332 競技という名の力比べなのかもしれません
中等部フラッグ戦は前半から激しいぶつかり合いが行われていた。
ジャングルのいたる所で小爆発が起こる。それは自動ゴーレム相手ではなく、対人戦でも同じだった。
結果、観客の盛り上がりは初等部以上だった。
威力の高い攻撃がしっかりと対象に向けてだけ使われる。
と言っても、殺す為ではなく明確な妨害・・・攪乱や足止めなど、効力の強い攻撃だ。
「っ・・・やるわね。向こうも・・・」「爆発の最中にフラッグを取りつつ、味方へのフォロー・・・。練度が高いですね」「ああ。地形を上手く活かしてる。・・・やっぱ、こういう時は援護役がどの位置に配置させるかが重要になってくるな」「・・・初等部の子達の時の地形もしっかり頭に入れてるのね。・・・だからあそこにずっと陣取ってる」
一層盛り上がる観客達。彼等には中等部の学生達の動きを完全に捉えることは出来ていないのだろう。
だが、それでも生い茂る密林の中をお互いが入り乱れながらフラッグと妨害を行う戦いは楽しい娯楽に映っているのは間違いなかった。
「・・・そこ・・・!」「・・・くそ。ウチのチームよりあっちの方が動きが速ぇ」「んー・・・ちょっと複雑」「・・・ベルニカの動きが気になる」「オーラルも・・・何をしているの?」「たぶん・・・戦闘自体を極力避けてるんだと思う。だから迂回するルートで他の選手がいない所を狙っているんだろう」
ジン達にも、精一杯、状況に応じて臨機応変に対応する姿は手に汗握るモノがあった。
(がんばれー・・・!みんなー・・・!)〔・・・ジルベガンはやや不利、ですね〕「(タイミングが悪かったな。レツガイスに見つかった)」
ジン達は現在、非常に厄介な状態に立たされている1つの映像を見て頷く。
・・・・・・
「っく・・・(こんな所で巻き込まれるとは・・・)。こっちの行動が読まれている」「でも、ここで引き下がるのは・・・」「分かってる。戦闘隊は?」「向こうでファーランの足止めとベルニカに牽制・・・!」「(最悪のタイミングだな・・・)・・・っ!散開!」「「「っ」」」
ナルシャの言葉に援護部隊が散り散りに回避した瞬間。真っ直ぐに土煙が上げながら何かが彼女達がいた木々を破壊する所だった。
「っ!」「ぐっ」「そっちだ」「っ!」「・・・ちっ!」
先回りをして潜んでいた相手に気付いたナルシャは、伸縮剣を鞭のように巻き付かせ捕縛。電流を流して動けなくしつつ指示を出し、更に捕縛させた。
「さす・・・がっ!」「避けろ!」
捕縛した相手を木に叩きつけつつ、回避するナルシャ達。
襲い掛かって来たのはモナメスの代表チーム達だった。
「・・・(マズいな)」「(ボソ)・・・こいつ等・・・」「(ボソ)ああ・・・。狙いは・・・いや、私か・・・」
手を組んだような動きに、一瞬にしてナルシャは標的がチームではなく自分であることに気付いた。
「(ボソ)私が足止めをする。脱落する者が現れるかもしれんが情報を届けろ」「・・・(コクン)」
1人が頷き、それに続いて他の仲間達も了解と合図を送る。
「随分と警戒してくれてるようだね。フラッグはいいのかい?」「問題ない。足元のよりも・・・アンタの方が厄介なのでな」「索敵部隊にいながらもその実力は戦闘隊と遜色ない・・・。いや、寧ろ強いと聞いてはな・・・。後、1時間だ。ここで退場してくれないか?」「出来かねる提案だ」「・・・だろうね」「・・・っ!」「行け!」「逃がすな!」
全員が一斉に動き出した時だった。
「「「ぐあ~っ!!」」」「「「っ!!!!」」」
ボゴオオオオオンンン・・・・・・!!
何処かから、人が飛んでくるのと同時に突風と土魔法のような岩が飛んできた。
吹き飛んでいる者達の防護魔法のリングが砕ける音がいくつも聞こえる。
「・・・遅れて申し訳ない」
のっそりと現れたのは大盾を持った見知った顔の鎧男だった。
「いや、グットタイミングだ。行け!」
ナルシャは援護に駆け付けたドルゴを盾に仲間達に再度、退避する様に指示を出した。
「(ボソ)・・・お前だけか?」「(ボソ)ウチの大将の指示です。後5分ほどで増援部隊が来ます」「(ボソ)5分か・・・。結構長いな・・・」「(ボソ)これでも急いだんですよ?」「(ボソ)ああ、助かったよ。それに・・・向こうは・・・」「(ボソ)全滅してでも・・・ナルシャさんを退場させたいようですね」「(ボソ)過分な評価に泣きたいが・・・ここは光栄に思っておこう」
お互いの間合いと出方を窺うように、距離が詰められていく。
「・・・1人の女の子相手に・・・複数であたるとは・・・紳士としてどうなのです?」「悪いが戦場に出れば、そんな言いわけ誰も喰わないぞ?」「こっちの後があるのよ。早く退場してちょうだい」「さっきも言ったが出来ない相談だ」「じゃあ・・・」「死んで!」「「!」」
激しい戦闘が開始された。
・・・・・・
「おいおい大丈夫かよ」「・・・大丈夫。あの2人ならきっと・・・」「・・・退場組が増えてきている。・・・他のチームも人数調整をしなくてはならなくなってきたな」「小手調べ多かった序盤と違い中盤から後半は潰し合いだな」「フラッグ優先なのはもちろんだけど・・・先に退場させて、どこも安全を確保したいんじゃないかしら?」「ゴーレムは単調なのが多くて脅威になり辛いか・・・」「人の方が面倒なんだろうね」
ダメージを受けリングの色がじわじわと変わっていくナルシャとドルゴ。
だが、確実に1人ずつ退場させていっている。
「本当に大丈夫なんすかユティ先輩」「・・・かなり危ない状況」「・・・大丈夫。間に合った」「「「え?」」」
ジンが見ている別の映像に目を移すとそこには走っているジルベガンチームの姿が映っていた。
そして、ナルシャ達の映像とほぼ同じタイミングで魔法が飛んでいく光景が映し出される。
「よっしゃー・・・!!」「間に合ったー・・・!」(うおー・・・!いっけええええ・・・!!)
喜ぶ初等部とゼク。それと重なるように観客も盛り上がった。
「・・・良かった」「ギリギリでしたね」「首の皮1枚、か・・・。あーいうのだったらオレも出ればよかったな」「止めときなさい。ベラールじゃ、あの人達みたいにいかないないから」「うん(コクリ)。・・・分をわきまえる」「お前等・・・オレとガジェ兄は元々、狩猟が得意と知ってて言ってんるだろ?」「「(コクリ)」」「頷くんじゃねえよ!ちょっとは自重しろ!」「僕を巻き込まないでくれよ」「2人共、森での狩りが得意だったの?」「え?ああ、はい。父の命令で・・・」「へ~・・・」
気恥ずかしそうにするガジェット。ジンの事で多少は知っているユティだが個人までは詳しくは知らない。だからこそ素直に関心を寄せてしまったのだが、ガジェットはユティとまともに顔を合わせられなくなってしまった。
「練習の時に教えてもらったんです。どうやれば森での歩き方が楽になるか」「木の登り方や、見分け方、周囲の観察の仕方・・・。オレ達も山育ちだけど・・・やっぱ違うなって感じだったぜ」
代わりに加わるようにロロナとバッツが入った。
「へ~・・・私も、ちょっと聞きたいなぁ・・・」「その時は言ってくれれば時間を空けますので、僕かベラールにでも」「うん。分かったわ」「・・・」
努めて平静を装いながらも心の中でガッツポーズを決めているガジェットがだった。
「残り・・・43分・・・」「どこが優勝か分からなくなってきたね」「オーラルかファーランが強そうだけど・・・ベルニカが黙ってないか・・・」「・・・難しい」「ジン君はファーランが勝つと思う?」「・・・」〔可能性としては慣れた地形の多いファーランが有利に見えますが・・・。この脱落者の数を見ると・・・最後はスピード勝負ですね〕「(そうなるのかな・・・)最後はどれだけ取れたかになるから・・・身軽なチームが多い所が勝つかもしれない」「身軽・・・」
そう言ってパミルが様々な映像を見回した。
「・・・森はファーランが強いけど・・・。ベルニカがほとんど落ちてない」「・・・最後まで分からない」「「「・・・」」」
代表者同士の戦いも小規模になりつつあり、サポートの言った通りスピード勝負へと移行していくのだった。
・・・奮戦する中等部達。
様々な障害、妨害に遭いながらも集中力を切らさなかった・・・。
結果。
「今回の1位は・・・なんと予想外・・・・・・ジルベガンです!!」
ワーー――――――――――――ッッッ・・・!!!!!!
「うそー・・・!!」「やったー・・・!!」
本当に予想外の僅差によりジルベガンが勝利を収める結果となった。
これにはジンとサポート以外の全員が驚き、大いに喜んだ。
「(・・・正直、予想外だった)」〔ええ・・・。おそらくは、情報の統制とナルシャの索敵が大きかったのでしょうね。ドルゴの存在が目立って見えたのだと思います。彼女の立ち回りに気付いた者達は急いで排除にあたったのですが・・・〕「(こっちのリーダーも読んでいた。読み勝ちか・・・)」
疲れたのか大きく息を吐き、休憩を取っているナルシャ達の姿が映し出されていた。
映像に向かって同じ学園の生徒達が名前を叫んで、はしゃいでいた。
「僅差で勝利を収めたジルベガン。一時は首位争いから落とされたと思っておりましたが、まさかのどんでん返しでした・・・!僅差で2位はファーラン。3位はベルニカ、4位にオーラル。そして・・・作戦に気付いたが反応が遅れてしまったモナメスとレツガイスが5位6位の結果となりました」
へとへとになりながらゾロゾロと会場に向かって歩いて来る代表選手達。
仲間に肩を借りて歩く姿も珍しくない。それほど激しい戦いだった。
「これにてミルトニア大会1日目が終了となります。皆さま、もう一度温かい拍手で選手達を迎え入れてください」「よくやったー・・・!!」「すごかったぞー・・・!!」「楽しかった」「ナルシャ様ー・・・!!」
一部かなり個人的な声援が送られるが、大会は概ね大変好評だった様子。
そして、彼女はただ遠くにある観客席に向けて手を上げたつもりだったのだが・・・。
「「「キャー―――!!!!」」」
新たなファンを獲得したようだった。
・・・・・・
・・・
「はぁ~・・・ほんとに疲れたぁぁぁ・・・」「・・・お疲れ様」「・・・撫でるのはそっちなのね」「えへへへへ・・・」
現在、代表選手達用の施設。
その中のホテルの一室にナルシャ達は帰ってきていた。
一部屋一部屋がおそらくかなり広々とした空間の作りになっているのだろう。
ナルシャ達の部屋も30畳はありそうなほどに感じられた。
そして珍しく本当に疲れているのだろうナルシャは汗を流すと、迷うことなくジンに抱き着いた。
ぬいぐるみの様に抱きかかえられて座っているが・・・今回ばかりは労う気持ちで大人しくされるがままにしている。
〔いえ。だいたいいつも通りでは?〕
そんな事はない・・・と、言いたいが抵抗した記憶があまりない気もしてきた。
「・・・まあ、仕方ないか」「今日は大変だった・・・」
ナルシャの気持ちに同意するリエナとパミル。2人も激しい戦闘にいたわる気持ちの様子である。
「ホント・・・オレ、眠いよ」「じゃあ部屋に戻ろうか?」「ああ、そうさせてもらう。ふぁああああ~~~・・・」「それじゃあ皆。おやすみなさい」「お休みー・・・」
盛大な欠伸を再度しながらバッツとロロナが自分達の部屋へと戻っていく。
「お2人も明日に備えて早めに寝た方がよろしいのではありませんか?」「そうね。ドーマ君の言う通り、回復には時間が掛かるから早めに休んだ方がいいよ?」「明日もリエナ達は出るの?」「そうよ?明日はドロヘイね」「ドロ・・・」「あれ知らない?泥棒と兵士に役割を別けて遊ぶんだけど・・・」「あ、いや(ケイドロってやつかな・・・?)」〔おそらくそうでは〕
ジンの疑問に答えるようにユティが説明をしてあげる。
「大会2日目はまず午前に高等部によるフラッグ戦が行われるの。一部では本物の騎士達も参加するって話よ」「学生の大会なのに?」「高等部からは、将来を見据えた演習みたいなモノだからね。前に私達も行った学生達による遠征。・・・スタンピードを抑えるための」
覚えてない?と表情で確認してくる彼女にジン達はすぐに思い出した。
「ああ~・・・」「あれね・・・」「あった・・・」
繁殖期で増えたモンスターを抑えるための間引きとして高等部達が主体となって動いていた野外学習の事である。
「どうするかは彼等の自由だけど・・・。今回はそれをお互いの代表同士をぶつけあって行うってワケ。だから、学生達の技術を高め合う場というよりも・・・武力を見せる場に近くなるかな」「だからか、学生といえども気迫はほとんど本当の戦に見えなくもないという話だそうだ。まあ、競技である事に変わりはない。真剣だろうが・・・我々とは違ってお互いの手の内を晒すという事はしないだろうな」
野外での実習はまさに学生のそれというよりは生死を賭けた戦いにもなっていた。
実際、モンスターと戦うのだからそうなのだが・・・彼等の想像しているものはもっと重く現実的なモノをも想定していたのだろうと今なら分かる。
「魅せる演出はなさるでしょうが・・・もっと戦略的な色が強く出ると思いますね。地形の使い方も僕達とは比較にならんでしょう」「え、そうなの?」「ああ」「流石に殺傷行為は禁止だけど・・・。想定した戦いにはなると思う。だからフラッグなんてのはほとんどついで・・・。勝敗を分かりやすくする為よ。どれだけ相手チームを把握して崩すかに重点が置かれるはずよ」
ユティ達の話に色々と納得する所と疑問に思う所が出て来て、悩む少女2人。
「見たいような・・・でも、怖い・・・」「そうね。・・・そんな事にならなければいいけど・・・」「よく法国はそれをずっと許してたよね?もっと競技らしいものにすると思うけど」「ん(コクコク)」「安全な世界なんてのはない。それでも私達子孫は元気に生きています・・・。これを届けようって事なのかしらね」
苦笑するユティに、納得のいかない表情をするユティとパミル。
そんな素直な表情に幾分か疲れが取れて来たナルシャが笑う。
「はっはっはっ。素直でよろしい。・・・君達のその気持ちは大事に持っておきたまえ。2人は初めて、大会を介して少し成長したんだ」「ちょっと意味深な事を言って、怖がらせるようなこと言わないで」「元々、そういう話だったろう・・・」
ね?とジンの方へと顔を向けるナルシャ。
それに対して、曖昧に表情で返すしかなかった。
「はいはい、湿っぽい話は終わり。明日も大変なんだし、リエナちゃんもパミルちゃんも今日はもう寝なさい」「・・・そうね」「・・・お休み」
何だかんだで彼女達も疲れている。休む暇なく大会に参加していたからだった。
少し離れた所で控えていたベラールにガジェットと騎士達を引きつれ、自室へと去っていく2人だった。
「・・・あ、そう言えばドロヘイ?・・・は?」「あ」
見送っていたジンはふと思い出し、ユティが改めて説明。
「簡単に言えば各チーム内で半数に分けて泥棒・・・この場合は怪盗になるのかしら。と、兵士になって怪盗を捕まえるゲームよ。怪盗チームは制限時間内に、ある隠されたお宝を各代表は3つずつ探し出して指定された場所へ運べば勝ち。兵士は怪盗を捕まえるか守りきれれば勝ちなの」「守り切るといっても兵士も宝物が何なのかは知らない。そんな中、怪盗見つけ捕縛しなければならないというルールなんだ」「へー・・・」
なかなか精神的にすり減りそうな戦いになりそうだと思った。そして兵士側が少し不利にも。
「君の予想は正解。高等部の後に魔法で地形を変えて市街地を作り上げる。その中をゴーレムだけでなく代表達も紛れ込んで移動するの。誰が怪盗で、誰が兵士なのかは当日でないと分からない。開始前に印を渡されるからね。これは他国チームとの協力が重要になるの」「泥棒、兵士。どちらも情報と連携を上手く取れるかが勝敗を左右する。騙し合いや出し抜けもルール違反にはならないからな。どれだけお互いを信頼できるかも大切になってくる」「多少の魔法なら妨害行為もアリですしね」
ユティ、ナルシャの説明にドルゴが補足すると、何とも複雑そうな顔をユティがしていた。
「険悪なムードを作るのはこれを遊び要素以上に競技として、戦いに使おうとするからだと思うんだけどな~・・・」
スポーツマンシップというよりはもっと本格的。だから汚い場面が浮き彫りになってしまっているのだろう。彼女の表情がこれまでの大会の在り方を物語っているようだった。
「だが、悪い事ではない。殺し合いをするわけでもないからな」「んー・・・確かに、そうだけど・・・」
強くは否定も出来ないけど複雑な気持ちの様だ。
「信頼、連携、協力、見極め、伝達、把握など・・・。フラッグ戦とはまた違った障害があるため、役割分担だけではなく1人1人の冷静な判断力が必要になってくる。町での誤射はそのまま一般市民への被害に繋がる。市街での魔法の使い分けと立ち回りが肝になりますからね」「ほとんど警察対テロ・・・」「それが正解ね、ジン君。競技という名の本格的な演習よ。こういう時、どう対応するか。どうすれば迅速に問題が解決できるのか・・・」「見ている側としては、今日と同じで楽しんで見見られるが・・・出場する側にしてみれば・・・ジャングル以上に気を遣う・・・」
神経をすり減らしそうな戦いだろうなとジン達は思った。
ジンの場合はなんだかんだ言ってもサポートがいる。またゼクも偵察することだってできる。
その上、見えている者は限られておりアドバンテージは高めである。
それと引き換えに全部、視認でしか対応できない代表達の索敵というのはかなり大変だろうなと同情したい気持ちになる。
〔私の凄さを思い知りましたか?〕「(はいはい。前からずっと助かってるよ)」〔ではもっと褒めてください〕「(お前は十分に凄い)」
考えている事を読んで調子に乗られてしまいそうになるのを素早く流すジン(純)であった。
「他にも色々とルールがあるが・・・こんな所だな」「後は会場で説明をしてくれるでしょうね。・・・それじゃあ私達は・・・」「待ってください会長、ナルシャさんも。僕達は確かに明日はお休みですが──」「えー・・・」
何を言うのか分かったユティは駄々を捏ねるように抗議する。
その時、部屋の外から声が聞こえて来た。
「ふぅ~疲れたー・・・」「奢りよろしく~」「俺の金を貪り取る気か?」「その半分くらいに抑えてあげる」「勘弁してくれよ~」「あはは・・・♪」「引っ張ったのはお前だろ?」「え~?フォローしたんだけど~」「そうよそうよ。消費が凄くて後半ヤバかったんだから・・・」
「あっ!そう言えば・・・どさくさに紛れて私の胸を揉んだでしょ!」「「なにぃ!」」「ち、違うって!あの時は吹き飛んできたのを受け止めて」「あーっ。そういやアンタも私のパンツ見たでしょ」「短いスカートで来るなよ。普通に飛び降りてきたら見えるだろうが」「そこを見ないようにするのが──」「無茶言うなよ。大会中だったんだぞ?魔法が飛んでくるかもしれないのに、余所見なんて出来るかよ」「大体、罠に引っ掛かるから見られるんだよ。水色のパンツ、画面に映ってたんじゃねえのか?」「ちょっと私に振らないでよ。忘れようとしてたんだから」「ほらほら行くぞー・・・」
わいわいと楽しそうな声が遠ざかっていくのを耳にしながらユティはドルゴを見た。
「・・・ね?」「・・・そうだな。折角だし」「ナルシャさんまで・・・!」「さ~て、ドコに行く?」「・・・出来れば、少し落ち着いた所が良いな。どこに行っても騒がしそうだ」「おっけー♪」「はぁ・・・」「行こ?」「はいはい」
参加は当然と分かっており、ジンは大人しくユティ、ナルシャと手を繋ぐ形で施設の外へと食事に向かうのだった。
【ジン・フォーブライト(純、クリス)】8才 (真化体)
身体値 90
魔法値 107
潜在値 115
総合存在値 178
スキル(魔法):干渉、棒術 3、マナ零子 3、感応 1




