349 狂乱者はマジ勘弁
「(・・・どっちだ?)」〔?、どういう事でしょうか?〕「(敵意は何となくわかる・・・けど・・・)」
チラッと視線はコンダートの方へ移る。
「ねえねえ君は何かな?・・・あ、もしかして君が例の人形君?あは♪こんな所で出会えるとは偶然だね~。探してたんだよ~♪」「・・・」
鎌を持ったまま、両手を広げている。ゆっくりと近づいて行くその姿は怪しさタップリでしかない。
しかしそれが本心である事は・・・本人とジンにしか分からない。
大変不本意に思いながらも、今はそのスキルを信用した。
「(戦闘中だけかは知らないけれど。少なくとも、今の言葉・・・思ってるのは本当っぽい。・・・でもあっちは・・・強い恨みなのかを感じる)」〔活性化により範囲の増幅かもしれませんね。恨み・・・というのは?〕
遠くにある巨大モンスターの死骸へと移す。
「(あっちに、関係しそう・・・)」〔モンスター・・・。檻・・・。実験所のような場所。もしかしたら、あの人形等は、そこを脱走したモノ達なのでは?〕「(なるほどね。・・・可能性はあるか)」〔証拠を隠蔽しようとした形跡もありましたが、すぐには誤魔化せなかったのでしょうね〕「(そもそも、こんなに早く、誰かが嗅ぎ付けること自体・・・想定してなかったんだろうな)」〔ですね・・・。教会の闇は深そうです〕
警戒は解かないが、意識の中ではすっかり観戦に近いモードへと変わりかけていた。
「おいおい。次から次に・・・オレ達ってひょっとして・・・」「言わないで。折角、決めた覚悟が馬鹿に見えちゃうじゃない。とにかく、気を抜かないで」「お、おう・・・」
メリリカとグロッグは気を抜かないようにしっかりと自分の意識を仕切り直す。
そんななか・・・コンダートはゆっくりと歪で機械みたいなブリキパペットに近づいて行った。
不自然な間接の動きと振り向き方で近づく相手へ振り返るパペット。
いつバランスを崩して壊れてもおかしくない動きだが・・・フラついた状態ではない様子。あれでしっかりと安定している事が分かる。
「・・・ふふふ。ん?さあ、一緒に僕と遊ぼうよ?」「ん?」〔どうしました?〕
上に向けていた刃を若干手を下げると同時に手首を捻って下へと向けた。
表情はとても笑顔だが、明らかに先ほどとは違った事をジンを通してサポートも気付く。
「(サポート)」〔了解です〕
戦闘態勢に入った瞬間。一瞬で間合いを詰めたコンダートがパペットへ斬り掛かった。
ガギュウウウオオオオンンン・・・!!
「っ!」「裏切りか?!」「そんなの分かるわけないじゃない!」
眉を寄せる口を歪ませるコンダート。魔力を込めた鎌がパペットの足から腕、頭へと僅かに火花を散らせて滑ってしまう。
パペットを軸として遠心力で体が150度ほど回転する様に振り回されてしまったのだ。
人形の後頭部辺りを難そうに見つめながら、再度斬り掛かる。
ガキガキガイン、ガインガキガキガキ・・・・・・!!
舞う・・・というよりは狂ったような踊りにも見える回転乱舞。身体の向きを返る度に、刃の長さもあって反動で人形の軸に回転して滑ってしまうが関係ない。それでも攻撃を止めなかった。
ローブのせいで揺らめく動きがまるで、纏わりつくヘビにも幽霊の様にも見える。
「・・・き・・・。キッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ」
楽しくて、でも怒っていて、ムキになり興奮する・・・。その全てが混在しているような心情をジンは受けた。
次第に攻撃の速度が速くなる。魔力が高まり、威力も増していた。
「(速え!)」「(何よあれ・・・!)」
予想以上の動きに残像の様に2人には見えた。
ジンがゆっくりと下がったそのすぐ後には・・・。足元の地面に刃の痕が刻まれていた。
それは巨大空洞のいたる所で刻まれていた。笑う声が切り裂く音に搔き消されるのではないかという程にコンダートは高速乱舞がパペットを襲う。
・・・ガシャ。
とうとう流石の人形もバランスを崩し転んだ。そこへ両手を持って飛び掛かる。
「しぃぃぃねええええぇぇぇっ!!」
膨れ上がる魔力が本来の刃以上に巨大化して伸びる。その全てを相手にぶつけたのだった。
ズゴォォオオオオアオアアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・・・!!!!!!
「「!」」
暴風が起き、地面をめり込ませ土煙を上げる。
地下だという事も関係なく力を振るった事で、空洞内が大きく揺れた。
全体を覆うほどに拡がった煙のせいで周りが全く見えなくなる。
「ケホ・・ケホ・・・どうなってやがる」「・・・何処だと思ってるの・・・?!」
ジンの援護が分からず無意識に手を扇ぎ、せき込むグロッグ。
「というより・・・あんな力を出して、何で私達平気なのよ」「・・・え?あ、確かに・・・」
分からない事だらけのなか、一度冷静になり今の状況を確認しようとしたそんな時だった。
「ごふ・・・」
青とオレンジの上手く混ざり合っていない魔力が吹き上がり、周囲の土煙を遠くへと押しやった。
視界が開けてそこでは、刃の先端を片手で持ち、もう一方の腕を腹部にめり込ませたままの姿勢で止まっているパペットがいた。
攻撃を受けたコンダートは血を吐きながら九の字に曲がった姿勢で震えていた。
「ぶっ!!」
そこへ腕を引くと同時に刃から手を離し、右ストレートを顔面に叩き込んだ。
バゴン・・・バアアアンンン・・・!!!!
あまり威力に無茶苦茶な錐揉み回転をしながら壁に激突したコンダート。再び振動が発生する。
亀裂が走り、土煙の中に破片がパラパラと落ちていた。
〔封じ込めて、この破壊力・・・。一気に片を付けないと危険かもしれません〕「(分かってる)」「イィィヤアアア゛ア゛ア゛ッッッ・・・!!」
ジンが出るよりも先に、煙の中から目を血走らせ、鼻と口から血を吐いたコンダートが飛び出してきた。
棒立ちになって見ていたパペットは、カクッと音を慣らして揺れると頭を一段下に沈めた。そして重心が下がった時、地面を割る勢いで自ら飛び出していった。
「キィィィィィィィッッッ・・・!!」
宙でぶつかり合い、斬り合う両者。正確には鎌対素手だが・・・結果は何度も鎌が弾かれていた。
器用に空中で何度も回転切り込みを鎌で入れるが、その場その場で足なども使って押し返えされていた。人では思考などの制限により出来ない動きでもパペットには可能だった。
「(ふざけるなよ。僕が・・・この僕が、こんなオモチャなんかに・・・!!)」
先ほどの余裕は無い。そこには自分のこれまでのプライドを簡単に踏みにじられ、怒りが浸透する姿があるだけだった。決して認めない。許さない・・・その気持ちがコンダートを動かす。
「キィィィィィエエエエエッッッ!!」
甲高い奇声を上げ、何度も魔力を乗せた斬撃を叩き込む。しかしそのどれもが・・・届かない。
コォォォォォォオオオオオオ・・・・・・!!
腹部の巨大なディスクが回転。パペットのマナが高まり身体能力が向上していった。
圧倒的だった。
ローブがボロボロになり、武器にもヒビが入って行く。
殴られるたびに僅かに血を流し、吐き・・・みるみる負傷していった。
一方的な展開になっていった頃。
コンダートは渾身の一撃を叩き込む意味で今までの数倍には上る魔力を乗せた鎌を振るう。
火事場の馬鹿力とも言えるモノだった。
「・・・ジジ」
それを確認したパペットのディスクがさらに回転速度を速める。腕に魔力を乗せ始めた。
〔ジン〕「え?」「うおっ」
驚く2人を無視してシャボン玉を自分達の周りと空洞内にもう一枚、膜を張って重ね掛けをした次の瞬間だった。
「しぃぃぃね・・・」
最後まで言い切るより先に両者の攻撃がぶつかり合い。これまでの比ではない揺れが発生した。
立っているのも難しいレベルの大きな揺れだった。
「キャッ!」「うぉっと!」
突然の事にバランスを崩し、コケてしまうメリリカとグロッグ。
しかし、それほどの衝撃を受けても張った膜のおかげで空洞内は無事だった。
事前に張っていなければ上いる代表や観客達に被害が出たのは間違いなかった。大きく亀裂が走り瓦礫や岩がボトボトと落下するだけで済んだのがまさにその証拠であった。
そんな激しい戦いに勝ったのは・・・もちろんパペットである。
敗れたコンダートは宙へと放り出されていた。そこへ・・・。
キュゥゥィィィィィイイイイイイイ・・・パパア・・・ンンン・・・。ズウウウンンン・・・!!
力なく舞っていたコンダート目掛けて追い打ちを掛けるようにディスクが高速回転すると同時に顔から光が放たれた。
一瞬で消えた光の数秒後。遥か遠くの方から爆発した様な音がジン達の下まで届いてきた。
「・・・」
直撃して消えた彼を追って、パペットは自分が来た入口の方角へと向かって、ゆっくりと体を沈ませる。ガシャガシャと四つん這いになった瞬間、手足に力を入れて暗闇の中へと飛んで行ってしまった。
「マズい・・・」「え?」「どういう・・・」
呟くと2人の置いてすぐさま追いかけていく。
「「・・・」」
取り残され、一瞬ポカンとしてしまう。だが、頭を掻いたグロッグがヤケクソ気味になりながら走り出した。
「ちょっと、待ってよ・・・!」
メリリカもすぐに暗闇の向こうへと追いかけた。
・・・・・・
〔あのビームは厄介です。波動砲・・・でしょうか?〕「(どっちでもいいよ、そんな事。それよりどこまで行く気だ?)」〔あの男が生きていると分かっているのでしょうね。我々と同じくマナを感知しているのかもしれません〕
微弱だが確かにジン達も感じていた。
あれだけ目の前で盛大に放っていたマナだ。すぐに分かる。
かなり遠くへと飛んで行ったしまったようだがジン達でも分かるほどに残滓は残っていた。
「(残滓が見えてる?)」〔分かりません。ですが・・・あの動きはしっかりと捉えているかもしれませんね〕
本来ならもっと上下左右、大きくなったり縮んだりくねったりと入り組んだ迷路のようになっているはずだったのだが、ブリキのパペットが放ったビームは周囲の壁を赤く焦がし、独自の直線のルートを築いてしまった。
ジュウジュウと焼ける音が聞こえるが効いていないパペットは完全無視の直進。
ジンは、サポートが魔法で足の裏に水の膜を覆いそのまま追いかけていた。
パペット以上にジンの足跡が高温とぶつかる。ものすごい煙を上げるが、そこに子供の足跡が残った。
事象の上書きである。ジンの魔法の方が強いという事だ。・・・だが・・・。
「(一点突破されれば、あれじゃあ貫かれるな)」〔重ね掛けと大量の水で遮るか、方向を絞りましょう。魔法同士をぶつけ合わせるなら、相殺も出来るかもしれません〕「(防御は危険か・・・)はぁ・・・やになる」〔文句を言っても仕方ありませんよ〕「へいへい」
ビームによる高温は空洞内の温度を一瞬だけ上げた。だが魔法によるものなのか、沈静化するスピードは速かった。
先ほどと同じような巨大空間に辿り着いた時には温度も焦げた壁の明かりも元通りに戻っていた。
「・・・(これって・・・)」〔大会に出た者に似ていますね。・・・でも形がもっと人間寄りに見えますね〕
壁の端の方で不規則に立っている複数のゴーレム。
ジンとサポートは知らなかったが、申し子達のデモンストレーション時に使用した、スマートなフォルムに改良されたゴーレムがそこには並んでいたのだった。
ジロッと一斉にジンの方へと振り向く。その動作はなかなかのホラー感だった。
しかし、何かをしてくるわけでもなく、ただ観察してくるだけだった。
「(こえ~・・・)」〔何をしているのやら・・・〕
ジンが振り返ると、そこでは途中で弾かれたのか、転がって倒れているコンダートがいる。その手前で二足歩行へと戻ったパペットがゆっくりと近づき見下ろしていた。
完全に気を失っているのだろう。ピクリとも動かない。
武器は消滅。服もほとんど焼けて無くなっており、まるで倫理を守るように股間当たりの所だけが運良く残っていた。
〔どういう運?〕「・・・」
ごもっともな疑問だが、そこには敢えてツッコまない事にした。
そんな事を思っている時、パペットが振り返った。
「(解決っすか)」〔ターゲットを変更でしょうね。まあ元々、我々の用はそちらでしたので〕
気合いを入れ直す。ゆっくりと息を吐き、お互いが自然と空洞の真ん中へと移動する。
先ほどと似た様な空間。しかし今回は、先ほどパペットが放った光線を除けば、手付かずの洞窟だった。観客は改良型ゴーレムが複数体のみ。
1対1には丁度いい場所にだったのかもしれない。
「はぁ、はぁ・・・あいつ等速え」「はぁ・・・ちょっと。暗いんだから・・・ぁぁ。見えなくなるでしょ、合わせなさいよぉっ・・・!」
何とか高温だった足場を、魔法と自身の魔力で何とか通過して全力で走って来た2人。
彼女等が到着した瞬間戦いは始まった。
「・・・!」「!」
ドゴンッ・・・!!
棒と拳とは思えない音を上げて周囲に強風が吹いた。
ジンはともかく、パペットも今度は本気なのか最初からマナを解放しているようだった。
ドガバキドゴンドゴンバキバキバキ・・・ガンガン・・・!!ゴゴゴゴゴ・・・!!
「「・・・!!」」
必死に煽られる風に踏ん張り、戦況を観ようとするメリリカとグロッグ。
しかし・・・。
「(ちょっと・・・全く見えないんですけど・・・!!)」「(こんな生き物が、いんのかよ・・・!!)」」
あまりの強風に立つのは難しいと姿勢を低くして、観察する2人。
ようやく、見えた時。お互いがその場でほとんど動かず攻撃をぶつけ合う所だった。
「(刃が出ないって事はまだなのか?)」〔敵意はあっても殺意がないからかもしれません〕「(こっちの意思では反応なしか・・・)」〔力比べは今のところ五分です〕「(それは、どうかな)」
振り下ろしにカウンター。それを回避しての切り払い。宙に横回転の遠心力の殴り、更に回し蹴り。ダメージの蓄積が分かり辛く、人では行い辛い軌道もパペットなら問答無用でやって来ていた。
数打の連撃を棒と体で受けてしまい、数メートルほど下がるが、負けじと反撃に出る。
サポートによる水弾と風弾を受けバランスを崩した所にお腹のディスク目掛けて回転斬りを叩き込んだ。
バッギィィィィィィィ・・・・・ミシミシミシ・・・!!
「!」
何とか片腕でジンの攻撃を受けていたが、その肘から二の腕辺りに罅が入り始め、大きく後退。
上半身を丸めたと思ったら目と口を開いた。
〔来ます!〕「・・・んん゛っ!!」
瞬時に斬撃を放つ対抗した。
パ、ボッ・・・ゴガアアアアアアアアアアアアアアーーーーッッッ・・・・・・・・・!!!!!!
「キャー――――!」「ウアーー―――ッ!!」
しゃがんでいたメリリカ達は入口へと戻される勢いで飛んで行く。
転がっていたコンダート。観客だったゴーレム達は壁に叩きつけられるようにもみくちゃにされる。
サポートによる膜で覆っているのにも関わらず。ジンとパペットの周囲を除き、周りでは遺物や岩がゴロゴロと落ちて来た。周囲に走った亀裂に上から次々と破片が落ちて、穴を埋めようとしていた。
「・・・」
綺麗な窪みの中心では歪なパペットが機能を停止したように固まっていた。
「・・・ふぅ。(ちょっと失敗だった?)」〔3:7の比率以前にマナを乗せ過ぎましたね。オーバーキルしかけていました。直接でないと、この場所では崩落の恐れが出てきますね〕「(うわ・・・むず・・・!)」
強敵相手に加減を求められる。これほど難易度が跳ね上がる事はなかった。
「(膜を強化は?)」〔重ね掛けと上乗せはしています。しかしこのままですと・・・どちらが先に崩れるかの賭けになりますよ〕「・・・」
凄く嫌だった。いらない面倒を余計に背負い込む形にしか見えない。
ジンは即座に却下して、マナを循環させることに優先した。
「(活性はやっておくから、足場をお願い)」〔了解です。膜の方はこちらでやっておくので、飛び技には気を付けてください〕「(それは・・・あちら次第だな)」〔・・・のようですね〕
肩を落としたような声を吐くサポート。
それはガタガタと震え出し、巨大ディスクを高速で回転し始めたパペットを確認したからだった。
煙の代わりなのか青とオレンジのマナ粒子が関節部分や耳?辺りから空へと漏れて上がって行く。
回転音が上がって行き、ディスクがマナで輝いて始める。
そして超高音になった途端、ディスクから回転音がしなくなった。
それはパペットにとって体が安定した瞬間だった。
ずっとバランスの悪い姿勢だったそれが・・・人と同じように立てているのだ。加えて薄っすらと体を発光しており、先ほどまでとは明らかに一線を画していた。
「・・・!」〔あれが・・・そうなのですか〕
胸に隠していたアクセサリーが反応し輝き出した。
「・・・まさか、こんな所で見つかるなんて・・・」〔偶然・・・いえ、必然なのでしょうね〕「・・・」
お互いにとって避けられないらしく、ジンとパペットが改めて戦闘再開させようとした、その時だった。
「ケヒ・・・ィヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ・・・・」
ボゴンと瓦礫から飛び出したコンダートが笑いながら立ち上がった。
先ほどまで受けていた傷が無くなっており、両手には濁った深緑の鎌を持っていた。
「忘れてたな~。そう言えば・・・こんな時の為だっけぇ・・・?」
大きく口を開くと一気に吐き出した。転がったのはバラバラに壊れた何かの原石だった。
「僕って天才だな~♪・・・いや。こんなにボロ負けしてたのも必要なプロセスだったのかもしれない。君達は本当に僕をどこまで引き上げてくれるんだい~♪?」
最初に会った時に戻った様な口振りと仕草に、遠慮したくなるジン。
それに対し、パペットは振り向いてジロジロと大事な部分以外素っ裸のエルフを観察する。
「こう見えて、僕は健康的でね。しっかりと食事、睡眠、運動は取っているんだよ?」
見られても恥ずかしくないと、堂々とした歩き方で小山になった瓦礫を下りてくる。
「起きたのは今さっきだけど・・・せっかくだから僕も参加させてほしいな~。ねえ?ちゃんと3人で楽しもうよ♪」
聞きたくないワードが耳に入った。
〔ジン・・・〕「・・・わかったよ」
窘められ、仕方なく参戦する事になる。気づいたコンダートが上機嫌になって笑みを深めた。
「はぁー・・・。そうこなくっちゃ」
大股に足を拡げ、前後に武器を構えた。
パペットは確認完了とばかりに漏れていたマナを全身に巡らせた。
ジン達も気合いを入れ直し、腰を落とす。
「「「・・・・・・」」」
光りがほとんど射さない暗闇、しかし3人ともハッキリと相手の居場所、空間を把握しているようだった。
ガタン・・・。
小石が落ちた瞬間、一斉に動き出した。
ガタガタガタガボドゴバキドゴ・・・!!
巨大空洞に再び暴風と衝撃波が巻き起こった。
【ジン・フォーブライト(純、クリス)】8才 (真化体)
身体値 90
魔法値 107
潜在値 115
総合存在値 178
スキル(魔法):干渉、棒術 3、マナ零子 3、感応 1




