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幻想異変録  作者: 凍曇
1章 謎の異変
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9:パーン襲来 後編

『これはこれは……』


 足を撃たれたパーンは撃たれた箇所をまじまじと見ながら疑問を口にする。


『あなたが使用しているその奇怪な武器はなんですか? 見た事がない…』

『あなたを倒すための武器よ』

『……なるほど』


 ゆっくりとパーンは立ち上がる。


『足は少々痛むがあまり支障はないだろう』


 そう言った瞬間パーンは菫子の視界から消えた。


(消えた!? まさか妹紅ちゃんの所に向かったんじゃ……!)


 菫子は焦り妹紅が向かった方向へ振り向く。

 それがパーンの狙いだった。

 菫子が隙を見せた瞬間パーンは人間離れした動きで菫子の死角から拳を突き出した。


(殺せる……!)


 恐ろしい速度で突き出された拳。

 この拳を食らったら人間は即死する程の恐ろしい拳。

 しかしその拳が菫子には当たらなかった。

 それどころかパーンは吹き飛んでいた(・・・・・・・)


『なっ……!?』


 パーンは何が起きたか考えようとするがその前に地面に墜落して考えを強制的に中断させられる。


『がっ……は……!』

『……私が何の勝算もなく貴方の前に立った訳じゃない』


 菫子はパーンが吹き飛んだ居場所へ振り返りゆっくりと歩きながら言葉を紡ぐ。


『……私はちょっとした能力を持っていてね』

『……なんだと?』


 空中落下の衝撃が効いたのか起き上がる事が出来ないパーンの近くでしゃがみながら菫子は説明を続ける。


念動力(サイコキネシス)っていうんだけど……分からないでしょ?』

『……どうゆう意味ですか?』

幻想郷(ここ)の住人には分からない世界って事よ。だから理解なんて出来ない』


 菫子は冷たく言い放つとスッと、パーンのフードを外した。

 若い青年の様に見えた。

 端正な顔立ちをしているが今は少し苦痛に顔が歪んでいる。

 そしてその顔を見下ろしながら菫子は会話を続ける。



『では今度は貴方が答える番よ。どうしてあの子の命を狙ったの? 誰かから命令でもされたのかしら?』

『……答える義理はありませんね』


 パーンの回答に少しイラついた様子で菫子は別の疑問を問いかける。


『じゃあ別の質問をするわよ。貴方のその名前……分かって名乗っているのかしら?』


 パーンは少し驚いた様に口を開けていたがすぐに口元には笑みがあった。

 まるでやっと自分の事を分かってくれる友人に会えた様な笑顔だ。


『まさか私の名前を知ってる者がいるとはな……。く、くふふふ……ははは!』


 気味の悪い笑い方をするパーン。

 そして笑いを止めると菫子の質問に対して意外な答えを返す。


『分かって名乗っているさ。そうだ、私はパーンだよ。「民」だ』

『……!』

『私の役目をもう終わりだよ。ここでおさらばするとしよう』


 パーンは素早く懐から丸薬を取り出しそれを口に入れた。


『何を……!』


 パーンはニヤリと笑うと体が蒸発した様に突如消えた。

 その時幼い声をが響いてきた。


『お姉ちゃーん!』

 声が聞こえた方向に顔を向けるとそこには見知ったとある人物とよっぽど泣いていたのか目を赤く腫らした妹紅が走ってきた。


『妹紅ちゃん……。華扇さん……』

『大丈夫ですか!? 怪我は!?』

『ええ……大丈夫……で……』


 菫子は突然パタリと倒れる。


『お姉ちゃん!?』


 妹紅が心配そうに叫ぶ。

 華扇が素早く近寄り菫子の状態を確かめる。


『極度の緊張と怪我を負ったせいで気を失っただけよ。大丈夫、近くにゆっくり休ませれば問題ないわ』


 そう言うと華扇は気を失った菫子をおぶさる。


『さ、まずは帰るわよ。貴方も来なさい、この子の事が貴方も心配でしょう?』

『うん……』


 そして二人は竹林から抜ける為に歩き始めた。

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