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幻想異変録  作者: 凍曇
6章 秘封倶楽部
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69:確かなる道しるべ

 一条はまず情報収集から始めた。

 さっきまでいた通路はなかった。

 それ以前にまずいる場所は"街中"だった。


(通路を通ったら別の通路に繋がるかと思ったけど……どうやらワープしたみたいだな)


 次に一条は元いた世界との違う点を何点か見つけた。


 一つ目は現在が夜ではなく朝だという事。

 二つ目は朝だというのに街に人の気配がしない事。

 そして三つ目だが。


『……なんだこりゃ』


 一条は近くにあったゴミ箱から捨てられていた新聞紙を取り出しそれを読んでいた。

 文字は普通の日本語だった。

 問題は書かれている内容である。


『岡崎教授、またも学会に衝撃与える。魔法論が認められた……?』


 パチュリーも一条と同じ様に新聞を見ていたので意味は十分に理解していた。


『ノーレッジさん。魔法っていうのは科学で説明出来ますか?』

『……無理よ。そもそも魔法っていうのは認められていないから"魔の法"、自分ルール、説明出来ない"何か"なのよ』

『けどこの新聞を読む限り、魔法は学会に認められていますよ……?』

『学会っていうのは?』

『ノーレッジさんに伝わる様に簡単に言うと裁判所みたいな感じですね。この裁判で認められたルールは一般人に常識として浸透するみたいな』


 パチュリーはその言葉を聞いて顎に指を置いて考える仕草をする。


『ここは魔法が当たり前の世界って事かしら……?』

『考えても仕方ありません。こっちから動かなくては』


 そう言ってポケットからスマートフォンを取り出す。

 画面には電波が立っており2:10と表示されている。

 一条は機能の電話帳から菫子の電話番号を選択し通話を試みようとする。


『……』


 スマートフォンを耳に当てているが、スマートフォンからはずっと簡素な音が連続して響いているだけだ。


『駄目か』


 スマートフォンから耳を離し少し操作するとポケットにしまう。


『星が見えてないせいで時間も確認出来ないか……』

『どうするの?』


 パチュリーの言葉に一条は笑みを浮かべる。


『何笑ってんのよ』

『いや、ノーレッジさんがいてくれて助かったなぁって思いまして。俺1人だったらこんなにも落ち着けませんでしたよ』

『ふん、そこまで言うぐらいならここから幻想郷へ行く考えはあるんでしょうね』

『ええ、もちろん。ここでの方法は2つほどありますね。

1つはここでの消失点を探す事。これについては難易度がかなり高いですね。

2つ目は……誰かからの手を借りる事ですね。こちらの方が前者よりも難易度が低い可能性があります』


 パチュリーには一条の考えが分かるのもあるが、彼女は天才である。

 数少ない言葉でも意図を全て理解し、更にその先までも見据える。

 ある意味において、一条とパチュリーは相性が良かった。

 考え、理解し、その先までも考えをめぐらせ、そして豊富な知識がある。

 これらを兼ね備えている2人は本当に相性がバツグンだったのだ。


『それじゃ行く場所は決まってるわね?』

『ええ、この岡崎教授に会いに行きましょう』

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