7:外界の少女と黒髪の少女
-外の世界-
『さー今日から冬休みか~』
そう言いながら制服を着た少女は歩きながら白い息を吐いてそれで遊んでいる。
『やる事もないし冬休みの間はあっちでお世話になってましょうかね~』
呟きながら自宅に着いた少女は部屋に入るなりバッグなどの荷物を投げ捨て布団に倒れこむ。
『今日から休みだからずっと寝てても構わないのよね!』
そう言いながら少女はそのまま寝てしまった。
-幻想郷-
先程眠った少女はゆっくりと目を開ける。
『いやー久しぶりに来たなー!』
少女の名前は[宇佐見 菫子]
とある事情から菫子が寝ている間だけ幻想郷に来る事が出来る様になったのだがそれはまた別の話である。
そして菫子は雪が降ってるのを見て、
『へー幻想郷にもやっぱり四季があるのねぇ...』
菫子は感慨深げに雪を見ながら歩き出す。向かう先は迷いの竹林だ。
『久々に妹紅さんに会っときたいのよね~元気にしてるかな~♪』
彼女は知らない。幻想郷では現在進行形で"異変"が起きてる事を、そして彼女が会いに行こうとしている人物も"異変"に巻き込まれている事にも。
-迷いの竹林-
鬱蒼とした竹が大量に生えており竹林と化してる。見る者に暗くなってきてる事もあり不安を与える不気味な竹林になんの躊躇もなく足を踏み入れる菫子。
『妹紅さーん?いますー?私ですー!菫子ですー!』
大声をあげながら歩を進めていく菫子。普段の外の世界であれば近所迷惑になる声量だが竹林に居るという事も相まってそんな事は関係ないと言わんばかりの大声を張り上げる。
『やっほーー!!菫子だよーー!?妹紅さぁぁぁぁん!!!』
『……誰かいるの?』
『ん?』
幼い声が聞こえてきて振り向くとそこにはダボダボのどう見てもサイズがあってない服を着た少女が竹に隠れながら顔を覗かせこちらを見つめている。
『え?誰?』
菫子は驚いた様に竹に隠れている少女に質問する。
無理もない、ここの竹林は道の知らない者が入り込んだら迷って出れなくなる危険な場所だと誰もが知っており大人や子供はまず近づく事さえない竹林だ。
その事は菫子も知っている。
だからこそこんな小さい少女がしかも暗くなってきているのにこの竹林にいるのが不思議なのである。
『……藤原妹紅』
少女は呟くようにボソッと喋る。
『え?妹紅?』
一瞬探してた人物の事を連想したが菫子はその考えを打ち消した。
なぜなら自分が探している人物は透き通る様な綺麗な白い髪をしておりそして長髪である。
決して目の前にいる少女の様に黒髪のショートではないからである。
『……お姉ちゃんはなんでここにいるの?』
『私は人探しだけど……。そっちこそなんでここにいるの? ここは危ないよ?』
しゃがみながら小さい少女という事もあり優しい口調で質問する。
『分かんないの……どうしてここにいるのかも……気づいたらここにいるし変な黒いのに襲われるし……』
自ら妹紅名乗った少女はボロボロと大粒の涙を流し始める。
『あーあーあ! 泣かないで! ね? お姉ちゃんが助けてあげるからさ、ね?』
あたふたしながら菫子は必死に妹紅を安心させようとする。
『……本当に?』
『うん! 私が助けてあげるから!』
『……ありがとう』
妹紅はゴシゴシと涙を拭いて菫子の所まで服を引きずりながら近づく。
そうすると菫子はしゃがんだまま背を妹紅に向ける。
そして菫子は言う。
『おんぶしてあげる』
『……いいの?』
『うん、だって疲れたでしょ?その様子を見ると相当歩いたみたいだし』
『……うん、ありがとう』
妹紅をおんぶし、出口に向かいながら歩いていると後ろからすぐに小さい寝息が聞こえてきた。
その寝息を聞いた菫子は苦笑しながら歩を進める。
(どこに連れて行こうかしら……こうゆう時に頼りになるのはマミゾウさんか霊夢さんかな……)
などと考えながら真夜中の迷いの竹林から抜け出すために妹紅をおんぶしながら歩を進めていく菫子。
その数メートル後ろの竹藪から黒いローブを纏った誰かがずっと菫子を見ていた。
『……見つけた』




