75:見知らぬ幻想郷
『なぁ、アリス』
『どうしたの?魔理沙』
とある森に建てられた家に2人はテーブルを挟んで向かい合っていた。
『そろそろ動こうと思う』
『……そうね。次はどうするの?』
『さて……な。出来ればもう一度早苗に会えればこちらとしては嬉しいが、まぁそう上手くはいかないだろうな』
魔理沙は壁にかけてある帽子を手に取るとそれを被る。
次に軽く手を振ると箒が出現する。
『取り敢えずもう一度山に行こう。後は状況しだいだ』
『それじゃあ行きましょう』
-研究所-
『うっぷ……』
『ぶはは!お前乗り物酔いか!?』
一条は顔を青くして床に倒れており、ちゆりは屈んで一条の背中をつついてる。
『おーすーなー』
『お前の反応が面白いから嫌だぜ』
『ゆーすーるーなー』
『あっはっはっは!!ひー、腹痛い!』
その様子をキーボードを打ちながら夢美は見ていた。
(楽しそうねぇ……。乗り物酔いとかって大変ねぇ)
モニターに視線を戻す夢美。
モニターには様々なグラフと数字が大量に表示されていた。
『おらー、そこのアホ2人組ー。そろそろ着くから準備しなさいよー』
『だってよー』
『ツンツンするなー』
『あっはっはっは!!』
『アホコンビめ……』
数分経つと研究所内が軽く揺れた。
モニターを見る限りどうやら到着したようだ。
『や、やっと着いた……』
『いつまで床に倒れてるんだ。さっさと行こうぜ』
『うー』
そう言いながらちゆりは一条の手を掴むと入り口まで引きずる。
『されるがままね……』
夢美はそんなシュールな光景を見ながら出口に向かう。
『ほれ、着いたぞ……ってあれ?』
『……ここが幻想郷ですか』
『どうしたのよ?2人して固まって』
『い、いや……なんか……』
『?』
夢美はちゆりの態度に疑問を覚えて外に出る。
そして夢美が見た景色は。
『……かなり荒れてるわね』
淀んだ空気。
枯れた草花。
見渡す限りのガレキと破壊の跡。
荒廃した世界が広がっていた。
『幻想郷って想像してたよりも荒れてるんですね』
『い、いや。私達が来た時はこんなんじゃなかったんだぜ』
『そうね。ちょっとこれはおかしいわ』
『漂う世紀末感……。モヒカンヘッドのヤベーやつとか出て来ませんよね』
『流石に出てこないだろ……。来られてもこっちには救世主とかいないからな』
『後から颯爽と出てくるかもしれませんよ』
『『ないから』』




