36 人知れずその存在を隠し生きる・・・それはまるで必殺〇〇〇のように
〈実績:初めての反撃 を獲得しました。
小さな一歩 を獲得しました。
ビビりながらも言ってやったぜ を獲得しました〉
通知音のような音と感覚がしてステータス画面を見た。
クエスト欄のあるタブとは別にどうやらログみたいな表記があり。
そこをタップして調べると短絡的に文字が表示された。
「実績?」
純は学校から帰宅途中に何気なく気になり見たステータスに書かれた、新たな文字に疑問を浮かべた。
「(サポート、実績ってなんだ?)」
〔それは私が純によって作り出されたものです〕
「(前にも言ってたな、俺によって作られ。
俺が昇華の過程で出来たみたいな・・・器に成長のための経験値だとも」
〔そうですね〕
「(そもそも、実績ってなんだ?
器を進化させるためと入ってたけど・・・実績が経験値って・・・)」
〔おや、その辺りについては話していませんでしたね。
うっかりです〕
どうやら純もサポートも別の事に意識していたため、実績が何かを話してはこなかったことに、いまさらながら気づいた。
〔そもそも、実績というスキル、能力、称号などと言ったものは存在しません〕
「は?」
純は周りに誰もいない帰り道だからかつい素で声を出してしまった。
〔それは、この力があなたが創り出したものだからです。
言ってしまえば、純。
この力は、あなたの中に眠るものと思念から生み出され創造されたオリジナルのものです。
この場合、純専用特殊スキルと言ってもいいでしょう〕
「(実績を生み出した?
・・・どうして?)」
〔その辺りは分かりません。
純自身が何かを願い叶える様に自ら作り出してしまったのでしょう〕
「う~ん・・・(覚えてない)」
〔まあ、死ぬ間際の極限状態だったのではないでしょうか?
そのため、そこにエネルギーのすべてが向かったんでしょう〕
純はクリスとしての最期、吹き飛ばされ滝の底に落ちていく所を何となくしか思い出せてはいなかった。
「(ただ、悔しかったことは覚えている。
・・・もっと生きたかったとも・・・)」
〔その過程で実績が生まれ私が生み出されたのです〕
「(実績によって?)」
〔そうです。
この実績のエネルギーは、本来消えるものであったエネルギーから抽出されたものです〕
「(?・・・抽出?)」
〔純はそもそもイレギュラーな存在だったのです。
もっと正確に言えば、エラーでシステンビオーネに舞い込んだバグなのです〕
「(えっ?バグっ!)」
いきなりすごいことを言われた純は驚いてしまい、その場で立ち止まってしまった。
〔イレギュラーの存在はそれはそれで必ず必要な場面が来るために用意されたものなのです。
勇者然り魔王然り。
必ず必要な役目に一つとしてあてがわれていたりするのです。
世界または理によってその役目を託されているのですが・・・純は全くの無関係。
それこそ、本当に誰にもわからない存在です。
それは、神と言った上位存在も純の事は知られていないでしょう〕
「(・・・それって、マズい?)」
再び歩き出し家に着いた。
〔・・・場合によりけりです。
しかし、逆に考えれば、上位存在の監視、注目をすり抜けられることを意味します。
常に全員を見ていることはないでしょうが、向こうにとっても人と同じように、考え、判断し決める、自分たちの中の価値観の元に自身の信者たちや選んだ者を操る存在もいたりするかもしれません。
いえ、おそらく、いると考えていた方が良いでしょう〕
「(・・・つまり、結果オーライ、と?)」
〔その通りです。
かなり特異な存在である純は神たちによる恩恵は受けられません・・・が、その代わりの``実績``であり``私``なのです〕
「(ふ~ん、なるほど~。
っで・・・実績は?)」
〔純の中の昇華するために出来た粒たちの1つに欠片です〕
「(ピース?)」
〔システンビオーネでは、モンスターを討伐した場合、向こうに生きる者たちは大半がそのモンスターから漏れ出たエネルギーの一部を自身のエネルギーに改変し吸収することで経験値になります。
そして、そのエネルギーから更に一部が改変され、出来たのが素材です。
素材からの食べ物・・・この場合はお肉にしましょう。
このお肉にも含まれるエネルギーの極少量ですが食べることで吸収され経験値に加算されます〕
「(じゃあ、食べれば何も外に出なくても強く・・・)」
〔そうですね。
王族や大貴族と言われるものの中には外に出なくてもある程度はレベルが上がり成長をしているでしょう〕
「(何それっ!羨ましいー)」
〔まあ、と言いましても得てして素養や才能が高く生まれる家系は基本ステータスとレベルの上限が高かったりします。
しかし、それゆえに最初こそ上がりますが、それにも限界が訪れてしまいます。
一級品のモンスターの肉を料理した食品を毎日食べても、なかなか成長には至らなくなってしまうものなのです〕
「(要はピンキリってことね)」
〔はい〕
幸い誰も、家に居なかったので自分の部屋に行き出かけるための服に着替える。
あまり種類のない中暖かい格好になれる服に着替えて。
行動しながらサポートの話の続きを聞いていた。
〔それで、実績なのですが・・・これは、純の中の独自吸収法と考えた方が良いでしょう〕
「(俺、独自?)」
〔本来なら討伐された場合・・・一部とは言いましたがそれなりには経験値としてエネルギーに改変されますが・・・純の場合は、ほとんど吸収されません。
いえ、むしろほぼ皆無と言っても過言ではありません〕
「(えっ?いや、でもっ。
・・・俺も結構レベルアップしていたけど)」
倉庫の地球に帰ってくるまでに純は30はレベルが上がっていた。
〔それは経験したからです〕
「?」
・・・意味が解らん。
そうはっきりと出てしまうくらいの反応と疑問を顔を頭に浮かべた。
〔純の場合は経験値というエネルギーをバグのため吸収が出来ない代わりに、実際に体験した経験値がそのまま純の中にエネルギーとして換算されレベルに反映されたのです。
これは、剣士が経験で得るスキルではない、技術で身に着けた技のようなものです。
純は技のみでそのエネルギーの大半を改変したのです〕
「(えっ、じゃあ、実績は!?」
〔それは、その技でもって、器を昇華させた過程で生み出してしまったものです。
より、純自身を昇華させやすくするために創造なさった結果できたものなのです。
だからこそ、より今後、純の経験値に活かせるようになります〕
「(お?おお。・・・それで具体的には)」
いまいち解っていないがとりあえず先を促す。
〔本来世界に返還されるエネルギー。
しかし、その中には様々なものが入り混じったり、不要なものが入っていたりします。
より真っ白なエネルギーとして変えるようにするため・・・。
そんな中に・・・純で言うところのパソコンの中のゴミになったフォルダ。
不要なデータやコードの一部と言った、もっと言えば、エラーを起こし読めない1文字も含めて、その中のものを純は独自変換して自分の経験値として吸収しているのです〕
「(・・・計算上は確かにあるけど、数値上必要なの無い極少数値か・・・)」
〔その通りです。
こんな短期間で早く昇華させ進化したものを見逃す上位存在がいるかは疑わしいです。
今はまだ、注目されないにしても・・・〕
「(いずれは何かしらで接触を図るってことか・・・)」
〔はい。
そういう意味でも、上位の存在による政(面倒事)に巻き込まれない、私や実績の力は今後の純の生き方には必要になってくるでしょう〕
「(・・・もはや、上位、神は悪みたいな・・・)」
サポートの話を聞いて純は苦笑しながら思ったことを話す。
〔いえ、悪とかそういうものではなく、向こうにと――――――――〕
ザ―――――――――!
突然聞こえる砂嵐。
サポートの音がチューニングが合わなくなったように遠ざかり、その後何も聞こえなくなった。
少しすると。
〔申し訳ありません、純。
現状の私ではこれ以上は分からないようです〕
「(?、わからない?)」
〔はい。
得られるのはあくまで純が生きて得た経験や実績の中に残っていたわずかなデータのみ。
無理やりそこから調べようとすると遮られてしまうようです〕
「(え?誰に?)」
〔この世界の理です。
世界という大きな波から欲しい特定の情報を探すことは出来ないようです。
申し訳ありません。
これは、上位の存在をより知れるかもと予想してのですが・・・〕
「(いや、ありがとう。
今はこのくらいにしておこう。
何もわからないんじゃ、変な憶測ばかりで怪しい方向に行ってしまいそうだし)」
〔了解です〕
純たちはそこで発展した上位の存在については一旦保留にすることにした。
「(そういえば、サポートにしても実績にしても。
何でステータスに表示されないんだ?
いや、まあ実績のログの一部は出てるけど・・・)」
〔それは、純独自の魂から作られたものだからでしょう。
ステータスはもともと上位の一人が分かり易くする為に生み出した力の言ったんだからでしょう。
純のステータスはオリジナルが入っていますが・・・やはり少しはその上位の名残が入ってしまっているから、純専用の物は表示されないのです。
ある意味、除外スキル、システム外スキルと言った感じでしょう。
純自身にしか私を感知できないのはむしろ、いい傾向でしょう。
私のような存在のスキルはあるとは思いますが、それがどれほど上位の存在の束縛から外されていることか・・・。
監視する側からすればより優秀なものは常に手元に残しておきたいでしょうから〕
「(確かに・・・そういう意味ではサポートの存在は助かるし、今後重要になってくるな)」
〔お任せください。
私は純の魂と一体のようなもの。
常にあなたのサポートが私に仕事でもありますから〕
「(ははは、頼りにしてるよ)」
そんな長い話が終わり、出かけるために靴を履き、家を出て行った。
普段は持たない家族割り用の安いスマホや非常用の財布をポケットに入れ、町に繰り出す。
目的の木田福製鉄工場は純の自宅から歩くと一時間以上は掛かる、下手すれば2時間以上だ。
そのため、バスを使い近くのところまで行きそこから徒歩で現場に向かった。
「・・・この辺りは、工場と一般の家しか無いな・・・」
〔近くにお見えは無く都心から少し離れていますからねー〕
純たちは目的の工場前に着き、ここまで来た通りとそこから見える周りを見渡して感想を述べる。
「〔現在は・・・もうそろそろ6時半か・・・)」
学校で豪裡達とひと悶着があって、そこから家に着いたのが午後4時半を回った所だった。
思っていたよりゆっくり帰ってしまったことと、ここに来るまで、スマホのマップで調べたりしながら来たため、若干道に迷いこの時間になってしまった。
辺りは完全に夜で街頭の灯りと家や工場の中の灯りしかなかった。
冬の夜は早いもともと出かけるときには夜に差し掛かっていた。
「(サポートが案内出来たらな~)」
〔無茶は言わないでください。
さすがに生まれて間もない私に世界の位置を正しく認識するのは不可能です〕
「(意外な弱点?だったな)」
〔あくまで、現段階での話です〕
珍しくムキになるサポート。
「(ははは、まあお前がある意味人間ぽくて少しうれしかったよ)」
〔お忘れですが、私はあなたの本心の一部でもありますからね?〕
「(あっ、そうだった)」
〔・・・〕
かすかに呆れたい気が聞こえた気がした。
「(っと、そんなことより。
目的地に着いたけど・・・特に、なんかそれらしいものなんか無いな・・・)」
〔・・・ここで、提示された時間まで待ちますか?〕
純は工場内を入口から周りの人にバレないように隠れながら、内を覗いた。
整備された様々な鉄部品、何かの柱に使うための組み立て途中のものと純自身は分からないが工場内を運搬車を使って運び入れ、一部は大きなトラックの荷台に乗せたりと忙しなく働いている人が人はいた見える位置に最低でも10人以上は居た。
もちろん、この工場は製鉄工場の下請けであっても大きな工場の建物を敷地内に2つもあるため、流石にコッソリ全部を見て回るのは時間が掛かる。
というか、見て回ろうとすれば中に不法侵入しなければならない。
純はどうしようかと悩んだ。
「(・・・うーん。
このままここで待った方が良いのか・・・そもそも、突発クエストが情報が少なすぎてどうしようもないんだよな~。
突発だし、クエストってことは危険な可能性もあるし・・・)」
〔・・・現在6時53分。
クエストの開始時間までおよそ20分〕
純は悩む、そもそも工場の中で起きるのか何が起きるのか昨日の夜とここに来るまでのバスの中ではバレないようにしながら他に情報がないか調べたが・・・結果は表示された場所と時刻しかわからなかった。
純が尚もうんうん唸っていると、遠くから一人の巡回していた警官が自転車を漕いで工場前を通過しようとしている所だった。
気づいた純が先に工場から少し離れ曲がり角から工場を見ていた。
巡回している警察官は二人だった。
少し遅れて警察官がもう一人自転車に乗って通過していった。
すると、あとに来た警察官が不意に止まり辺りを見回した。
慌てて純は顔を引っ込み除くのを止めた。
少しして何やら話し声が聞こえてきた。
どうやらここで自転車を呼び止め事情聴取を始めたようだった。
遠くにいるため話し声は聞こえないが。
持っているフリップボードや無線連絡をしていることから、盗難チェックを始めているようだった。
「(・・・これは、しばらくあそこに留まるな。
・・・仕方ない、今日は帰るか・・・)」
〔クエストはよろしいのですか?〕
「(・・・どっちにしたって、こっからじゃどうしようもないし・・・)」
〔確かにそうですね〕
少し名残惜しいがただの中学生がこんなトコにずっといる方が怪しい。
純は諦めるしかなかった。
【十時影 純】 15才 人間?(ぽっちゃり)
レベル 1
HP 1 MP 1
STR 1
VIT 1
INT 1
RES 1
DEX 1
AGI 1
LUK 1




