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幻想異変録  作者: 凍曇
5章 幻想郷の終わり
61/151

61:圧倒的な力

『あ、え……?』


 紫は目をパチクリさせていた。

 紫の頭の中には様々な情報が溢れかえっており混乱している。

 その混乱の原因は多々あるがその1つとして目の前で起きた現象である。

 空間が割れる。

 それは紫にとって嫌というほど見慣れている現象である。

 彼女自身が使っていた能力と酷似しているため同じ能力なのではないかという疑問が彼女の思考を鈍らせる。

 だがその考えはすぐに紫は捨てる。

 何故なら彼女は知っているからだ。

 自分は「1人1種族」であり自分と同じ能力、妖怪である事はありえないからだ。

 だからこそ紫は混乱する。

 何故自分と同じ能力をあの鬼の面を着けた女性が所持(・・)しているのか。


『ぐっ……ふふははは……』


 大剣で貫かれたはずの男の笑い声で紫はハッとする。

 男は不敵な笑みを浮かべながら、


『この程度でこの俺を殺せるとでも?甘いなぁ!』

『甘いのはお前だクソ野郎。お前は今、ここで、消えるんだよ』


 八雲は重い声で大剣の柄を強く握りしめる。

 すると余裕の笑みを浮かべていた男が苦悶の表情を浮かべる。


『き、貴様……!俺に何をしたぁぁぁ!!!』

『お前が発する熱全てのお前の体に強制循環させた。文字通り自滅だ。お前の強さが仇となったな』

『なっ……!?ど、どうやって!』

『あまり私をなめるなよ……神ごときが。貴様らみたいな奴らとは何千と戦ってきた。これぐらい出来ずにどうする』


 そして、男が何かを八雲に叫ぼうとした瞬間に男が発火して一瞬にして黒炭と化した。

 紫は八雲に恐る恐る話しかける。


『あなたは……味方なの……?』

『……ああ、そうだ』

『それはどうして?』

『幻想郷の管理役として……だな。っと、難しいかな?』


 八雲はどうやら紫のことを子供と認識しているらしくなんだか子供に優しく説明するお姉さんみたいになっていた。

 だが子供扱いされたのが紫は気に入らなかったのか顔を真っ赤にして叫ぶ。


『子供扱いしないでよ!これでもあなたよりは長く生きていると思うんですけど!?』

『えっお前妖怪なの……?しかも私より年上って……その見た目だと色々と危険な気がするぞ』

『言いたい放題言ってくれるじゃない……!』

『……変な人に絡まれちゃダメだよ?』

『こいつを今ここでぶん殴りたいっ!!』


 ハハハ、と八雲は軽快に笑うと八俣遠呂智の方へ歩み寄る。

 

『……よう、好き勝手やってくれたねぇ八俣遠呂智』

『あら、私のことが分かるんですね』

『いつまでそんな借り物の体を使ってるんだ?お前が出てくれば良いのに』

『……へぇ?そこまで分かるんだ』

『んー、そうだな……。取り敢えずこいつらを傷つけた罪は重いぞ八俣遠呂智』

『おやおやおやおや。まさかあなたからそんな言葉が出てくるとは!それで?どうするんです?』

『蛇は生と死の象徴だからな。殺すにしても手間がかかる』


 手間がかかる、と言い切るあたり殺せる事は可能だと八雲の言葉で分かる。

 八雲は少し仮面の奥の目を少し細めると大剣を振るう。

 瞬間、八俣遠呂智が細切れになった。


『うっそぉ……全然見えなかった……』


 手間がかかるどころか一瞬にして殺してしまった八雲の力にただただ紫は驚くばかりだった。

 だが、それとは別に紫はある事に気づく。

 空気が微かに振動している事に紫は気づいたのだ。


『……?なんか空気が振動してないかしら?』

『そうだな』

『え?なんか振動が強くなってきてない?』

『強くなってきてるな』

『これ大丈夫なの?』

『……そうだな。お前は賢そうだから伝えておこう』


 八雲は地面にドカリと座り込むと語ってくれた。

 彼女の行動の意味を。

 そして彼女が伝えたい大切な言葉を。

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