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幻想異変録  作者: 凍曇
5章 幻想郷の終わり
59/151

59:八俣遠呂智

『やった……のか?』

『動く気配はないわね……』


 勇儀と紫の視線の先にはめちゃくちゃに破壊された大地にたたずむ夢想天生をした霊華が立っていた。


『ようやく終わったか……けど』

『ええ……人里が壊滅するなんてね……人も生き残ってるかどうか……』


 その時であった。

 飛び散った白蛇のカケラの一部から再生し、白蛇が蘇る。

 先ほどと寸分変わりなく巨大な白蛇がそこにはいた。

 霊華は一瞬にして白蛇の懐へ潜り込み拳を胴体に叩きつける。

 またも白蛇は弾け飛ぶ。

 だが今度は間をおかず白蛇はすぐに再生した。


『……!!』


 白蛇は霊華の腕に牙を突き立てる。

 本来であればその攻撃さえも霊華の夢想天生によって無効化する。

 本来であれば(・・・・・・)

 だが白蛇の牙は霊華の腕を捉え噛みついていた。


 霊華は戦闘において代々続く博麗の巫女の中でも1位2位を争うセンスの持ち主である。

 霊夢の時代と違って霊華は武器を持たず自身の体だけで戦ってきた。

 殺しあってきた。

 だからこそ武術において霊華の右に出るものはあまりおらず霊華は自身の事もよく理解していた。

 自身の弱点など全てを知りそれを克服しながら妖怪と争い続けた。

 霊華の一番の長所はその武術ではなく戦闘においての把握力である。

 相手の力量を、場を、自身を。

 常に全てを把握し、行動する。

 だからこそ、白蛇に腕を噛まれた時に何故噛まれたのか、相手が何をしたのかを瞬時に理解し行動する。


『鬼のっ!!』


 霊華は大声で勇儀を呼ぶ。

 勇儀は跳躍し上からかかと落としを白蛇に叩き込む。

 勇儀は白蛇がまた弾け飛ばないように力加減し地面にめりこませる。

 白蛇は苦しそうな悲鳴をあげ霊華の腕から牙を離す。

 瞬時に霊華は夢想天生を解除する。

 解除した瞬間に勇儀は片手で霊華の襟元を掴みその場から逃走する。


『もう十分だな!?これ以上は無理だ!あの蛇野郎を再生してきやがる!』

『はぁはぁ……。ああ、だがこれからどうするんだ……?正直あいつから逃げられる気がしない』

『ちょっと霊華大丈夫?また無茶して……』


 紫は心配そうに霊華の方へ振り向く。

 その時苦しそうにぐったりしている霊華の他に注目するものがあった。


『避けて!!』

『あ?』


 勇儀は一瞬誰に言ったのか分からず詳しいことを聞こうとゆかりの方へ顔を向けようとした瞬間、勇儀の片腕が吹っ飛んだ(・・・・・)


『な……にぃ!?』


 片腕を失った勇儀が体のバランスを保てず走っている最中にこける。

 こけた勢いで霊華と紫は地面に放り出される。

 霊華は勇儀に向かって叫ぶ。


『大丈夫か鬼の!』

『ああ……。これぐらいなら時間があれば再生する!それよりもヤベェぞ!あの8つ首の蛇が復活してやがる!』


 八俣遠呂智が地面に倒れている勇儀達を見下ろしている。

 紫はギリッと歯ぎしりをすると八俣遠呂智にむかって叫ぶ。

 

『なんなのよ!あなた達は何の目的があってこんな事をするのよ!!』

『終わりに理由があると思いましたか?』

『!』


 八俣遠呂智から声が響く。


『おや、その反応ですとただの喋れない蛇だと思いましたか?』

『いや、お前の正体を私は知っているぞ』

『霊華……?』

『お前……八俣遠呂智だろ?しかも古事記登場する妖怪ではなく神格化された方の』


 霊華は吐き捨てるように言う。

 八俣遠呂智からクスクスと笑い声が聞こえる。

 妙にブレた声で女性のようにも男性のようにも聞こえる声である。


『なぁんだ、分かっていたんですか』

『ああ、後はその不死性についてはお前が蛇だからだろ?』

『思ったよりも博識なんですねぇ。大方あなたが今想像しているのが正解ですよ』

『お前らは幻想郷を……どうするつもりだ?』


 霊華は強い口調で八俣遠呂智に問いかける。

 対して八俣遠呂智は8つの頭で静かに勇儀達を見つめる。

 そして次に八俣遠呂智が語った言葉は———

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