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幻想異変録  作者: 凍曇
8章 孤城落日
92/151

92:理不尽極まりなし

『逆さまだ……』

『凄いでしょ?これが輝針城よ』


 一条達は輝針城に到着していた。

 目の前には城というだけあってとてもデカくしかも宙に浮いてる。

 それに加えて逆さまというギミック付きだ。

 見ている一条はただただその城に圧巻される。


『今まで見てきた建物でここが一番印象に残りそうですね……』

『僕、無駄話はここまでよ。無粋な輩がゾロゾロと来たわよ』

『や、人前で僕呼ばわりするの辞めてもらえます?下僕よりはマシですけどなんか変な目で見られそうなんですが……』

『?興奮するからいいじゃない』

『あー、さっきの言葉取り消します。やっぱなんでもないです』


 そうこう言ってるうちに敵兵と思われる鎧武者がゾロゾロと一条達を囲む。


『鎧武者……。いや、中身がいない……?』

『……?なによ、こいつらの事分かるの?』

『説明するのめんどくさいので端折って言うと俺は特異体質で便利な目があるんです』

『なるほど、便利な目があるって事だけ分かれば十分よ』


 天子はいつのまにか手に剣を持っていた。

 その剣の刃は形を持たずオーラのようなものが吹き出しておりそのオーラが剣のように見える。


『それじゃあ大きな狼煙をあげましょう!』


 天子はその場から飛び跳ねると空中に浮いている岩に着陸する。

 その剣を両手で持ちクルクルと高速で回し始める。

 すると周りから何かがその剣に向かって集まり始めた。


『一条!ヤバイと思ったら逃げなさいよ!』

『……えぇ?』


 瞬間、極太のレーザービームが射出された。

 一条をも巻き込む形で。


『そういうことかぁぁぁぁ!!!!』


 直後、また地面を揺るがす大爆発が起きた。






『今度は近いな』

『なぁー、いつになったらこの森から抜けれるか私も分からなくなってきたんだが』

『一条はどうしてっかなぁ。あっちはもう着いたのかねぇ……』

『あっちよりもこっちの心配しようぜー。さっきからずーっと同じ景色でさー。早く姫の所に行きたいんだよ』

『仕方ねぇな……。正邪つったけか?お前空は飛べるよな?』

『?そりゃもちろん飛べるが……』


 その言葉を聞いて魅魔は凶悪な笑みを浮かべる。


『飛べ、邪魔になるから』

『……?』


 いまいち何を考えているか分からないが取り敢えず言われた通りに飛ぶ正邪。


『おい、お前何する気……』

『吹っ飛べやぁ!!!』


 周りの木々に向かって竜巻を起こした。

 竜巻はヒュゴォォォォと唸りをあげ周りの木々を倒しどんどん吹き飛ばしていく。


『のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???』


 正邪は思わず魅魔の腰に手を回して吹き飛ばされないよう腕に力を込める。


『んー、愉快愉快♡』

『いってる場合か!!!』






『し、死ぬかと思った……』

『自分で言うのもなんだけどよく生きてたわね……』

『それ天子さんが言います!?』

『や、ごめんって。めんどくさかったしノリでついやっちゃったのよ』

『毎回ノリで俺死にそうになるのか……』

『まーまー過ぎた事言っててもしょうがないわよー』

『……ま、そうですね。じゃあさっさと……ん?』


 一条が森の方は視線を向けたまま固まっている。

 天子もつられて一条と同じ方向に視線を向ける。


『……台風だ』

『台風ね……』

『しかもこっちに来てません??』

『あ、死ぬわこれ』

『またか……』


 理不尽な台風が一条達を襲う———!!

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