第1章 始まりのイト
物語も文章を書くのも今思えば初めてばかりでこんなに大変なんだと改めて知りました。
執筆者の方々、なろうに投稿してる方々に改めてこんな楽しい作品、面白い作品を書いていただき、楽しく読ませていただきありがとうございます。
ホント、内心サッサと書いて投稿してよって思ってすいません。
何でこんなことするんだろう?
痛い、痛い、痛い。
鈍く重い痛み、音、衝撃が体と脳に響く。
「ッ!!・・・グッ!!・・・ガッ!!」
普段は使われることの少ない校舎の階段前、そこで俺は不良グループにサンドバッグにされ殴られたり、蹴られたりしている。
それが学校での日常だった。
彼らにとっては遊び、鬱憤などを晴らす都合の良いタダのオモチャ。
それが日常。俺にとっての生き地獄。
「っはあ~ああ。こうやってゴミを有効活用してる俺らって偉いんじゃね?すごいんじゃね?」
「まあな。俺たちだってちゃんとそのあたりは分別できてるってもんよ」
「そんなゴミどうでもいいから早くココ出て遊びに行こうぜ?」
「それもそっか・・・。コレもあんまり動かなくなったし、どっか行くか?」
不良グループが遠ざかっていく足音が聞こえる。
少し経ってゆっくりと俺は壁に手を添え、寄り掛かるようにして体を預けながら立ち上がろうとする。
「ッ!!…痛ぇ。(立つのがキツイ)」
とりあえず不良グループは居なくなったので帰ろうと足に力を入れ動く。
その時、遠くから誰かが走ってくる音が聞こえてきた。
「お~らよっ!!っと」
そんな声が聞こえるのと楽しそうな声と同時に背中に強い衝撃が受け、勢いよく前へ押し出され・・・気付けば、下り階段を飛んでいた。
足場は無く、顔面から落ちていく様を、スローモーションの様に・・・俺は見ていた。
(命の危険がすぐ近くに迫ると見える景色は・・・スローモーションになるって聞いたことあるけど)
床の面積がどんどん近づいて来る・・・見える視界を拡がっていく・・・。
(・・・・・・・・・あ)
ドダッ・・・・・・。
「お、おい。これ、やべぇんじゃねぇか?」
「し、知るかよ!さ、さっさと行くぞ!」
「ちょっ、待ってくれよ~」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
ーーーーーーーーーーーー
っつ~~・・・!
痛い。
体中が痛い。
(?・・・あれ?
・・・死んだと思ったのに・・・痛みってあるのか?)
「・・・」
うっすらと目を開けた。
目の前には舗装もされてない砂利道があり、そこにうつ伏せなって倒れていた。
(?・・・えっ!なに!!
俺は学校に居たはずじゃあ・・・!!)
うっすらとした意識の中、目に飛び込んできた光景が入ってきた時・・・頭の中が真っ白になり、何も整理が出来なかった・・・。
理解が追い付かなかった・・・。
崩れて所々が壊れ横向きに倒れた馬車。
近くには体が上半身しかない男性。
その近くには下半身しかない・・・おそらく子供の足・・・。
折り重なるように倒れた老人と女の子の死体。
少し離れた所で・・・鎧を着た死体、死体死体死体。
・・・死体だらけだった。
(・・・え・・・!)
顔を上げ・・・ゆっくりと右に頭を振り向けば、最低でも二十人分はあるだろう死体。
(えっ?は?なにこれ・・・!?作り物・・・・・・っ!!)
違う。
そんな筈はないと頭では判っていても・・・心がそれを否定したかった。
しかし。
様々な臭いと悪臭に混じり合っているが・・・。
その中に・・・嗅いだことのある、そして・・・自分が(嫌だが)普段から味わっていた、あの鉄臭い血の匂いが・・・何故か空間の中から嗅ぎ分けられてしまった時。
これが本物だと気付かされる。
作り物なんかじゃないと・・・。
(なんだよこれ!!)
パニックになりながら、なんとか状況を理解しようと必死になる。
(わからないけど、早くここから何とか逃げなきゃいけない気が・・・)
必死に辺りを探し・・・視線は馬車側へ・・・。
馬車や人の死体だらけの奥・・・5メートルぐらい先には高い崖があり、その崖上から人の喧騒や怒声、爆発する音が聞こえてくる。
(いったい、どこっ・・・?!
ここにいたら危ない気がする・・・)
本能なのか、直感なのかわからないが、ここは危険だ!と訴えてくる。
それに従い動こうとしたが・・・。
「ん!ふぅ・・・っつ!!、?・・・!!」
強く痛みが走った箇所に目を向けた。
そこには右腕が肩口から無かった、もう一か所、痛みが強い場所に目を移せば、左足の付け根部分から先も無かった。
「ぐっ!!(何だよこれ!?)」
それに気づいたとき、尚更、痛みが強くなったような錯覚に溺れる。
「(は、早く何とかしないと・・・!)」
服にはたくさん血がついていた。
「このままじゃ、出血で死んじゃう・・・!」
なりふり構ってなんかいられなかった。
とにかく血を止めることだけに必死になって這いづりながら馬車に向かった。
元々、10人以上は余裕で収容できそうな大きな馬車だったんだろう。
その中は崖下に転倒し倒れて崩れてしまったが、様々な衣類や四角い箱が詰められていた。
食料なども入っていた。
(とにかく、止血して、早く血を止めないと・・・!)
衣類から目につく縛りやすい布を見つけ、止めようとした。
そこで、初めて片手でどう縛ればいいのかに気付き、傷口近くを手で押さえようとしたとき、血が出ていないことに気付いた。
「え!どういう?だって、こんなに傷が!」
傷口をしっかり見たわけではない。
というか見たくない。
でも、確かにそこには、ついさっきまであったという現実感があった。
(でも血は出てない・・・どういうことだ?)
わからない・・・わからないが、とりあえず出血死にはならないと分かって安堵する。
そして・・・ほんの少しだけ余裕が持てた為、ちょっとだけ横向きに倒れたテントのようになっている馬車の中を探る事にした。
中には様々な物が・・・おそらく崖から落ちたのだろう衝撃で散乱していた。
「飲み物はないか?」
追い剥ぎみたいで申し訳ないが・・・のどが渇いていた。
「ん~・・・。(一応これがそうか?)」
中にある四角い箱の一つに、等間隔で藁を敷き衝撃に備えて保管された、シリンダー、フラスコ、ビーカーの様なガラス細工の容器に、色とりどりの液体の入った物を見つけた。
近くにも似たようなものが入っていたのだろう。
中から液体が、ガラスと共に地面にバラバラなってにぶちまけられていた。
(・・・他に飲める物もないし、・・・コレでいこう)
適当に選んだ箱の中から・・・それらしい物を一本取り出した。
馬車の中では少し薄暗いので正確には判別しづらいが、薄い水色の液体の入ったシリンダーを取り出し、片手で苦戦しながらコルク栓を引き抜く。
・・・さすがに、そのまますぐには飲む勇気は無く、近くの布に垂らし・・・特に問題なさそうと判断してから、更に匂いを嗅ぎ、大丈夫かを調べた。
布から煙とかは出なかった。
匂いは、少しフルーツみたいな甘い薫りがした。
(ん・・・・・・大丈夫なはずだ!)
所詮ただの学生。
あまり安全性への確保、対処なんて出来るわけが無かった。
(・・・いまさらだ。ここは覚悟を決めて!)
一気に飲み干した。
「・・・っ!!うまい!」
スポーツ飲料水の様な非常に飲みやすいものだった。
それがわかると、同じ色のシリンダーから順に、箱の中で壊れずに残っていた容器から手当たり次第に飲み干していった。
血が足りないのか、とにかく喉が渇いていたため、飲めそうなものが無くなれば、近くの別の箱に・・・。
また無くなれば別の箱にと、どんどんと漁っていく。
最初は薄い水色、それから、青、黄緑、緑、黄、赤、オレンジ、紫、白と順にあるものから飲んでいった。
さすがに黒いものや、何やら濁っていたものは避けてしまった。
他の物以上に怪しく感じたからだ。
1本当たりの入っている量が30㏄~50㏄ぐらいしかないので、次々と容器が空になっていく。
「ふう~」
ようやく満足いくまで飲んだ時には、大量の空瓶が散らばっていた。
「フルーツからスポーツ飲料系まで、いろんな味があった。ごちそうさまでした」
勝手に飲んでおいてなんだが、一応この商品の持ち主に礼を言っておく。
「・・・まぁ、わかっているんだけど・・・」
チラッと視線を外へと向ける。
おそらく、その関係者があの中にいるのではと予測は出来ていた。
「(いや・・・もっと、言えば・・・この状況自体・・・)」
馬車の外の前には死体。
耳がとがった人。獣の耳やしっぽ、肌や顔つき、体が小さい成人(?)明らかに人間とは違う容姿の動物、爬虫類、鳥類などなど幼い子から老人までいた。
そして自分自身の声や・・・手と足とかも・・・気づいてはいた。
しかし、それどころじゃなくて自覚している余裕が無かった。
だけど・・・今なら分かる・・・。
(俺は別の人物になっている)
・・・一応、この手の作品は見た事があった。
だからといってすぐには受け止められるわけじゃないけど・・・。
「・・・俺は・・・異世界に来たんだな・・・」
(これからどうしよう?)
それが目下の問題だった。
何をしたらいいか何もわからない。
いきなり放り出されたら、わからなくなるのは当たり前である。
今まで学生として過ごし、決められた日常や用意された生活ばかりを送ってきたのだから仕方がなかった。
いきなりゼロからスタートするとなると、どうしたって戸惑うものである。
(ん~~・・・・・・。とにかく何かわかるものや手掛かりはないか!?)
冷静になったつもりでいたが、思った以上に焦っていた。
「何かないか?」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・!
「ス、ステータス!(アニメでも見たことがあるし出来るのではっ・・・!?
見れるんじゃないのか?!)」
期待を込める。
「(そうだよ、ここは異世界なんだ。
昔、ゲームをやっていた時のことも含めれば、これで何かわかるかも・・・!)」
何故か少し前向きになっていた。
普段の自分ならそんな事は思ったりしなかったはずなのに・・・。
この時は、とても行動的に動いていた。
・・・すると。
ジ、ジジ、ズズッ!
ザ、ザーーーーーー
「・・・なんだこれ?」
【ク●☆=8ん&Q
×✖ス~&1Rk’
… _¥+ード
)#リ・・イ*;ル@
>‣ネm5レ|!*:
‘;+。<Ωqn”】
目の前に、なのか・・・。
感覚的には脳内にひどいノイズの走った画面が見える。
しかしそれは、文字化けばかりで、よくわからなかった。
「・・・・・は?」
理解できずにフリーズしている中、馬車の外、遠くの方からこっちへ走ってくる足音が聞こえてくる。
「!」
その音に気付き、とっさに息を潜めて、より馬車の奥へと這いずって隠れるように移動した。
その時、近くに落ちてあった・・・自分にとっては飲み物と化してしまったシリンダー。
液体が数本入った革製のホルダーを見つけたので掴んで、馬車の裏側まで隠れた。
隠れた馬車の裏からコッソリと覗き込むと・・・。
足音の正体は複数の馬だった。
何人もの鎧を着た騎士?兵士?みたいな人がいる。
「おい、――での事は―――にしろ」
「ハッ!」
「他に―――は居ないんだな」
「よし、とにかく―――すぐに―――しろ!
いいか、―――すな」
「わかりました」
(ここからじゃよく聞こえない)
30代前後くらいの男性が部下だろう騎士に指示を出し、上司の騎士と他の兵士たちは少し後ろへと距離を置いた。
そして、その場所からこちらを見ている。
命令された・・・布で体全体を隠した騎士は、こちらに向かって何やらブツブツと口を動かしている・・・。
すると彼の前、50センチ辺りで大きな火の塊が出来上がり、それが馬車に向かって飛んできた。
(ヤバッ!)
嫌な予感がしてさらに馬車から離れようとしていた時には・・・。
バアアァァァン!!
大きな火の塊が馬車を巻き込み爆発した。
その火は馬車のみならず周りにあった、たくさんの死体までも巻き込んだ。
火は馬車、死体の残骸を焼き尽くさんと燃やしていく。
「よし!ここでの目的は終わった。撤収するぞ!」
「まだ残っている死体などは、どうされますか?」
「放置で構わないだろう。
後は勝手にモンスター共が死体を残さず食べてくれるだろう・・・。
それに・・・誰かが見つけたとしても、盗賊に襲われ、死体はモンスターに食われてしまったと、勝手に納得するだろう」
「・・・確かに」
「私たちの任務は終えた。これより帰還する」
「「「ハッ!」」」
騎士たちは振り返ることなく馬を走らせ去って行った。
「・・・――ぃってて・・・」
何とか馬車から間一髪、裏側に出た所から更に、外へ飛び出た瞬間に爆発したため、難を逃れた。
「・・・・・・もう居ないよ・・・な?」
恐る恐る倒れた状態から顔を上げ様子を窺う。
崖の壁を杖代わりに寄りかかって立ってみると・・・ずいぶん遠く、走り去って小さくなっていく騎士達の姿を確認した。
「よし。・・・ふう~助かった~」
ひとまず大きな危険からは逃れ安堵した。
(しかし・・・これからどうしたもんか・・・。
さっき騎士の人たちはモンスターがどうとか言ってたからここにいるのはマズいよな当然・・・)
そう考えた時には、辺りを探して行動に出ていた。
「(騎士達の去った一本道の方向・・・馬車の横を通り過ぎた位置と・・・影の傾きから・・・たぶん、南の方向・・・かなあ・・・?
とりあえず・・・俺は・・・)」
危険を避けるため逆に進もうと思い立ち、周りに手ごろな大きさの掴みやすい木の棒を探した。
それを杖代わりに歩き出す。
(とにかく、どこか人の街に行こう。
幸い飲み物はある。
なんとか人を見つけて、助けてもらおう)
バランスを崩しそうになるが何とか歩いてあてどない砂利道を歩いていく。
俺は・・・どこにあるかもわからない、当てのない旅が始めた。
色々と拙い文章表現ですが、長く温かい目で見ていただけると幸いです。
アドバイスも頂けると嬉しいです。
今後も気ままに書いていくつもりなので長い目で見てください。
途中で細々、修正、変更していくつもりです。
ただし、基本は先に物語の方を作っていくことを気持ち優先していきたいと思っております。
その辺りもご了承していただけると、誠に勝手ではありますが有難く思っております。