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転と閃のアイデンティティー  作者: あさくら 正篤
203/473

200 リンクする世界

 ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・。


 一定のリズムで規則正しく脈動する血管の様な赤い蔦。夜を照らす赤い満月に、謎の光による下からライトアップされた城。


「・・・はっ!」〔そのまま進んでください〕


 純は目的の最上階を目指して、城の中を走り回っていた。


「グアアッ!」「ギィニィャァアアッ!!」


 ボシュー、ボシュ―・・・・・・。


 純によって倒されたモンスターが勢いよく煙を吹き出し霧散していく。


「(どの辺りっ?)」〔ココを上ればおそらく中間に入るかと〕


 次々と現れるモンスターを倒しながら、サポートに現在地を確認。そして振り返りながら飛んできたモンスターを斬り払っていく。またしても短い断末魔を上げて消滅していくモンスター。


「(モンスターの数が一気に増えた気がするっ)」〔この世界に在ったあの特殊エリアのエネルギーを集め終えたのでしょう。・・・来ます〕「・・・次から次へ・・・」


 純が身構えた先では鎖に繋がれた巨大鉄球を持った、これまた体の大きなモンスターがぶんぶんと振り回して投擲してくる所だった。


「っ!」


 純は一刀両断に切り裂く。鉄球は純の横をすり抜けて遠く後方にいたモンスター達に激突した。巻き込まれたモンスターが悲鳴を上げて消えていく。


「・・・(ボソ)ちょっと強めのモンスターも出て来たか」〔これは、いよいよ本格的な決着が近いという事ですね〕


 純は双剣にマナを流し込み纏わせる。


「サッサと倒して・・・。上に・・・行くっ」


 純は巨大モンスター目掛けて走って行った。




 純が攻略の為に最上階を目指している一方。変化した影の世界同様。地球側でも変化が訪れた。


「・・・何だ?アレ」「ちょっと・・・。見た事ないモンスターが来てんじゃないわよ」


 10メートルに届きそうな巨大な肉体を持った戦士がワームホールから突然現れた。



「ふふふ。これは・・・我々に対しての当てつけか?」「・・・」


 別の国で戦っていた所では騎士の姿をした5メートルほどのモンスターが現れた。



「あの・・・いや確かにモンスターですけど・・・」「別の世界のモンスターなんじゃないの?アレ?」


 鋭い爪を生やした8メートルはあろう大男がゆっくりとゲートから出現した。


 世界中で似た様なモンスターがほぼ同時に暗い空間の中から現れて来たのだ。


 そして・・・ここ、日本でも・・・。


「ハァ・・・ハァ・・・ったく・・・。しつこいったらないわね。一体何体現れれば気が済むのよ」「文句を言うな。俺も疲れているんだ。気が滅入る」「しかし・・・これで結構減ったんじゃない?茉莉ちゃん」


 愚痴を零す翼を持っていた剣を支えに立って注意する芳守。そんな2人をまだ問題ないと判断した楓花は周囲を確認しながら茉莉に確認を取った。しかし、サポートに徹していた茉莉もかなり消耗している為に反応が少しだけ鈍くなる。


「・・・ええ。だと思います。・・・ふぅ~・・・。煙を上げて消滅していく為、流石に私も正確な数までは把握できませんが・・・おそらく2000体近くは倒せたものかと・・・」


 幾分か戦闘状態はバラバラになり、一ヶ所に集中して戦っている場所は少なくなってきた。


「ハァ・・・っ。しかし・・・コッチも結構やられてしまいましたね」


 芳守は剣に掛けていた体重を反動で起き上がらせて周囲を見回す。拡大していた戦場も縮小していたが、それは同時に戦闘継続できている者達が限られていたことをも意味していた。


「流石にこれ以上は・・・コッチが瓦解するのも時間の問題ね」「はい・・・」


 楓花はモンスターに吹き飛ばされ、仲間にカバーに入られながら、後方で控えていた別の仲間に運ばれていく者の光景を見ていた。茉莉も追うようにその光景を見ている。


「はぁ~・・・スー・・・よしっ。休憩終わりっ」


 クッと立ち上がった翼は再びやる気を取り戻し戦闘に参加しようとフリーのモンスターを探す。


「はっはっはっは・・・元気だね~翼は」「ちょっと面倒で疲れてただけよ。これくらいならまだまだ問題ないわ」「はぁ・・・。何か力を手に入れてからますますやる気になって・・・。俺は付いて行くのでやっとだよ」


 芳守も剣を持ち直して戦闘を続行する意志を見せる。


「・・・ふふふ、元気ですね。古野宮さんも・・・斎藤君も」「俺はそこまでじゃないと思うけどね」「そうかな~」


 隣に近づいてきた茉莉に普段通りの口調で返す芳守。


「はいはい、イチャつくのは仕事の後でお願いね?それだったらあたしは歓迎するから」「べ、別にそういうワケじゃないですよ」「は、はい・・・」「(ふふふ。そういう反応する所が初々しいわね~)」「・・・フン」


 芳守と茉莉の2人の距離感にニンマリと目と口元を歪めて楽しむ楓花だった。翼はそれほど気にしていないのか無視する方向だった。


 ドガアアアアンンン・・・・・・!!


「「「!」」」


 全員が近くで起きた爆発音に反応し確かめる。モクモクと土煙を上げた方角に目を凝らすと体に大きく白い目の様なアザが浮かび上がった異形のモンスターの中に。そのアザの範囲が広がったモンスターが何体もいた。


「てぇぇぇえええやあああああっ!」


 ボガアアアアアアン・・・。


 そこへ來未がハンマーを両手で持って叩き込む瞬間だった。


「・・・ふ。これは私も負けてられないわね」


 ニヤっと笑った翼は魔力を解放。自分の意志でマナを多少なりとも感知して操り、再び戦闘態勢に入ろうとしていた。


「私達も行きましょうか?ここはだいぶ片付いたようだし」「了解」「分かりました」


 先行して飛び出していった翼の後を追う楓花達だった。



「チッ。思った以上に頑丈だな」


 彰隆は特殊警棒を持った手首を少し痛めたのか手を振っていた。


「彰隆さん」「助かる鏡花ちゃん。佳胡、來未のフォロー」「やってます」


 來未が大振りで振るハンマーの隙を縫うように迫る異形モンスターを足止めする佳胡。佳胡の持つ特殊銃で撃たれたモンスターの動きがほんの少しだけ鈍くなる。しかし、來未達にとってはそれで十分だった。その一瞬の隙に、反転した來未によってモンスターは弾き飛ばされていく。


「だいぶ少なくなりましたが・・・このままでは」


 彰隆の腕を巫術を乗せた札を手に当てて回復を促す鏡花。その状態のまま周囲を見回す。


「本来なら既に撤退のレベルですね」「負傷者が5割強・・・。よく持ったもんだ」「死者がまだ出てない事が奇跡ですね」「それこそ、美華ちゃんの上の神様が何とかしてくれてるんじゃない?」「・・・社長はまた適当な事を言って・・・」「ははははは」「はい、一応これでもう大丈夫です。どうですか?」「・・・うん、ありがとう」


 再び警棒を持ち直して前を向くと來未と後退する様に向かって行く彰隆。代わりに來未がゆっくりと後ろに下がっていく。


「はう~・・・ちょっと、疲れちゃいました~」「ふふ、お疲れ様です」「一体、どれだけ集まれば気が済むんですか~?も~」「愚痴を言っても仕方ないじゃない來未。真っ先に中心に向かって行ったのはあなたでしょう?」「そりゃあ~、そうですけど~。いくら何でもこれ以上のおかわりは結構です~」「・・・そんな事を言うから。追加が来たんじゃないかしら?」「ええ~っ!!」


 佳胡の言う通り、彰隆達がいるワームホールの傍では、今まで同様に急速に黒い渦が回転し、再び地球に何かを呼び出そうとする動作が行われていた。


「・・・今度は3体か・・・。見た事ない奴らばかりだな」


 大きさは大体が同じく5、6メートルのモンスターだった。しかし爪の鋭い上半身裸の大男。骸骨の顔をした戦士、そして頭の天辺から羽の様なモノを垂らし、足先までしっかりと覆われた鎧を着た騎士の3体のモンスターが出現したのだった。


「・・・彰隆さん気を付けてください」「・・・鏡花ちゃん?」


 3体を見た瞬間、鏡花は澪奈との特訓で身に付けた霊力だけではなくマナという情報体まで展開して警戒する。鏡花の先ほどまでとは明らかに違う顔つきに彰隆達も警戒を強めた。


「確かに~。鏡花ちゃんの言う通りですね~」「・・・分かるのか?」「発する魔力が桁違いです~」「マジかよ・・・」


 彰隆はまだ、マナを多少なりとも感じ取れるようになった翼達と違って異様な見た目と存在感と圧迫感しか判らなった。そのため鏡花達の様に相手の発するマナとエネルギーを感じ取ることが出来なかった。


「(チッ。実力の違いか?・・・いや、鏡花ちゃんも感じ取れている所を見ると翼達が新たに手に入れた力に関係があるのか・・・)・・・(ボソ)どっちにしたって実力不足か・・・。ま、嘆いていても状況は変わらない」


 半歩だけ片足を下げた彰隆が後ろにいる佳胡と鏡花に目配せする。2人は黙って頷いた。


「・・・俺が行く。來未、すぐに追撃してくれ」「分かりましたけど~。無理しないようにね~」「はっ、それこそ無理だろ」「ですね~」


 冗談めかして笑った後、すぐに真顔に変わる。


「・・・行くぞっ」


 彰隆は走り出した。すぐ後を來未が追う。


「っ・・・てぇえやああっ!」「はああっ!」


 彰隆は大男を、來未は戦士に殴り掛かった・・・が。


「ぐっ!(はやっ)」「ぐううううう・・・やああっ!」


 大男に殴り込むはずがすぐに場所を入れ替わった様に戦士が間に割って入って大剣で攻撃をはじき返してきた。來未の方も戦士と入れ替わり騎士が剣でハンマーをはじき返そうとする。しかし來未はそれを力で無理やり押し込んで、ハンマーを振り切った。後方へと大きく滑っていく騎士。2本の線が20、30と距離を作り上げていくが、騎士は踏み止まった。


「グゥウアアッ!」「ソコです」「させません」「グアアッ!」


 大男が來未を狙おうとするが佳胡が銃を撃ち、動きを鈍らせ。鏡花が札を飛ばしながら、破魔の矢で光の弓を形成する。遠くからの攻撃を受けた大男が2人に視線を変えた所へ。


「もういっちょ!」「ッ!!」


 來未の横殴りに反応してガードに徹する大男。直撃は避けたが騎士の近くまで後退させられてしまう。


「っ!」「!」


 よそ見をしていたつもりはないが彰隆に反撃を加えるつもりだった戦士に鏡花の光の矢が飛んでくる。それには先ほどの彰隆の攻撃以上に強い警戒を強め、大きく後退してしまう戦士。地面に刺さった矢を中心にうっすらと白い波紋が周囲に広がる。


「ぐぅぅ」「ギャアアッ」


 側にいた異形モンスターが鏡花の放った矢の光に触れてしまい苦しみ出した。近くに居るものほどその影響を強く受けた。


「よし・・・。來未」「分かってます~」


 ガン、ドゴン、ゴガン・・・。ドゴオオオオンンン・・・!!


「「「アアアアッ・・・!!」」」


 断末魔を上げて黒い煙へと変えていくモンスター達。しかし、鏡花による力の波紋の半径は10メートルそこそこ。その影響を受けていないものがすかさず彰隆達に襲い掛かってくる。


「とっ」「よっと~」


 再び距離を離し鏡花達の傍に戻ってくる2人。


「・・・ジリ貧だな」「んー。数は明らかに減らしてるのにそんな気がしませんよ~」「こちらの損耗も激しく、向こうが引かないからでしょう。いえ・・・、引く気はないのでしょうね」「どちらかが全滅するまでですか?」「はい。だと思います」「うぇ~。ほっんと、そういうのはいらないんですよ~!」「・・・お前。もしかして、いつもは似た様な理由で絡んでくるナンパ共を」「あんな下心丸見えの害虫と一緒にしないでください~。・・・あ、ココにも害虫が」「おわ、あぶなっ。誰が害虫だ!」


 ワラワラと懲りずに向かってくる様子から彰隆はいつも木下達から来る苦情で呼び出された時の事を思い出した。そこを突いた途端、來未からわざとハンマーが振り下ろされる。


「・・・」「・・・あははは」


 呆れる佳胡と何とも言えず苦笑だけで流す鏡花。と、そこへ・・・。


「いらないなら私が貰うわよっ!」


 ドガアアアアアン・・・。


「「「グギャアアア・・・!!」」」


 大きな爆発音と土煙を上げて、巻き込まれた異形モンスター達が煙となって消えていく。


「お?そっちはもういいのか?」「まあね~。あの子達が頑張ってくれた、おかげ」


 走って来た楓花に彰隆が戦闘中だというのに気楽に話しかけた。楓花もすんなり後ろに親指で翼達を指す。顔は余裕だが、その雰囲気は真剣に変わる。


「で・・・?あいつ等何なの?」「ゲートから出て来た」「そんな事はわかってるわよ。明らかにあの3体だけ異常じゃない」


 異形モンスター以外にも影のモンスター達が出現し続けているがそんなのには目もくれていなかった。彰隆達にとっては通常の影のモンスター達くらいならそれほど苦戦をしないからだ。他の同業者にとってはちょっと様子が違う。それだけ彰隆達の事務所メンバーが戦闘集団としても連携としても他の者達よりも一枚も二枚も上手だからであった。もちろんそれに付き合う過程で成長し続けている澪奈達も例外ではない。


「まあ、あんな分かり易いボス、みたいな図体してるのはあれだけだしね~」「・・・で?実力は?」「・・・3体同時じゃ勝てない」「つまり、1体ずつなら・・・」「まあ。・・・勝機はあるんじゃない?」


 彰隆達が話している間、大男、戦士、騎士の3体は一切動こうとはしていなかった。近くに居るモンスター達が彰隆達に立ち向かってくるだけで自分達はまるで様子見をしているようだった。


「・・・舐められてる?」「・・・そうしてくれると。俺としてはありがたい。それだけ倒す連携や作戦が取り易くなる」「そうも言ってられませんよ?」「何?」


 佳胡が指差す先で、3体の特殊モンスターに集う異形のモンスター集団がいた。その体には白い目から派生していくように体に白い線が伸びていた。マーブル模様だが全体的に黒い色に統一されている為に白いアザはとても映えた。


「・・・何だアレ?」「・・・従えているのでしょうね」


 彰隆達の目には特殊モンスター3体を中心に影のモンスター。アザが広がった異形モンスター達が同じ異形モンスターに襲い掛かっている状況だった。


「ええ~っ?仲間割れですか~っ?「いえ、違うでしょうね」「はい・・・。原因はあのアザかと」「だろうな~」


 驚く來未に佳胡はすぐさま否定し鏡花の話に頷く彰隆。これまでの戦闘では全く見せなかった様子から考えられるのはそれしかないからであった。


「ふ~ん・・・。ちょっとは厄介そうじゃない」「・・・それ、喜ぶところ?」


 彰隆は翼の表情を見てそうツッコまずにはいられなかった。


「ったく~。何やってるの」「こっちに来て見たら・・・。まあえらいモンにぶつかりましたな~?彰隆さん」「俺としては御遠慮願いたいんだがね」


 翼が相手の力を警戒して拳から剣へと武器をチェンジしたタイミングで澪奈と花蘭達も集まって来た。


「ん?そういえば花蘭。この前、一緒にいた子達はどうしたの?」「あら?そういえば言うてませんでしたね。あの子達はココとは違う場所で仕事中なんです。まあ、ウチのトコはそちらと違って人数はそれなりにいますさかいに」「・・・耳に痛い話だね~」「少数精鋭」「・・・ただの負け惜しみでは?社長」「・・・(プイ)」


 花蘭の言葉に楓花が彰隆を見るが、彰隆は佳胡の言葉で子供の様にそっぽを向いた。


「はぁ・・・どっちが子供ですか・・・」


 戦闘前に翼と來未を子供だと言っていたその彰隆の態度に、戦闘中でありながら呆れてしまう佳胡。


「よそ見しないっ。来るわよ!」「「「!」」」


 翼の一言で、急速に全員が目の前の戦闘に意識を集中した。


「・・・っ」「っ、はあっ?!」「やあっ!」


 戦士が剣を地面を削る様に振り回すと、土の中から大量の骨が飛んでくる。驚いてしまう翼の前に巫術を乗せた札を飛ばした。展開された結界を張って投擲されてきた骨から翼を守る澪奈。


 ボボ、ボ、ボボボボ、ボボボボボボボボボボボボボボボ・・・・・・。


 澪奈の特殊な力が乗った結界に触れた骨は接触すると一瞬で青と翠色の火を浮かび上がらせ消えていく。だからといって視界が遮られることは無く。ぶつかった瞬間からその都度かき消されて行った。


「そっちもよそ見はしないで」「分かってるわよ」


 似た物同士なのか、澪奈と翼はお互いを意識して張り合っていた。しかしどちらも裏の世界に生きている者達。しっかりと役割は認識して動いていた。翼が澪奈の前に立ち、向かってくる異形モンスターから撃退していく。


「っ・・・それって!」「ふふん♪・・・あんただけいい気になられては困るのよね~♪」「・・・私のアドバイスじゃ参考になんないって言ったのは何処の誰よ」「ああ~、ほん~と参考にならなくて困ったわ~?もっと詳しく人に教えられる語彙力があれば・・・。彰隆達にも力を身に付けられるチャンスがあったのに・・・♪」「・・・し、仕方ないじゃない。あの時はたまたま出来ちゃっただけだもん」「は~あ。これだから脳筋は・・・」「だ、誰が脳筋」「はいはい、そこまで」


 茉莉が2人の間に割って入って止めた。


「翼。今は寿さんと言い合いしている場合じゃないだろ?目の前の敵だ」


 芳守も翼の横に立って注意する。


「ご、ごめんなさい」「・・・。そうだったわね」


 流石に茉莉と芳守の2人に注意されれば澪奈も翼も大人しく従うのだった。


「さて・・・どうしたもんか・・・」


 彰隆達は澪奈達の傍へと近づいていく。


「こういう場合はまた、3手くらいに別れたいものなんだが・・・」「あの3体を各個撃破は一緒に倒すよりは楽だろうけど・・・。取り巻きが(シモベ異形モンスター)・・・」「・・・。木下さん達も後方で戦っていますし。重傷者達もあちらに避難しています。前線で戦えているのは・・・半数・・・ですか」「・・・ここで考えていても仕方ない。翼、來未」「何?」「はい」「お前達が1体を相手にしろ」「いいのっ?!」「ドキドキワクワクです~」「楓花と花蘭ちゃんに佳胡で1体」「あいよ」「仕方あらへんな~」「分かりました」「俺と茉莉ちゃんと芳守君で1体だ」「わ、分かりました」「了解です」「澪奈ちゃんと鏡花ちゃんには大変だけどもあいつ等が従えているモンスター共の一掃を頼む。出来る限り俺達も隙を突いて倒していくが・・・あいつ等に専念したい」「分かりました」「はい、こちらもです」「よし・・・。では、最終決戦と願って・・・行くぞっ」


 彰隆の合図でそれぞれが割り振られた役割に向かって走り出した。







【十時影 純 (クリス)】15才 人間・・・かな~?(進化)

 レベル 38

 HP 724 MP 813

 STR 356

 VIT 301

 INT 393

 RES 334

 DEX 451

 AGI 428

 LUK 73

『マナ(情報体):レベル 9 』『波鋼:レベル 8 』『質量拡充:レベル 5 』

『魔法:水、風 』

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