人しく手を貸していくのだった。
・・・・・・
「ふ~ん。・・・って事は、そのナンバーっぽい者の2人が船内にいるのよね? 危なくないの?」「何やら魔力の増強をした弊害だろう。肉体も含めて、回復した所でまともに動けんだろうな」「あの力の付け方は異常だったね。何だか犠牲を覚悟しているみたい」「・・・きっと彼女の仕業だろう。能力の底上げではなく、人が持つ魔素そのものを強く活性化させて消耗させる危険な方法だと思うよ」「デッドグレムゲンの思想には持って来いってか。ったく、嫌な相性だぜ」「おかげでこっちは死にかけたがな」「偶然、レックスさんが通りかからなかったら全滅してました」「こっちもユティがいてくれて本当に助かったニャ。それより・・・あの力は何ニャ? 物凄い力だったような気がするけど・・・」「分かんない。私も初めて使ったから」「ぶっつけ本番ニャッ・・・?! 危険過ぎだニャ~」「・・・ごめんなさい」
ゼクの上で顔を持ち上げたユティは答えるとナルシャと一緒で仰向けに寝転んだ。ふかふかの感触に本当に精神も魔力も癒されている様だった。実際、ゼクも無意識だが彼の力を分けてもらい2人は少しずつ回復していた。
「たぶん、今のあなたのレベルでは感知が難しいわよ?」「ニャ?」「どういう事だ?」「ありゃあ、ものごっつう質の高い魔力や。ユティちゃんが精霊か分身とも深く繋がっとるからこそ引き出せる・・・ミュティアちゃん達には感じる事の難しい領域の魔力っつう事なんや。一応、注意深く感知してたら気付きはするで?・・・でもほら、そこのゼクを見てみぃ?」「「「(?)」」」「なんも感じんやろ?」「精霊がそもそもこんな自由に視認できているのが異常なのに、その持っている魔力の質にまで気は配れないでしょ?」「・・・確かに」「一応、無意識にでも魔力は発してるわよ?」(えっ)「何でお前が真っ先に・・・ってそうか。それもジンがやっとったんやな」「あの子は逆の意味で異質だからね~・・・」「(異質・・・)」
ふとラフィーナに告げられた言葉を思い出したユティは再度寝返りを打ち顔を上げる。
「・・・? どうしたん?」「異質って・・・どんな風に? ・・・人じゃない、とか?」「・・・ふ。心配する必要はないわ。一応人よ? ただ・・・力の扱い方が、私達とは似ているけど、少し異なる扱い方をしてるのよ」「まあ人っちゅうのは若干、ワイの中では怪しい所やけど・・・。生きていれば、なんかあるんやないか?(ボソ)あんまあのガキの話はしたくないんやけど」「?」「ああ、ううん。なんでもあらへん」「オメロス?」「ごめんって・・・。 ただ、少なくとも精霊のゼクの魔力すら、コントロール下に置けるくらいにはワイ等とも魔力の扱い方が桁外れに高いちゅうことや。どんな生き方しとってん・・・?」「たぶん・・・鑑定では低くて蔑まれてきたからだよ」「ほーん・・・。あんまそんな感じには見えんかったが・・・。ま、今が元気ならええんとちゃう?」「・・・元気かな~?」「少なくともゼク君を寄越すくらいだからピンピンとしてるんじゃない?」(回復薬飲んだから、すっごい元気だよっ?)「ほら」「・・・ふ、そうよね」「ああ、心配するな。すぐに逢えるさ」
常に変成していく浮島の上空で、飛空船はゆっくりとトンネルがあった場所へとゆっくり軌道を移していくのだった。
【ジン・フォーブライト(純、クリス)】8才 (真化体)
身体値 718
魔法値 775
潜在値 923
総合存在値 1405
スキル(魔法):干渉、棒術 MAX 、マナ核




