355 バッティングは重なるモノ?
「ありがとうございました」「いえいえ。ここからはレツガイスの領土となりますので、お気をつけて」
そう言うと案内人はジンの方へとぐっと近づいて声を潜めた。
「(ボソ)今朝、皆さんが仰られていたように内部でゴタゴタしているそうです。国のトップであるガオウ老師の考えに賛同できない保守派が動いているのだとか・・・。道中はくれぐれもお気を付けください。我々でも流石にどこまで踏み込めるか怪しいので」「分かりました。出来るだけオーラルへ真っ直ぐ向かいます」
頷いた案内人は笑顔になって離れた。そしてジンに対して正面を向く。
「それでは・・・旅のご武運を」「はい。ありがとうございました」
頭を下げる案内人にジン達全員も頭を下げ、別れを告げるのだった。
・・・・・・
そして現在、3台が列になって走る馬車の1つに乗って険しい山道を移動中であった。
鉄道網は開通工事がまだ建設途中。先の内乱による影響で、進みが遅れているとの事だった。
大変不便に感じられるが、これでも移動が楽になったと同席していた年配の方々の話を盗み聞きした。
(?・・・ジン。あれ?)「?」
後方に座っており、前方が全く見えない。ゼクが指す先ではどういう訳か岩が転がっており、道路を封鎖していた。
「馬車を止めろ!」「ヒィッ!」
別の馬車から叫び声を聞いた瞬間、同じ馬車に乗った数名が立ち上がった。
そして御者の首に刃物を突き付け、停車させる。
〔グルですか・・・〕「(面倒を起こしてくれる。先に倒しておけばよかったかな?)」〔そうしても、あの岩と・・・おや?〕「(?どうした?)」(?)
ジンに釣られ、ゼクも山脈の上を見上げた。
「へへへ。おら、大人しく降りろ!」「ヒィィッ、命だけは・・・!」「言う事を聞いたら、な!」「ガッ!」
御者を殴りつけた事で、力のない者達はすっかり怯えてしまう。
「お前達は人質だ。大人しく降りてこい。勝手に逃げ出すんじゃねえぞ?逃げた場合・・・どうなるか・・・?テメエ聞いてんのか?!」「「「・・・?」」」
叫ぶ声にビクつきながらも客たちはゆっくりと最後方に座っていたジンを見た。
「テメエ聞いてんの──」「あれ・・・」「あ゛?」
男が入り込んでジンを殴りつけようとしていると、仲間の1人も山の上の方を見て、後退ろうとした。
「おい・・・どうなってる・・・?!話と違うじゃねえか・・・!」「?何を言って・・・ぐぎゃ!」「はぁあぁあっ!!」
男が突然飛んできた刃物に刺され倒れた。それを見た御者が荷台の中へと逃げ込む。
「ヒャアーッハーー!!どこの馬鹿か知らねえが、止めてくれてありがとな!」「何処の派閥だ!」「こんなの聞いてないぞ、あがぁっ!」
モンスターの背に乗った盗賊らしき者達が数人、険しい山の崖を駆け下りて来た。
「(内部分裂?)」〔どうやら別の集団と鉢合わせしたようですね〕「(面倒な・・・)」
仕方ない・・・とジンが立ち上がろうとした瞬間だった。
魔力が突然近づき数秒後、新たに来た集団に向かって襲い掛かって来たのだった。
「ぐはっ!」「なんだと!」「一般市民に危害を加えて何が保守派か!」「いや、たぶん。こいつ等は盗賊だって」「なに?!」「たぶん・・・かち合ったんじゃないかな」「なんて偶然・・・!ってそんな事よりも救出だ。急げ!」「「「おおー!」」」「ガオウ様の部隊だ!助かった・・・!」
誰かが後から来た者達の衣服に気付き、車内で叫ぶと、全員の表情に希望の光が戻った。
「(ガオウって確か・・・)」〔この国の現トップですね〕(そこの騎士さんってこと?・・・あ、それよりジンどうする?)「〔・・・〕」
ジンとサポートは争いが大きくなっていくなか冷静に周囲を目と気配で調べる。
そして意図を理解した相棒が確認を取る。
〔よろしいですか?〕「(うん。人は何をするか分からないからね。殺さない程度で)」〔分かりました〕(?)〔ゼク、魔法で馬車内にいる最初の襲撃者達を狙ってください。人質に害をなす危険性があります。殺さない程度で撃ってください〕(いいの?)「(コクン)〔はい〕」(わかった)
そうしてすぐに動き出したゼク。シャボン玉の水弾、風弾を焦って人質に刃を付きつけようとした者から倒していった。
「は?」「がごっ」「なんだ?」
突然、馬車から飛び出して昏倒している男達に、後から来た盗賊達も混乱しているが、その油断が命取りとなった。ガオウの部下達によりあっさりと倒され、何も出来ず、全員が逮捕されたのだった。
・・・・・・
「ほら歩け・・・!」「ぐっ・・・おい踏むんじゃねえよ」「俺じゃねえよ!」「あ゛あ゛?!だったら誰が──」「そんな事はどうでもいい。大人しくキリキリ歩け!」「「「・・・」」」
ぶすっと不満な顔をしながらロープで繋がれた保守派と盗賊達はどこかへと連れていかれる。
残念ながら、野生をエサで繋いでいたモンスターは真っ先に処分された。逃げ足を失い、真っ先に盗賊達は素直になった。
「気付いていないと思うから言っておくが・・・。岩で塞いで待ち伏せていたお前達の仲間は死んでいるぞ」「「「!」」」「盗賊がここにいる時点で気付けよ」
知った保守派達が盗賊達を睨むがどっちもどっちであった。
弱肉強食とはいえ・・・やっている事は似た様なもんだと自覚していないらしい。
連行する人達のため息がその苦労を如実に表していた。
そんな保守派達を無理矢理、山の先へと向かって歩かせるガオウの部下達だった。
「「「せーのっ」」」
塞がっていた巨大な岩を崖下へと落とされる。
「どうですか?」「(ふるふる)車軸が完全に折れてます。これじゃあ、修復は難しい」「こちらも同様です。事前に打ち合わせていたようです」「・・・困ったな~」
3台すべてに細工が施されていたようだった。困った部下達の前に1人の女性が現れる。
「問題ない。ひとまず、皆さんを連れて来て」「えっ!よろしいのですか?!」「しかし、まだ・・・!」「もうそろそろ終わる。町の中はとっくに完了したよ」「「「・・・」」」
部下達が驚く。それだけ女性が言った言葉が信じられないといった様子だった。
「それじゃあ、行きましょうか。怪我をした人や足の不自由な人を優先して乗せてあげて」「分かりました」「「「(コクン)」」」
老人や、先の争いで足を挫いた人が馬車を引いていた動物達の背に乗って、女性達の案内の下、付いて行く。
「ほら、君も行きなさい。ここに居ては危ないかもしれないからね」「・・・はぁ」
ジン達もとりあえずは従う形で山脈を徒歩で登る事となった。
・・・・・・
「ここ、ちょっと騒がしいけど・・・安全だから、心配しないで」「「「・・・」」」
登山してから10分かそこら、山脈は平坦な道に変わり・・・やがて緩やかな下り坂へと変化した。
そして、なだらかになった道の先では横幅がどんどんと拡がり中間地点に差し掛かりそうになった時には・・・女性の言っていた町というのが姿を現した。
ズガアアアン・・・ドガアアアアンンン・・・!!
爆破でもさせたかのように、急に土煙が町の向こうで吹き上がる。
そしてその轟音と衝撃が町へ向かうジン達の下まで届く。
「あの・・・あれは?」「問題ありません。最後の抵抗でしょう。あと少しで終わりますので、このまま入りましょう」「は、はぁ・・・」
若干心配になる同乗者達。しかし、当の答えた本人と護衛に来ている部下達の反応から、本当に心配ないんだと少しずつ理解し始めると・・・ちょっとだけ会話をするほどまでに空気が戻って来ていた。
相変わらず、噴水の様に何回も吹き上がる土煙。時折誰かが、一緒に飛び上がっているのだが・・・ジン達以外は気付いていないようだった。
「(・・・なにあれ?)」〔パワフルな方でもいるのでしょう〕(ふわ~・・・あ、また人が飛んでる)
飛んでる、というよりも飛ばされている間違いでは?と思いつつ、ジン達は町の中へと入ったのだった。
「「「・・・」」」
入って来た物達を中にいた人達が睨む。主にロープでグルグル巻きにして座らされている者達がだ。
たぶんその保守派の一派だろう。子供を連れた親子が彼等から遠ざけているのがまさにその証拠だった。
「・・・お帰り、問題なかった?」「ううん。問題発生。保守派と盗賊が鉢合わせて、住民や旅の人に被害が出た」「・・・待ってて、すぐに手当てを急がせる」「お願い」
仲間の女性が状況を見て、部下の1人に命令。被害者達はスムーズに手当てと受け、そのまま寝床などを用意された。
そして、当の問題を犯した保守派と盗賊達は・・・先ほどロープで捕らえられた者達と同じ場所へ並んで座らされた。
「ふぃ~・・・おーい、追加だー・・・!!」
肩をグルグルと回し、大きな声がやまびこの様に辺りを響かせ、こちらへと掛けてくる。
理解した部隊が一部向かい、残りが何やら大きな布を持って引っ張る。
何をするのかと思っているとそこへ声を掛けた人物が次々と近くに転がっている者達を投げ飛ばした。
「がっ」「ぐ」「がは」「ごげ!」「がぼ」
ポイポイと投げられる保守派だった者達。
布を張ったとしても飛距離と高さが合わず、先ほどから地面に一度ぶつかっているようだった。
〔乱暴なやり方ですね~。・・・まあ、大した怪我はないようですし・・・。これでも手厚い対応なのでしょう〕(うげ・・・。痛そう・・・)
先ほどから受け取り方を失敗し、布からバウンドし、はみ出て転がる姿にゼクは手の隙間から覗く様に見る。
「ふぅ~・・・。ふ、ふふふ・・・。まあ、こんなモンだろ」
人を投げ飛ばしていた者が跳躍し、女性達の前で降り立って言った。
肩を回し、首を回しウォームアップを済ませたと言わんばかりの涼し気な獣人。
「お疲れ様です老師」「ほとんどの保守派がこれで全滅したので?」「・・・まあ、大体そんなモンだな。ガキ共を使っている時点で自分の弱さをひけらかしているようなもんだ。後はその裏でコッソリしているバカ共を捕まえりゃあ終わりだろう」「既に目星は付けております」「後はジュンシー達の報告待ちですね」「はっ。ようやく終わったな。・・・ったく歯応えのねえ連中だ」
そう言って巨躯で筋骨隆々の男はゆっくりと並ばされた保守派達の下へと向かう。
その横顔、見た目はヒゲをたっぷりと蓄えた格闘家の様だった。
「ガオウ様」「ガオウ様だ」「ガオウ老師だ・・・!」
次々と、避難してきた者達が口に出し、中にはガオウに手を組み、膝を付いて頭を下げていた。
「老師は止めてくれ。これでもワシはまだ若造なんでな。っと、そんなに畏まんじゃねえ。ワシは先代とは違うんだからよぉ。・・・!」「?」
豪快な雰囲気ながらも気さくな良い人、といった印象を抱いていた所、ジンを見て固まった。
〔お知り合いで?〕「(さあ?知らないけど・・・。ゼックンは?)」((フルフル)ううん。知らな~い)
ジッと見つめたまま視線を外さない。
「老師?」「どうかされましたか?」「ふ・・・いや」
一瞬ニヤっと笑った後、ゆっくりと首を動かし、今度こそ保守派の方へと向かった。
「(何なんだ?いったい・・・)」〔面倒なのに目を付けられたんじゃないでしょうか?あの目、似たモノに覚えがあるのですが・・・〕「(止めてよ。それはマジで勘弁だから)」(あの人達をどうするんだろう?)
ゼクの疑問に自然とガオウが向かった先を見る。
そこでは並んだ保守派達の前で何やら説教をしているような感じだった。
「お前達が伝統を守るだ、大切にしなければだとか言うのは・・・まあ分からなくはねぇ。そういったモノは大切だろうな。・・・だが、その過程でお前達を送り出す連中がどう思ってるか考えた事があるか?死ねばそれは伝統に重んじた戦士だなんだと綺麗ごとを言ってるが・・・本当はテメエの出来ねえ事、新しい変化に怖がってそれをお前達に無理やり押し付けて、我が儘を通そうとしているだけだからな」「そ、そんな事はない!」「そうだ!老師になったからと言って、長く守り続けた方々を──」「じゃあ、その人生の先輩方が何故1人もここに立ってねえ?足腰が弱いなんて言い訳じゃあ、済まされねえ問題だぞ」「「「・・・」」」
老師という存在は物事を勝負で片づける、野蛮な存在だと教えられていた保守派の若者達はお互いの顔を見合わせて黙り込む。
そんな態度に頭を掻いてしまうガオウ。
「ワシゃあこういうのは向かねえ。戦いで決着を付けたいという精神だ。だがよ・・・テメエの人生を肩代わりさせるような教え方も、やり方もする気はねぇんだわ。その辺りは先代も似た様なモンだったぜ。・・・今回はお前達に相応の罰を下さなきゃならんが・・・一度、考え直せ。テメエ等の生き方だ。我が儘もテメエで真面に言えねえ連中の駒になんかなるな。・・・以上だ」
そう言ってガオウが踵を返すと、控えていた部下達が保守派と盗賊達をどこかへと連れて行くのだった。
それを見ていた女性の2人が手を叩く。その表情は薄いのに意外そうな顔をしていた。
「なんだ」「いえ。意外でした」「はい。老師があんなに説教くさい爺とは思いもよりませんでした」「一言余計だ。・・・っつうか、待てよ?・・・保守派は分かるが・・・ありゃ盗賊か?何でいる?」「現在、こちらにお連れした方々はその2つの組に巻き込まれてしまいました」「はぁ⤴・・・なるほど」
そう言ってヒゲを撫でながら、保護を受けている者達の方を見る。
「・・・その、2つに巻き込まれてもどうにかなったんじゃねえか?」「はい?」「いえ。無理でしょう。岩で道を塞ぎ、車軸を壊していましたから・・・。逃げる手段を絶たれていました」「ほぉ・・・なるほどね~」
ニヤニヤと笑うガオウに疑問を感じた2人。
「何か?」「いや。確かに車軸が壊されちゃあ・・・この山脈を渡るのは大変だろうな。しかし・・・その襲撃者に関しちゃあ・・・問題なかったんじゃねえかと思ってな」「「?」」「ふふふ(こりゃあ、面白えモンに出くわしたな)。うふふふ。ふふふふ。ふふふあはっはっはっはっはっはっは」
突然笑い出す老師に2人の女性は頭が?とかジェスチャーで酷い扱いをしていたが当の本人は気付いていないようだった。
・・・・・・
「それでは明日。皆様の護衛とその後の手配についてはガオウ様の許可により、我々が担当する事となりました。明日の準備が出来次第、誰かに声を掛けて頂ければ、すぐに出発の用意をいたします。今日は、この町にてお泊りください」「何から何までありがとうございます」「いえ。これも老師の指示ですので。お気になさらず」
感謝する人々に一礼し、その場を去って行くガオウの部下。
まだまだ、解体、修理点検と仕事が山積みのようでテキパキと働いているようだった。
〔完全な復興まではしばらくかかりそうですね〕
町の住民達も壊れた家を直したり、通路の邪魔になった瓦礫や岩などを運んだりと大変そうだった。
「(俺達も協力した方がいいのかな?このままじっとしているのって、たまに不安になるんだよな~)」〔近くですと、ケガをしていた人達が気を遣ってしまわれるでしょう。・・・さりげなく、遠くの方でなら問題ないかもしれませんよ?〕「(そうだな・・・。ゼックン)」(わかった!)
気合いを入れたゼクを引き連れ、ジン達は町の端の方で地元の子供達と一緒に町の復興の手伝いをしたのだった。
・・・・・・
・・・
そうして夜。
ひとまず通り道や家に入った岩を回収した所で終わり。住民達もそれぞれの家に帰って行った。
ジン達も宿泊している宿へ帰り、食事を取ってお風呂に入り、さっぱりした所で散歩という流れになって外に来ていた。
「・・・こうしてみると星がすっごい近くに感じるね」(ほんと・・・すっごいキレイ~)
山の天気は変わりやすいと聞くがどうやら、この場所ではそうコロコロ変わらないようだった。
11月。本来冷え込む時期なのだが・・・レツガイスの山はどちらかというと過ごしやすい気温だった。現在いる場所はモナメスの様に常夏に近い場所だからかもしれなかった。
〔明日は護衛してもらえるという事ですが・・・。このままだと代わりの馬車での移動を考えて思っていたよりも時間が掛かりそうですね〕「何とか短縮できればいいんだけどね~」(走ったりしちゃ行けないの?)〔足並みを揃えなくては、なかなか難しいでしょう。そもそも見た目の問題もありますし。気を遣って、誰かが同行する流れになるでしょうね〕「まあ、それで済めば問題ないけど・・・。(ボソ)いっそ、その場限りの出会いなんだしサッサと目立っても強行した方がいいのかな~?」〔難しい所ですね。なんせ護衛がこの国のトップの部下ですから〕「そうだった・・・」(やっぱり無理?)「〔う~ん・・・〕」
適当に歩き、たまたま見つけた高台。その手すりに肘を付けて空と山を見ながら悩む。
「お?ひひ、いたいた。こんな所にいやがった」「〔(?)〕」
遠くから声が聞こえ振り返るとガオウが1人、ジン達の方へと向かって歩いてきた。
「おう、坊主。災難だったな」「・・・ええ、まあ」
話しかけるガオウに返事を返しつつ再び外の景色を肘を眺める。
「どうした?悩み事か?」「まあ・・・ちょっと」「ふむ・・・」
すぐ隣へと来たガオウはヒゲを撫でて、景色を見ながら少し考えた後、ニヤっと口元が笑った。
「ワシに出来る事なら、手伝ってやってもいいぞ?」「・・・」
その言葉に半眼になって振り返る。
「ん?」「はぁ・・・」
しかし、すぐにまた景色に戻る。
思った反応と違って期待が外れたガオウ。
「なんだ?ワシでも無理なのか?」「・・・いえ。たぶん、大丈夫です」「だったらどうした?」「・・・その目、嫌なんですよ。絶対、面倒な事を考えてそうで」「・・・ふふふ」
半開きだった口が再び笑みへと変わる。
そして、もう一度一緒になって山の景色を眺める。
「・・・お前。どうして戦わなかった」「何がです?」「とぼけるなよ。あんな奴らが集まった所で、坊主なら簡単に倒せただろう」「どうして?」「その魔力だ。・・・お前、恐ろしい魔力を秘めてるな。弱めてるのは何でだ?それも修行ってやつか?」「生まれつきギリギリなんですよ。学園のポータルで視た数値だと最低ラインすれすれです」「ウソつくな」「本当です」「・・・」
信じられんと思いつつ、ジンの表情を見る。その顔に嘘は言っていないと理解する。
「マジかよ。だったらオレの嗅覚が狂ったってのかよ」
頭を掻く。自分の未熟さを知り、少しだけ恥ずかしくなった。
「さっきまでのワシはどうしたんですか?そっちが本来の言い方とか?」「あ?・・・は。まあ、癖だな。たまに昔の気分に戻るんだ。すまなかったな坊主。明日は部下達に付いて行けば安全だからよ。それじゃあな」
ガオウが踵を返して帰ろうとする。
〔・・・〕「(ボソ)はぁ・・・分かったよ」(?)
無言の圧に屈したジンが振り返り声を掛けた。
「すみません。こちらのお願いを聞いてもらえませんか?」「?・・・・・・(ニィ)」
ジンの瞳に再び戻って来た。
【ジン・フォーブライト(純、クリス)】8才 (真化体)
身体値 118
魔法値 145
潜在値 153
総合存在値 237
スキル(魔法):干渉、棒術 5、マナ零子 5、感応 4




