277 帰るまでが遠足と何気ない休日
「・・・」「あ・・・起きた?」「・・・」「ふふふ・・・」
揺られる馬車。ちょっとした段差に跳ね、そこでいつの間にか眠ってしまっていたジンは目を覚ました。そしてなぜか、膝枕されて頭を撫でられている。
未だに寝ぼけているジンにとても嬉しそうに頭を撫でているユティ。
「・・・」「あ・・・」
ゆっくりと起き上がるジン。本来ならもう少し慌てふためいたりするモノだろうが、少なからずジンもクエストでの疲労で起き上がりのテンションはこんなもんであった。
寂しそうな声に、ゆっくりと頭を整理させる為に周囲を見回して自分が今どこにいるのかを把握する。
「寝てたんだ・・・」「そう。珍しいね。ここまで熟睡してるなんて・・・」
ジン自身、そこまで浅い眠りではない。
そもそも現在の肉体はまだまだ小学校の低学年くらい。睡眠時間は多くなるのが普通である。
「・・・君にしては油断しすぎだな。まさかユティにあそこまでされて全く起きないとは・・・」「私はもっとあのままでも・・・」
少し名残惜しいのか、手で太ももを軽く叩いて求めてくるが、ジンは首を振って断った。少し・・・いや、ハッキリと残念そうにするユティ。
改めてジンはこの馬車に乗っている乗客達を見回せば、その中には友達のバッツとロロナも2人して肩を並べて眠ってしまっている様子だった。
起きているのは同行している護衛の冒険者とナルシャ・・・そしてユティだけのようだった。
「(やけに静かなわけだ・・・)」〔盗賊もそうそう現れるわけでもありませんし・・・。モンスターも数時間前に倒したきり、街道には出て来ませんでしたからね〕「んん゛っ・・・ぅ゛っ~~~・・・・・・ああぁ!」
凝った体を解す様に長い伸びをする。
「・・・バッツとロロナも随分と早い成長をしていたからな。これは仕方ないだろう」「うん。かなり急ぎ足だったからね」
2人の少し落ちかけていた布を再び掛け直してあげるユティ。ナルシャはそんな光景を眺めつつ、外の様子にも気を付けていた。例え冒険者達に索敵能力が優秀な者がいたとしても、もう1人警戒するモノがいたって困らない。寧ろそれで危機を回避できるなら、そっちの方が安心だ。
だからこそ、ナルシャはユティがジンにしていた膝枕を見逃して、周囲の警戒にあたっていた。
「どう?」「平和そのものだね。私も眠りたいところだ・・・。よし、ジン君。すまないが交代してくれ」「え?あ、はい」
そう答えてナルシャがいる後方の縁近くへと移動する。
「・・・」「あ、ちょっと・・・!」
ユティは、近くに寄ってジンが座ったのと同時に彼に軽く寄り添うようにして布を掛け仮眠を取り始める親友に物申したくなった。
「うるさいぞユティ・・・。私も眠らせてくれ」「・・・む~・・・」「「ははは・・・」」
口を尖らせて悔しそうな声を上げるユティ。そんな平和そうな光景に護衛をしていた冒険者がつい笑ってしまったのだった。
・・・・・・
「ただいま~・・・!!」「・・・帰ってきた」
睡眠を十分に取った事で元気いっぱいのバッツは馬車を降りるなり、太陽を全身に浴びながら伸びをする。それに対しロロナはまだ少し疲労が残っているという感じだった。
「さて、ここでクエスト終了・・・っというわけにはいかないからね~?」「一応、ギルドを通して連絡が届くとは思うが。サインとハンコを貰った依頼書を学園ギルドに持っていくまでが仕事だぞ?」「おおっと、忘れる所だった」「あと少し・・・」「俺1人で行こうか?」「いや」「いい」
バッツとロロナはジンの提案を首を振ってきっぱりと断り、同行する意志を見せる。
「では行こうか」
ナルシャの呼びかけで、全員は一度、ホローグメッツ学園へと向かって足を運ぶのだった。
・・・・・・
「はい、確かに。これでクエストは完了となります。お疲れ様でした」「ありがとうございました」
元々今回のクエストを受けていたジンが代表して、受付嬢に依頼書の完了と報告を済ませにいく。そして全てが終わると少し離れた所にいるバッツ達の所まで戻っていった。
「うっし。これで俺達の実技テストは終わったな」「お疲れ様~」「ありがとう・・・ございます」「ふ・・・。お前達も今日は休め。これで少し遠出したとはいえ早い依頼達成だ。2,3週間は休みが取れるんじゃないか?」「えっ、そんなに・・・!」「元々、実技テストといっても簡単なクエストを1つだと呆気なさすぎる場合があるからね。受付の方からあと数回はやって欲しいという様な話が振られるはずよ?・・・ジン君どうだった?」
知らなかったジンは腕を組んで受付嬢との会話を思い出す。
「いや、そんな話は特に」「という事は君達はもう合格だと判断されたんだろう。とにかく今日は休め。また何か受けたくなったら、明日か明後日にでも受ければいいだろう」「分かりました。そんじゃあ俺達はこれで。ほらロロナ・・・」「・・・うん」
フラフラとしている為か、バッツの手を自然と掴んで、自分達の下宿先へと帰る2人。
「あらあら・・・」「これは、どっちなんだろうな」「?」
微笑ましそうに見ているユティとナルシャの反応にジンは判断しかねて疑問を浮かべるのだった。
〔ジンは、思考が停止してますから・・・〕「?」〔いえ、何でもありません〕
サポートの言葉にますますどう判断をしていいのか分からなくなるジンだった。
・・・・・・
学園長室・・・。
「ご苦労様」「ホントに疲れました・・・」「ははは、君達でもかい」「予期せぬ事件に巻き込まれましたので。流石に私もユティも、思った以上に魔力を消耗してしまいました」「・・・の様だね」
ゆっくりと頷きつつ、ホローグメッツ学園の学園長・・・メルギスは2人の内包している魔力量を見る。そこには見送った時に持っていた魔力の半分以下にまで落ちていたのが窺えた。
「君達も、回復するには数日は必要そうだね」「もっと早く回復すると思っていたのですが、向かった先の鉱山が厄介でした」「思った以上に阻害されて吸われてしまいましたね。いい勉強になりましたよ」「ほう・・・」
ナルシャの言葉に同意する様に``ねー``というユティ。
その反応に少々驚いてしまうメルギスだった。どうやら自分が視ている彼女達の体内マナは本来の力よりも随分と下だという事を理解させられたからだった。
「(前線を離れて長かったからか。目算を謝るとは・・・。私も人の事は言えんなミゲイラ・・・)」
今も時折、合ったりして連絡を交わしている友人に少しだけ思いを馳せるメルギス。
「それで・・・報告なんですが・・・」
ユティの切り出して、少しだけ離れていた意識をすぐさま戻すと、学園長の顔として対応するのだった。
「君達が出会ったという男女だが・・・。私も詳しくは知らない。だが心当たりはある」「それってもしかして受験の・・・」「そうだ。その者らに印があったのかは知らんが・・・。ただの盗賊ではないだろう」「はい・・・。多少傲りはありましたが、それに見合う実力があったのは確かです」「私もナッちゃんと同じ印象ですね。それに・・・危険な感じでした。ただの殺人者という線はないかと・・・」「どこかのテロリストの一派と考えるのが妥当か・・・。本当に面倒な時代になったもんだ。昔から居なかったわけではないがもう少し、あの頃はハッキリとしていたからな」
その言葉にナルシャは出されていた紅茶をテーブルに置いて質問した。
「ここまで姑息ではなかったと?」「まあ、それもあるね。勢力が縮小、分散した事なども挙げられるだろうが・・・。問題はその行動に突発性と周到性があるという事か。全く関係ないようでいて、どこかで繋がっている節がチラチラと見える所がまたいやらしい・・・」
苦悩する様に、学園長専用机に用意された紅茶のカップの中を見るメルギス。そこには自分や部屋の一部が反射と振動で微かにブレながら映っている。
その容器・・・さらにその奥の何かを覗き込もうとするがそれが分からず途中で切り離し、視線をユティ達に戻す。
「今回の事件は何らかのキッカケ。あるいは目的が合って向かったのだろうね。君達が苦戦したという事は相当な実力者という事だろう?」「はい。換装してでしたので・・・」「短期決戦にしないと倒れていたのは私達である可能性も出てきましたから。そうするとバッツとロロナが危ない」「随分と危険な賭けに出たもんだ。それもその鉱山の中で・・・」
歓心と同時かそれ以上に生徒達が無事だったことに安堵するメルギス。表情には出さないが、かなり心配していたようだった。
「偶々です。そう何度もあっては私も身が持ちません」「そうだな。私も遠慮願いたい」
苦笑するユティに同じく苦笑で同意するナルシャ。
「・・・とにかく。その件は私の方でもギルドだけでなく国や各学園に通達しておこう」「よろしくお願いします」「これで学園クエストに向かう者達もパーティーを組まざるを得ないわけか・・・」「果たしてそれがいい方向に転がってくれるか・・・。学園長としては協調してくれると嬉しいんだけどね」
分かってて冗談を言うメルギス。身も蓋もない言葉に、思わず軽く笑って流すユティとナルシャだった。
・・・・・・
無事、下宿先``モンダール``に帰ってきたジンは、店主のグルモタン達に報告を済ませると今日はゆっくりと過ごす事にした。
そして夜。
少々広めの一室を学生部屋に充てられたジンは、現在その自分の部屋で椅子に凭れる様に座ってステータスボードを確認していた。
「・・・この調整はオカシイだろ・・・」〔緊急・・・あるいはあの戦闘も含めた妥当な数値と判断されたのでは?〕「にしたってオール50に総合100って・・・」〔まあ、実際、学園で調べた様な鑑定表で表れる数値はおそらく多少の上方修正されているのです。気にしたって仕方ないでしょう。それよりも・・・〕「スキルね・・・」
相棒が何を促したいのか理解したジンはゆっくりとステータスのさらに下に表示された文字を見る。
「干渉・・・。漢字の意味からすると・・・」〔はい。たぶんジンが思っている通りかと私も思います。おそらく魔法系の粒子化が原因でしょうね。アレによってジンの魔力の操作とその権限の様なモノが向上したのでしょう〕「・・・という事は無理やり妨害とか?」〔それは難しいのでは?使ってみた感想は・・・?〕「・・・なんか俺のイメージに沿ってくれた感じ」〔だとしたら、そちら方面で強化されたのでしょう。その派生で多少の妨害、阻害が可能になったのかもしれません〕「ああー・・・」
納得いくジン。あの時、自分の欲しい場所に欲しいマナが勝手に集まって魔法として生成できた印象があったからだ。
つまり、外部からの干渉を受け流しつつ自分の魔法を好きな場所に多少生成する事が簡単になったと考える方がしっくりと来ていたのだ。
あくまでこちらからの妨害は副次的なモノで、あまり期待するなという事だろうとサポートは考えているようだった。
〔それと・・・マナ零子、ですか。しかも棒術と同じく数値が追加されていますね〕「精緻よりも細かくできるようになったとか?う~ん・・・それにしちゃあ感覚的にはあまり違いがない様な気がするけど」〔おそらく独自の体内マナの生成でしょうね。原初の魔法の様に、上書きする事でこの世界の常識や理から少し離れ、自分専用なマナを構築できるようになったのでしょう〕「という事はあの時の様に阻害は・・・」〔うーん、まだ多少は受けてしまうでしょうが。かなりその妨害に縛られることは無くなった、と考えるのが妥当でしょう〕「ああ、いや。それでも十分だ。もうあんなギリギリ過ぎるのはちょっと怖すぎて・・・」〔それは私も同感です〕
流石に肉体が時間を掛けて治ると言っても、バラバラになって魂までが維持できなくなれば元も子もない。そういう意味ではジンとサポートの考えは一緒のようだった。
〔しかし、こうなるとまた修行ですね〕「ええ~・・・」
その言葉好きだなというよりも先に不満が声に出てしまった。
〔扱えていなくては結局、使えないのと同じです〕「・・・」
二の句を継がせない、ピシャリと言い放つサポートの言葉。ジンは首を落とし、どんどんと奪われていくマナの感覚を感じ取りながら受け入れるしかなかった。
・・・・・・
「だ」「はい」「だ~あ」「は~い」「だーっ・・・!」「はいっ」「だあ~♪」「はい~」「うふふふ。ゴメンねジン君」
早いもので学園生活をして1ヶ月以上。もうそろそろ2ヶ月目に入ろうとしていた。季節は地球の日本に近いのかそろそろ雨季の季節らしい。
今日、ジンは何の予定も無い休日だった。バッツ達やユティも来ないというのんびりとした珍しい日を過ごしていたのだ。という事で少しだけお手伝いとしてアフネシアさんが仕事中の間、息子のタージュ君の相手をしていた。
彼がこうして欲しい。あーして欲しい。あのオモチャを取って欲しい。こう動いて欲しいという要望にサポートを介して理解し、全力で取り組んでいた。
その甲斐あってかタージュ君の機嫌はとてもいい。
「ほ~ら、お母さんも仕事が終わったし。タージュもお休みしましょうね」「や~っ・・・!」「あらあら元気だこと」
母親の手の中でジタバタしようとするタージュ。まだまだ眠気が襲ってくる事もないのか元気いっぱいだった。
「あなたも動いたしもうそろそろ飲んで寝ましょうね~・・・♪」「うぅぅやぁ~~あっ・・・!」「ははは、本当に今日は元気だな」
カウンターの奥、ベビーベッドがある奥の部屋へと連れて行くアフネシアと入れ替わるように出てきたグルモタン。
「すまないねジン君。あの子の相手をしてくれて」「いえ、コッチも色々と勉強になります」「・・・将来、子供の面倒を見る仕事でも?」「あ、いえ。そうではないのですが・・・。やっぱり、お世話になっているし、これくらいのお手伝いは・・・」「・・・。ありがとう、助かるよ」
気さくに笑って答えてくれるグルモタン。その表情には嘘はないと分かる。その善意に少しだけ心が痛いジン。
「(マナの練習相手と言うのは流石にな~・・・)」〔しかし、乳児だと単純で読みやすいのというのが分かりましたね〕「(言い方)」〔おっと、これは失礼しました〕
流石の失言に反省するサポート。
そんな会話を扉越しに聞いていたのかくぐもった声が向こうから聞こえてきた。
そして開け放たれた扉から入ってくる人物にどう答えてよいか悩むジン。いや、既に近づいてきた気配と声で分かってはいたのだが・・・。
「ふふん・・・なるほど。子供の相手か・・・しかしジン君にはちょっと早すぎるわね。そういうのはもっと大人になってからで、そう私を相手に──「失礼します」──ってちょっと私が話している最中・・・!」
問答無用でその横を素通りして入ってくる人物に思わず苦笑を浮かべるジンとグルモタン。
「いらっしゃい。ナルシャちゃん、ユティちゃん」「グルモタンさん。今日のお昼はここで注文しても?」「構わないよ?・・・そうか、そろそろお昼だね。ジン君も昼食にしよう」「あ、はい」「ちょっとナッちゃん。私を華麗にスルーしないで」「お前も食べるだろ?」「いただくわ」
そう言うといつものカウンターの席へと座るユティ。もちろんジンは問答無用で隣に座らされる。そのジンの横にナルシャも座った。
ここが、最近の食事時の定位置となっていたのだ。
「・・・ジン君。明日学園だけどちゃんと起きられる?私が起こしに行ってあげようか?」「流石に休み明けとはいえ、問題ないだろう。それよりもジン君。いよいよ初等部は本格的な魔力の知識と練習の機会となる。気分はどうだ・・・?♪」「・・・確か大会を選出するためでもあるって話でしたよね?」「そうよ~・・・♪」「・・・」
ナルシャの代わりに肯定したユティは、カウンターに肘を付きながらジンの頬をつついていた。
「もう~・・・。どうして会いに来てくれないの?私と会うの・・・イヤ?」「いえ、そういうわけじゃなくて学園に行ってはいましたけど2,3時間ほどで帰ってきてましたから・・・。休みという事で食堂も開いてないだろうって思いまして?」「おや、知らなかったのか?食堂は夏休みなどで、学生が長期休暇をする間でも数日しか閉まらないぞ?」「え、そうなんですか?」
この休日に、学園にある図書館に通っていたジン。簡単に歴史と世界に関しての資料などをザッと目を通す程度だが、それだけでもかなりの量になったので何度も通って調べていたのだった。
それもこれも、今後の目的になるであろう首から下げた小さなコンパスの形をしたアクセサリーの為であった。
「ええそうよ。教師も学園にいるという事で食材の量は限られて品は減っちゃうけど、基本的に開いているのよ。食堂が長くしまっちゃうのは入学などの春を迎える2,3週間だけなのよ」「ギリギリの生活を送っている学生もいるからな。そうしないと、生活の一部を食堂にあてている者達にとっては困るだろう。生きていくのに必死で学業も生活もおろそかにされては本末転倒だ」「確かに・・・」
図書館には通いつつも、そこ以外にはあまり学園内に用が無かったので真っ直ぐ帰る事が多くて知らなかった。
「(クエストがあって、生徒の数は多かったけど・・・。あくまで休憩所や会議用に食堂を使っているモノだとばかり思っていた)」〔高校のイメージがありましたね。土日は休みと勝手に勘違いしていました〕
サポートもどうやらジン(純)と同じだったようだ。マナで周囲を探る事は出来るが特に興味を引かれなかったのかスルーしていたらしい。
「んー・・・。それじゃあジン君は何度も学園に行ってたの?」「はい、ちょっと調べたいことがあったので」「ほお~・・・。どんな?」
ユティだけでなくナルシャも興味が湧いた様子。
「この世界の6つのマナ・・・。それに関わっているというアイテムか何かあったりするのかな~って思って」「そんなモノに興味を?」「へ~・・・なんか少し意外だね」「そうですか?」
ユティは少し不思議そうに、ナルシャは意外そうにジンを見る。
「ジン君も男の子だからもっと冒険だ~・・・っとか言って、クエストとか受けたりするのかと思ってた」「私も同じだな。君は魔法にも興味を示していたが・・・。学者にはそれほど関心がないって言っていたしな」「・・・興味がないワケではないんですが・・・。何というか、魔法を探求して凄い革新をっていう感じではないんですよ。(そもそもここには、転生みたいな状況で来ているだけだし・・・)」
本当の事を言えないジンは腕を組んで悩んでいる素振りを見せる。
全くの嘘ではないが、真実でもない。
親切にしてくれる皆に本当の事を言えば余計に迷惑を掛けるだけだろうと思い避けているだけ。だがそれが、少しだけ心に痛いジンだった。
〔仕方ないでしょう。それに肉体はともかく魂が高校生というのを知った彼女達がどんな反応をするか・・・〕「(・・・)」
眉を寄せて苦悶の表情になるジン。
「ははは。そう急ぐ必要もない」「そうね。あなたはあなたのやりたい道をゆっくりと見つけて行きなさい」
勘違いした2人がジンを優しく励ます。
「(違う・・・けど。・・・このまま、いっそ本当の事を・・・)」〔氷漬けにされる可能性がありますね〕「(っ・・・!やっぱ、このままで)」〔(どう転ぶかは彼女達の判断ですが。どちらにしてもジン(純)にとっては厄介な事なのは変わりません)〕
サポートの思惑とは少し違う所もあるが概ね、ジンが即座に下した判断は賢明だと同意しておく。
〔そうしておきましょう。私達の目的に、あまり関わらせるのもご迷惑でしょうから〕「(そ、そうだな)」「?どうしたの?」
チラッと視線を向けるとそれにすぐに気付いたユティが声を掛けるが適当に誤魔化して流した。
「はい、お待たせ・・・」「ユティちゃんとナルシャちゃんも」「ありがとうございます・・・!」「いただきます・・・!」
奥の厨房から料理を運んできたグルモタンとアフネシア。
今日のお昼はオムライスのようだ。
ふんわりと柔らかく仕上がった卵に包み込まれたご飯。卵はケチャップを付けつつも贅沢に1つオムライスに2個も使って少しだけ半熟感を残す。これによってとろりとした柔らかさと卵の僅かに違う触感が楽しめるグルモタンのこだわりの1つで合った。
量は学生という事もあって少しだけ多めにしてある様だ。しかしその料理が出てきた瞬間。2人の女の子の目がキラキラと輝いていた。
〔あれは・・・余裕で平らげますね〕
それがサポートの感想だった。
その言葉通り、ユティとナルシャはあっさりとオムライスを完食。後で追加で出されたケーキには、2人で1ホール分ほど平気で平らげたのだった。
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