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幻想異変録  作者: 凍曇
8章 孤城落日
97/151

97:気づかぬ繋がり

『……』


(生き……てる?)


 一条はバッと起き上がる。

 だが、今の一条は一条ではない。


(主導権がまた私に変わってる……。つまり一条の精神が表に出れない状況にいるって事ね)


『貴方なんなの……?』


 横からの声に一条は驚く。

 敵地のど真ん中で突然知らない声が近くから聞こえてきたのだ。

 それは驚くのも無理はないだろう。


『……貴女こそ何かしら?』

『かしら?えっと、私は貴方と同じ反乱者の1人って言えば伝わる?』


 一条は少し考えるように手を顎に添える。


(反乱者は共感した情報から読み取るにこの城に侵入した者全員を指す記号……。一条が気にしてた残りの1人って事かしら)


『理解したわ。それで私に何か用かしら?』

『ねえ、貴方さっきからなんで女言葉なの?』


 その質問には一条も面を食らった。

 そう、今の自分の体が男という事に今更ながら気づいたのだ。


『あー、なんて言えばいいのかしら……。私はこの子の体を借りているというか……』

『つまり貴方はその体の持ち主ではないと?』

『そんな感じよ。物分かりが良くて助かるわ』


 一条はホッとする。

 めんどくさい説明が省けて良かったと内心思っていた。


『それで貴方の事について聞きたいんだけど……』

『何かしら?』

『率直に言うわ。貴方……吸血鬼なの?』

『……は?いや、普通の人間のはずだけど』


 一条の言葉に女性は目を細める。

 よく見るとこの女性、中々見慣れない服装をしている。

 フードを被っており、フードの中にはロングコートがチラリと見える。

 ショートパンツでも着ているのか素足が丸見えだ。

 髪は透き通るような白銀の髪だ。


(どこかで見覚えがある顔と姿ね……。頭に靄がかかったみたいに変に朦朧として思い出せないわ……)


『その傷』

『え?』

『その傷はどうやって治したの?』


 女性が指を指した先には一条の胸の傷跡があった。

 鎧武者により刺された傷が治っており、傷跡となっている。


(……言われみればどうやって傷が治ったの?この傷跡の場所からして心臓を刺されてるはず、けど治ってる上に生きてる……)


『……私にも分からないわ。気づいたらこうなってたとしか……』

『……貴方名前は?』

『一条よ。それが私の名前』

『一条……。やっぱり知らない名前だわ』


 一条は目の前の女性にも名前を聞く。


『そういう貴女の名前は?名乗ったんだから別にいいでしょ?』

『そうね。一条の言う通りだわ』


 いきなり呼び捨てなのね、と思ったが口には出さない一条。

 別に自分が困るわけではないので言葉に出さず心にしまっておく。

 そして女性は自らの名前を語る。


『サクヤ・スカーレット、これが私の名前よ』

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