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転と閃のアイデンティティー  作者: あさくら 正篤
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389 感想で言えば、痛み分けが近いと感じる者もいる

「レネッタは・・・世界の裏でいつも暗躍していた女です。ベルニカだけではなく各国で起きる動乱には、彼女がいたと言っても過言ではありません」


 首都が冷たい夜に包まれた頃。城の中でも比較的被害の少ない会議室でロクサーヌは集まったドレッド達に孤島にあったトーテムポール内で見てきた事を話していた。


「メルグロッテは・・・少なくとも100前に彼女が使っていた名前です。「100っ!」本名なのかどうかはわかりませんが・・・。今の世界技術を広めたのも彼女。たった10年程で列車などを作り上げたのではなく、そうなるよう意図的に世界をコントロールしていたようです。デッドグレムゲンとも昔から関係を持ち・・・手広くどこにでも目を持ち、息を掛けていたのです」


 険しい表情で一点を見つめるロクサーヌに、ほとんどの者が開いた口を塞ぐ事が出来なかった。腕を組み顎を擦っていたミゲイラが質問する。


「つまりそれは・・・いつでも彼女の命令で誰かが動ける状態だったと?」「その通りです。ファーランのヒルプット、レンダガル、クリトフォーガン、ランテクルーゲル・・・。崩壊と反乱には彼女が関わっています」「それはっ・・・!」


 ピクリと反応し、少しだけ険しいものへと変化するミゲイラ。付き人のファーラン兵達は驚いていた。


「秘密裏に処理した情報まで・・・本当のようだね」「私が見たのは断片的なモノ。実行部隊に入っていたわけではないでしょうが・・・」「少なくとも助言などをした可能性が高いと・・・。ふ・・・いや、甘言か? なるほど、上手く掴まされたわけか・・・。悔しいが一本取られたよ」「ロクサーヌ。今の話だと、奴の仲間が他にもたくさん潜んでいる事になるぞ」「(コクリ)はい、お兄様。正直どこまで手を広めているのか分かりません。映像では自覚がないまま協力していた者までいました」「・・・。そんなもの、どうすればよいのだ。こっちは人命救助で手一杯になっとるぞ」


 頭を抱えたくなる将軍。他の面々も同意する様に重い空気を作り、沈黙してしまう。


「ふむ・・・。どこに消えたか不明な当人だが・・・。少なくとも彼女は近い内に出てくるだろう」「それはなぜ?」「ルグルットだよ。聞いた話では彼に皇帝を殺させたそうじゃないか。そして共にどこかへと飛んで行った・・・。表舞台に立ち、彼を連れて行くという事は・・・少なくとも世界大戦で、彼の存在が必要だという事だ。新たな皇にでもするつもりだろう」「だが、未だ声明文はないぞ」「来るさ。近々ね。それまでに・・・僕達は協力と対策に打ち合わせなくちゃいけない。例え・・・相手に筒抜けでもね」「・・・イヤな手ですね」「それだけ優秀だったんだ。諦めよう・・・。きっと、協力者の大半も彼女の存在を知らなかったはずだ」「「「・・・」」」


 沈黙が更に重くなったような気がした。ミゲイラ自身が発言した事だが、頭を掻きたくなった。ロクサーヌは少しでも気持ちを切り替えるためにドレッドに話しかける。


「お兄様。ベルニカの今後はどうなるのでしょうか?」「将軍」


 流れる様にパスされた将軍は溜め息を付き、イスの背もたれに寄りかかっていた重い腰を起こす。


「・・・はぁ。現在、その奴の息が掛かっていた協力者の貴族共が、次々と証言を覆そうと弁明しているが・・・喋れば喋るほどに矛盾とボロが出てきた。保身を約束された上に、最悪の場合でも何とかしてもらえるだろうと高を括っていた節ばかりだ。もし、そこの男(ミゲイラ)が言っていた事を想定するのなら、統制なんて取れるものではないな。正直・・・ここまで人徳が偏っていたとは思いもしなかった」「・・・下手に通そうとすれば、余計な事に力を割かねばならんか・・・」「ふん・・・。少なくとも・・・お前が統治すれば民もある程度従うのだがな。・・・全く忌々しい事をしてくれる」


 以前は、非情な部分はあれど国の為という体裁で・・・ドレッドはベルニカのいたる所で市民を守る存在だった。だが、出自が問題だった・・・。ここにはいないマッドサイエンティストの彼女に将軍が悪態を吐きたくなるのも仕方なかった。


「いっそ真実を広めて納得させたいが・・・時間がない」「無くなったのは事実です。混乱を招く」「分かっておる」「あなたが代わりをするのは?」「ワシか?ハハッ。そいつはいい。どれだけの者が付き従ってくれるかなっ」「ふふ・・・こういう時だからこそ。君の存在は人々の心の拠り所になる。短い間だけでも、代理を務めたらどうだい?」「チッ・・・。はぁ・・・いいだろう。但し、この戦争が終わり次第。辞退するからな」


 自分にはその資格がないと、身をもって知った将軍はしぶしぶ了承した。ミゲイラが人を食ったような顔をしているのが気に入らなかった。控えるファーラン兵が彼に軽く謝る動作をしている事で少しだけ気持ちを落ち着かせた。


「今回の被害は甚大だな。首都の約5割近くが倒壊及び半壊だ。施設の一部が完全に機能を停止。清掃して学園と開発局、城の一部を解放して受け入れているが・・・そう長くは持ち堪えん」「トラブルは避けられないでしょうね。・・・貴族街を使わせてはどうでしょうか?」「そうだな・・・。見えん所で嫌がらせをしてくる可能性があるがその時はワシが摘まみ出そう」「助かります。それで・・・死者数は・・・?」


 ドレッドの質問に将軍の表情が曇る。重い口が開き辛くしているようだった。それでも報告はせねばならんと責務を果たす。


「・・・・・・最低で23000だ。重傷者5600、軽傷者10000。行方不明者・・・分かっているだけで6354名。まだまだ増えるだろうな。これでお前達の助けが無ければ思うと・・・被害が少なく済んだことを喜ぶべきかどうか・・・」「失った遺族にとっては関係ないでしょう。他の大都市に親族がいる方ならまだしも・・・身寄りがいない方にとっては全てを失ってしまったのです。今は一刻も早く、捜索と復興作業に専念するべきかと・・・」「分かっておる。兵士達には交代制で作業分担を行わせている。だがその分、今後の奴らの動きには対応が遅れてしまうぞ?」


 構わんな?と目でドレッドの方に確認を取っているとスッとミゲイラが手を上げた。少しだけ嫌な予感を抱くが黙る将軍。


「その点は僕達も協力しよう。事情が事情だ。陛下も快く了承してくれるだろうさ。あ、これは貸しとかそういうちっちゃい事じゃないから安心して?」「チッ・・・。今はその力を借りるしかあるまい。協力感謝する」「ふふん。どういたしまして。会議が終わったら僕はすぐにここを発つよ。代表達と話をしなくちゃならないからね」「ここ同様。オーラルでも大変になっておるだろうが。どうするつもりだ?」「ああ、彼女は大丈夫だよ。裏切った貴族共は必死に行方をくらましている所さ。まあ・・・見つかるのも時間かな。それに・・・お節介な人物が向かっているそうだから」「「「・・・」」」


 サラッと重要な情報を教え、驚くドレッド達。状軍だけがやはり嫌そうにミゲイラを見ていた。


 ・・・・・・


 地下に集まったレネッタ達とデッドグレムゲン達は各々がその時に備えて施設の中を自由に動き回っていた。巨大円筒部屋の中央にある柱の機械と1人にらめっこしていたレネッタの所へヒースが近づく。気配に察した彼女は作業をしながら口を開く。


「んー?どうしたの~?」「なあレネッタちゃん。思ったんだけど、ベルニカの首都が壊滅したように今の内に他の国も攻め滅ぼしたら早いんじゃね?こんだけの数と協力者がいるんだし、簡単じゃね?」「んー・・・それは出来なくはないけど・・・。結構、長引くから最終的にどっちに傾くか分からなくなるよ?」「およ?どうして?」「1つは申し子・・・ロクサーヌちゃん達だね。首都がどこまで被害を出したかは知らないけど・・・もう終わってると思うよ?」「えっ!あ、いや・・・そっか。あれから結構時間経ったもんな」「弱体化装置はあまり使えないし・・・あの1回きりだと思った方がいいね。たぶん・・・ゴーレム達も全部破壊されたんじゃないかな~?」「ええっ!どっからツッコめばいいんだか・・・」


 混乱するヒースへ、一区切り終えたレネッタが振り返ると人差し指を立てた。


「1つがさっき言ったロクサーヌちゃん達だけど・・・弱体化はベルトルンを通してあの子のデータを私がたくさん持っていた事。微妙にお兄ちゃんが隠していたから、ちょっと狂いが生じたけどね」「・・・ドレッドさん。抜け目ないですね~」「それでも後手に回ったのは守る対象が多過ぎたから。誰が敵か味方か分かんないからね」「引っ掻き回した結果が今回か・・・」「そ。私的には結構いい結果に終わったと思うよ」「あれ?でも弱体化できるんだったら、やっぱり今の内に」「それが2つ目」


 2本目の指を立てて、ボード版らしきテーブルに座る様にもたれ掛かる。


「個体の弱体化はかなりのデータを取って特定な魔力波長や波形を調べた上で、近くで発動させなくてはいけない。範囲が限定される上に、簡単に引っ掛かるとは思えないよ。警戒し封殺されるのが決まってるもん。あの時は状況が理解できない時に、到着早々投げたから上手くいっただけ」「・・・申し子って存在だけでもう別格だから、油断して結構引っ掛かってくれそうだけどな~」「よしんば成功したとしても効果はずっとじゃない。計測できなかったけど、膨大な魔力を阻害し続けるのは事実上不可能なんだよ。まだまだ成長期だからね」「あ、あれでまだ発展途上・・・。くそ、もっと仲良くしておくべきだった」「何を考えてるのかな?それにどこを見てるのかな~?」


 吸い寄せられるようにヒースが胸をガン見しながら近づいて来るのを笑みを浮かべて注意する。気付いた彼はいやぁ~良いモノが見れたと清々しい表情をして、離れて行くがそこには言及しなかった。


「彼女だけじゃない。準申し子という様な、それに匹敵する人物が世界には何人もいる。弱体化は現実的じゃないし、かといって広範囲だと君達も巻き込まれる。何のための装置だか分かんなくなるよ」「・・・確かに」「対策はあれど数もそろえるのは難しい。強い人に持たせるのが現実的だけど奪われて研究されたらそこまでだよ。私ほどではないけど作れないってわけじゃないからね~」「それも、そうか・・・」


 経験した身としては、面倒だという一言で片付いてしまう。敵側が受けるだけなら助かるが、味方をフォローしなくてはと考えると実用には遠い様に感じた。


「一斉に各地で騒動を起こしたとしても・・・個々に成功と失敗の結果に終わるだけだよ。そんな事をすれば計画にまた時間を割かなければならなくなる」「堂々巡りってわけね」「そう。私達が広げた人脈も足が付いて動かし難くなるだろうし、いい結果にはならないんだよ。そして3つ目・・・人と時間。まあこれが・・・ある意味大変かな」「?」


 ヒラヒラと立てた手を動かし、ため息にも似た吐息を吐く。


「ベルトルンには準備完了と伝えたけど、それは首都を崩壊できる準備と必要な数が揃った事だけ。世界各地には順次に出来上がったゴーレムちゃん達を送るつもりだったんだよ。だからまだ全部は動かせない。細かな微調整が必要なの。同じ動きばかりだと簡単に壊されたりしそうじゃない?」「ああ~。なるほどね。・・・で?」「人に関しては・・・デッドグレムゲンはたぶん、面白そうだと感じたら動くんじゃない?貸さない人もいるだろうけど、それが混乱に繋がるなら喜ぶと思うよ?だけど・・・もう1つはそうはいかないの。この施設とかの情報提供はそっちだから。ちゃんと協力し合わなくちゃ。本当のはみ出し者は誰からも味方と思われない」「・・・」


 ニヤっと笑った彼女に、それはどういう意味かと聞きたくなるヒースだが口には出せなかった。それよりも先に彼女は「さ、話は終わり」と作業を再開させ、彼もディアス達に呼ばれて離れて行くからだった。そこへゆっくりとシージッターが独りレネッタへと近づいた。気配を殺したように自然と現れるが彼女は気にした様子もなくモニターを見ていた。


「いいのか?本当の事を告げなくて・・・」「何を?聞きたい事は教えてあげたよ?他に何があるっていうのさ♪」「・・・はみ出し者はどちらかな」「ふふん。私は違うかな♪ 昔はともかく少なくとも今は、ね」「・・・。大切にする事だな」「もっちろん。もし邪魔する様なら・・・そっちも覚悟してもらおうかな♪」「・・・。肝に銘じておこう」


 顔だけを振り返り、覗き込む様に見上げる彼女にシージッターはそれだけを告げるとまたどこかへと去って行ってしまった。それ以降、振り返ることなく彼女は画面にかじりつく様に作業を行うのだった。


 ・・・・・・

 ・・・


 会議が終わり、一息が着いた頃。無事だった特殊軍執務室で休憩を取っていたドレッドやロクサーヌの所へプリメラ達がやってきた。少し遅れてノックしながらミゲイラも入ってくる。


「ミゲイラさん、すぐに出立なさると・・・」「いや。そうだね・・・そこにいるマリティカやレックス君達は僕の協力者でもあるんだよ。だから今回の騒動にすぐに馳せ参じる事が出来たってわけなんだが・・・。それとは別に君達兄妹には本当に感謝しっぱなしだよ。いち領主として、民の為に身を粉にする君達を尊敬するよ。個人としてはもっと頭が上がらないくらいさ」「いえ、そんな事は」「・・・」


 謙遜するドレッドに好感を持ちつつ、微笑ん見ながらマリティカの方へと振り返る。すると彼女は苦笑して答えた。


「知っているのはプリメラ様だけです」「そうか・・・」「「?」」


 よく分からない2人に改めて居住まいを正し、ゆっくりと頭を下げる。


「正式な場ではないが、ここで改めて君達兄妹に感謝する。本当に・・・ありがとう」「あの・・・どういう意味でしょうか?」「先ずは私の娘達に関してだ。・・・君達の弟であるジン君。彼には命を救われた」「「「っ!」」」「数か月前に起きた貴族の邸が燃えた事件を覚えているだろうか?あの邸に住んでいたのは私の娘達だったのだ?」「一体それはどういう・・・」


 ・・・・・・


 ソファーに座ってミゲイラ達から知らされた話にドレッド達は大きく深いため息を吐いた。


「・・・そうですか・・・。ジンも、ジルクトも無事だったのですね」「あの新聞に載っていたのはやはり・・・ジンだったのですね。無事でよかった・・・」「ジン様は何か理由があってフォーブライト邸の跡地に向かわれました。仲間が迎えに行ってくれていますのですぐに合流できるかと思われます」「ロクサーヌ姉さまのスキルと使えば・・・」「・・・」「お姉さま?」「宣戦布告はまだ終わっていないんだよプリメラ。いま彼女がここを離れるわけには行かない。少なくとも町の治安がもう少し落ち着くまではな」「そんな・・・」「だ、大丈夫ですよ。ジン様が強くなられた事は私がオーラルで見ていますから。だから、今はここで待ちましょう」「・・・」「プリメラちゃん」「・・・うん。分かった」


 キャロラインの言葉に、少しだけ表情を曇らせつつも笑顔で答えた彼女。失ったと思った家族の再会を望むが我が儘を通すわけにもいかない、歯がゆい気持ちだった。それはドレッド達も同じだが、立場というのも認識している彼等は今は何が重要かを考えて残る選択をしていた。そんな彼等の不安を少しでも払拭させようとミゲイラが補足する。


「安心しなさい。少なくとも・・・私の知る限り彼の実力は申し子と同等レベルだ。ロクサーヌ君とも引けを取らないと言っても過言でないことを保証しよう」「え?ジンが」「・・・本当なのですか?ミゲイラ様?」「(コクリ)もちろんだ。君達の中では彼の記憶が昔のままで止まっているのならすぐに直した方がいい。私見で言えば、直接対決だけならば彼は私の知る限り最強だよ。別の要因を含ませた搦め手でもない限り彼には勝てないと私は思っている。あの年でそれだけの力を付けていると・・・申し訳ないが一種の化け物だよ。女王襲撃に関しての逃亡も別の事情がありそうだ」「「「・・・」」」


 信じられないという感想を表情で表す3人の兄妹。それだけ長い間、彼等の中でジンの印象は幼いままで止まっていた事を意味していた。それはマリティカ達も驚きだったがフと彼女とレックスはある事を思い出した。


「そういやぁ、何かエンシル達が言ってたな。``用が済んだからこっちに来た``みたいな事を言ってたって」「あ~ぁ。確かにジン様のその様な事を・・・。結局、何か聞く前にここに来ちゃいましたから、聞きそびれてしまいましたね」


 可能性として挙げられることを知っていたミゲイラは少しだけ考える。あまり周りに知られたくなさそうだったが、彼等には話してあげるのが筋だと思い、打ち明けた。


「ふむ・・・。たぶん、古代の遺品を集めていたのだろう。オーラルに向かえるよう、多少なりとも手配したのは私達だからな。その品を集めに向かったようだ」「えっ!それはどうして・・・?」「詳しくは私にも分からないが、どうしても探さなくてはならなかったそうだ。当人もその理由を知りたがっていた。ファーラン、ジルベガン、モナメス、レツガイス、オーラル・・・。そしてベルニカ・・・。各地に眠るその古代パーツに何の意味があるのか・・・。偶然にしても私には、これらは決して意味のない行動には思えなかった」「ミゲイラのおっさん。それはどういうことだ?」「彼の話と集めた情報を加味すると・・・。レネッタ・・・彼女達にかなりに頻度で関係しているからだ。どういう繋がりなのかは分からないがそのパーツがある所に彼女も関わっている」


 衝撃的な話にミゲイラ以外の全員が驚きを隠せずにいた。聞いたレックスなどは何食わぬ顔のミゲイラに噛み付く勢いだった。


「それって凄え情報じゃねえか!どうしてそんな大事な事を言わねえ!」「彼には彼の事情があったからね。こんな事でもない限り・・・決して表に出すわけにはいかない情報だよ」「「「・・・」」」


 これにはドレッド、ロクサーヌ、プリメラが強く同意してしまう。今回の騒動がなければ、今まで通り彼等はベルニカの為だけに人事を尽くす機械のような生き方をしていたからだった。特にそれがドレッドとロクサーヌには監視が強く、顕著に表れていた。そうせざるを得なかったとも言えるだけに強く言い返せなかった。同じような境遇にあったキャロラインが親友の手を握る。


「彼は別に世界の破壊を望んでいるわけじゃない。こちらの都合で巻き込むのは大人として問題だったからね」「・・・」


 そう言われてはレックスも強く言えず引き下がるしかなかった。伝えたい事は終えたと今度こそベルニカを発とうと動くミゲイラ。


「ま、彼なら無事だろうさ。僕達は僕達でやるべきことをしようじゃないか。君達もそれまで元気でね。・・・ああ、そうだ。レックス君達はどうするんだい?」「・・・オレ達も明日くらいにはここを発つさ。デッドグレムゲンの事もある。ウチのじいさんが何か掴んでるかもしれねえからな」「私は少し残ります。交代で他の人が来るまではキャロラインと一緒にいます」「・・・」


 嬉しさと恥ずかしさで顔を赤くする妹を優しく撫でる姉。


「分かった。彼女に関しては・・・こっちでも万が一を考えて手は打っておこう」「助かります」「これくらいは安いもんさ。っというワケで頑張りたまえよ若人たち~」「・・・相変わらず。得体の知れねえおっさんだ」「ふふ。でも良い人ですよ?」「分かってるが・・・どうも食わされてる気がしてならねえんだよ」


 立ち去って行ったミゲイラにレックスが苦い顔をしていうと思わずロクサーヌが笑ってしまった。


「ごめんなさい。将軍も同じような事を仰っていましたので・・・」「・・・やっぱり、喰えんおっさんなんだよ」


 執務室に苦笑交じりの、それでいて暖かい笑い声が響くのだった。






  【ジン・フォーブライト(純、クリス)】8才 (真化体)


 身体値 301

 魔法値 314

 潜在値 355


 総合存在値 708


 スキル(魔法):干渉、棒術 8、マナ零子 8、感応 MAX

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