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幻想異変録  作者: 凍曇
7章 幻想郷
76/151

76:襲撃

『どうします?』

『そうねぇ……。取り敢えず状況の把握からした方が良いんじゃない?』

『双眼鏡持ってくればよかったなー』


 ちゆりはガッカリそうに言う。


『確かに下手に動くよりはあった方が良かったかもね』

『……なるほど。なら俺の出番ですね』

『お?持ってるの?』


 ちゆりの言葉に慌てて一条は否定する。


『いえいえ!ただ俺って結構目が良い(・・・・)ので多分遠くも見れますよ』

『どっかの部族みたいね。アフリカにいそう』

『日本人ですよ!?』

『いいから、早く周りを見てくれよー』


 一条は"眼"を発動させると周りを見渡す。

 周りを見渡す限り特に代わり映えしたものはなかった。


『どうだ?』

『んー、特にこれというのは……あ』


 一条は空を見上げた時思わず呆けた声をあげてしまった。

 普通ではありえない現象を目の当たりにしたからだ。


『人が空を飛んでる……』




-上空-


『魔理沙』

『分かってる。見られているな』

『あっち側の能力者の類かしら?』

『……さて、どうだか』


 魔理沙は速度を緩めてやがて上空で静止する。

 アリスも同様だ。


『どれどれ……』


 魔理沙は懐から小さい望遠鏡を取り出すとスコープを覗いて周りを見渡す。


『あ』




-地上-


『げ』

『どうしたの?さっきから空ばっかり見つめて』

『なんか目が合っちゃったんですが……』

『はぁ?おい一条、お前は何をさっきから見てるんだ?』


 ちゆりと夢美は意味が分からずただただ混乱するだけである。

 その時一条が突然叫んだ。


『ちゆりさん!教授!急いでこの場から離れて!上から攻撃が降ってくる!』

『……!』

『オッケー、私が撃ち落とす!』

『武器もないのにどうや……』


 一条が言葉を言い切る前にちゆりは右腕を上空に向ける。

 瞬間、キュガッ!!と音と共にちゆりの掌から眩い光線が発射された。

 すると途中で何かに激突し爆発が起きる。

 空は一面に煙に覆われてしまった。


『……魔法?』

『そ、私と夢美は魔法使いだぜ。こんぐらい朝飯前さ』

『……あら、思ったよりも反応は薄いのね』

『いえ、驚きすぎてリアクションが取れないだけですよ……』


 その時、上から人影が2つ降ってきた。


『よぉ、さっき私達を見てたのはお前だな?』


 帽子を被り黒い衣装に身を包んだ金髪の女性が口を開いた。

 霧雨魔理沙である。

 魔理沙の後ろには同じく金髪、青と白の服装にケープを着た女性がいた。

 こちらはアリスである。


『あら、いきなり攻撃してくるなんてヒドイご挨拶ね』

『はっ、生き残ってるんだから別に構わないだろ』

『……言うわね』


 夢美と魔理沙の視線がぶつかり火花を散らす。

 その場で冷静に考えて行動したのは2人だけだった。

 一条は全速力でその場から離れる。

 一条と同じタイミングでアリスも移動し、一条を追いかける。


『1人じゃマズイ……!』


 少し遅れてから反応したちゆりが追いかけようとするが突如現れた人形が槍を突きつけて威嚇した。

 瞬間、ちゆりはとまどい行動を止めた。

 それが致命的だった。

 気づけばアリスと一条の姿が消えていたからだ。


『チッ』

『ちゆり、今は目の前の敵に集中しなさい』


 魔理沙は軽く笑うと敵意溢れる目でちゆりと夢美を見る。


『見事に分断されちまったが……まぁ、なんとかなるか』

『余裕ね』

『まあな』


 即答である。


『私は魔女(・・)だからな』


 そう言って人差し指を前方に向けると指先から巨大な質量の光が発射された。

 

『……へぇ』


 魔理沙は口笛を吹く。

 目の前には無傷の夢美とちゆりがいた。


『さて、魔女と言ったわね。私達は魔法使いよ』

もうお分かりかもしれませんが魔理沙は既に魔女となっています。

もう普通の魔法使いとは呼べないですね

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