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幻想異変録  作者: 凍曇
8章 孤城落日
90/151

90:空から降ってくるは天人様

『それで何か言い残すことはあるかしら?』

『はい!俺はまったくの被害者だと思います!』

『それが貴方の遺言ね』

『人の話を聞いて!!!』







 時間が遡る事十分前。

 魅魔達と別れて森をズンズンと進んで行く一条。


『ふと思ったけどバナナっておやつかどうか判定が厳しいよなぁ……。アレ絶対家庭しだいでしょ』


 一条はそんな事を考えながら歩いていると声が聞こえてきた。

 遠くから唸り声のような雄叫びのようなとにかく声が聞こえてきたのだ。


『まるでタンスに小指をぶつけた時にでる声みたいだな……』


 分かる人には分かる事を言いながら一条は足を止めて臨戦態勢に入る。

 どこからでも対応できるよう"目"も発動させている。


『……上から!?』


 声が上から段々と近づいてくる事に気付き一条は上を見る。

 木々に囲まれ空はあまり見えない。

 しかし声はそんな事を関係なく近づいてくる。


『だだだだれれかぁぁぁぁ止めてぇぇぇぇ』

『上から人が落ちてくるか普通!?』


 一条は慌てて上から降ってくる人をキャッチする姿勢に入る。

 普通そんな事をしてしまったら腕にかなりの負担がかかり危険なのだがあまりの出来事に一条の頭からはすっぽ抜けてた。

 木の枝をバキバキと降りながら人が降ってきた。

 一条はその降ってきた人を受け止めた。


『ぬぐぅ……!』


 腕の筋肉が、骨が悲鳴をあげる。

 一度にかなりの重量を受け止めたので体に負荷がかかったがなんとか受け止められた。

 どうやら木の枝を突き破って落ちてきたのが良かったらしい。

 何度も引っかかり落ちていくうちに多少の減速はされていたようだ。


『あ、危なかった……』


 落ちてきた人は水色の透き通るような髪に黒い帽子を着けている少女だった。

 帽子にはなんと桃が何個か付いている。

 服装は白を基調としたワンピースに近い服装にカラフルな装飾がスカート辺りに散りばめられている。


『たたた、助かった……』


 その少女はお姫様抱っこみたいな形で受け止められていた。

 だがここで1つ問題が起きたのだ。

 一条の左手は頭、右手はお尻の部分を触ってしまっているという事だ。

 普通の状態であれば片手はお尻ではなく膝の裏側にいくのだが今回は運が悪く上から降ってきたというのもありこの形になってしまったのだ。


『どこ触ってんのよ!!』

『理不尽な暴力!』


 少女から回し蹴りを受けてしまい吹っ飛ぶ一条。

 そして現在に繋がる。


『人の話を聞いて?問答無用よ』

『この子人の話を聞く気サラサラ0!』

『さぁ覚悟を決めて一思いにやってあげるわ』

『待って待って!お願いだから待って!受け止めてあげたのでそれでチャラって事にしません??』

『そんなもの尻のひと触りでバランスが崩壊したわ』

『お尻のパワーバランスでかいですね!?』

『私だもの』


 目の前の少女は手を自分の胸に当ててドヤ顔で言ってきた。


『理不尽極まりなし』

『世の中そういうものよ甘くみてたわね』

『残念ながらこれから城に向かわないといけないのでここで貴女と構ってる暇は……ないのです!』


 一条はダッシュで少女から逃げようとするが普通に捕まった。

 無駄に身体能力の高い少女だ。


『そこまでして生きたいなら手がないことはないわよ』

『……と言いますと?』

『貴方は私の忠実な僕となるのよ』

『僕……。分かりました、それで許してください』

『思ったよりも受け入れてくれて私ビックリだわ。もしかしてM?』

『断じてないですね』

『あらそ、残念』


 本当に残念そうに言ってくる少女。


『そういえば貴方の名前は?』

『一条です』

『一条ね。じゃあ次に私の名前をよーく覚えておきなさい。大切な主人の名前なんだから』

『……はぁ』

『私の名前は「比那名居天子」よ!』

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