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幻想異変録  作者: 凍曇
6章 秘封倶楽部
72/151

72:"選択"

『ぽぽ、ぽぽぽぽ』


 どこからともなくそんな奇妙な声が聞こえてくる。


『来てるわね……』

『流石にもう逃げ切れる体力もないのでここで決着をつけないと……』

『方法はあるの?』


 パチュリーは不安そうに一条に聞く。

 一条はパチュリーの問いに対して弱々しく頷く。


『あるにはあるんですが……、現状では恐らく無理です』

『どんな方法なの?』

『え?いや、だから現状では……』

『どんな方法なの?』


 一条の言葉を遮りパチュリーは語気を強めて再度質問する。

 一条はその勢いに押されたのか渋々説明する。


『都市伝説に出てくる八尺様には一部何人か取り逃がした話があるんです。その際に朝までお札で固められた部屋に閉じこもり朝が来てから村の外に逃げたって話なんですが……』

『決まった活動範囲があるって事?』

『はい。八尺様はどうやら結界から外には行けないそうなんです。その村の四隅には地蔵があったという話でして、注目する点として結界があれば安全圏が出来るのではないのかと』


 一条の話を聞いてしばらく思案するパチュリー。

 その間にも奇妙な声は下から近づきつつある。

 一条は少し焦ったようにパチュリーに話しかける。


『それがどうかしたんですか?この場で結界を作れないんですからどうしようも……』

『イケるかもしれないわ……』

『え?』


 パチュリーの言葉に一条は一瞬様々な事を考える。

 一条が言葉の意味を捉える前にパチュリーは一条の名を呼ぶ。


『一条、よく聞いて』

『はい』

『結界であれば何でもいいのね?』

『多分……としか言いようがありませんが』

『今から貴方にプレゼントをあげるわ。とっておきのね』

『……?』


 一条が眉をひそめると突如右手に激痛が襲う。


『……っ!!』


 何事かと思い一条は自分の右手を見ると手の甲に文様が赤く刻まれていた。


『この厨二病感溢れる文様はいったい……』

『言ってる意味は分からないけどバカにしてるのは分かったわ』

『や、やだなー。ノーレッジさんにそんな失礼な事言う訳ないじゃないですかー』

『誰も私に対してなんて言ってないけど?』

『ぐぬっ……!』

『ふふ、まぁいいわ』


 パチュリーは腕を組んで得意げに語り始めた。


『いいこと?それは私と同期してるからこそ出来る荒技よ。普段ならやりたくはないのだけれど、緊急事態だからね。あっちが想定外の化け物ならこっちも想定外の手を使うしかないわ』

『目には目を……ってやつですか。結局この文様は何ですか?』

『魔法を使うための文様よ』


 一条は目を見開く。

 もう奇妙な声は真下まで来てた。

 しかしそんな事は一条の頭からすっぽり抜け落ちていた。


『ま、魔法って!俺には無理ですよ!』

『でしょうね。魔法使いじゃない貴方が無理に魔法を使ったらそれこそ痛い目にあうでしょう』

『なら!』

『これは貴方が"選択"するのよ』

『……!』

『今、ここで、あの化け物とジリ貧の争いをするか、それとも一か八かの賭けに出るか。どちらとも厳しい結果になるかもしれない。だからこれは貴方が"選択"するのよ』


 一条はゆっくり深呼吸する。

 すると屋上に唯一あるドアからボゴン!!と大きな音が響く。

 一条は一度空を仰ぎ次にパチュリーに顔を向ける。


『……力の使い方を教えてくださいノーレッジさん』

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