56:結末
『霊夢っ!!』
萃香が叫ぶ。
萃香が霊夢の方は向いた瞬間萃香が燃え上がる。
『う……ぐぁぁぁぁ!!!』
『アハハハッ!!愉快!実に愉快だぞ!人間と鬼よ!!』
男が高笑いしている。
『くそっ……!くそっ!霊夢……!霊夢……!』
萃香は霊夢に呼びかけるが霊夢は倒れてたまま動かない。
反応が一切無い。
萃香は一瞬ある想像をするが自分でそれを打ち消す。
(霊夢が死ぬ訳ないだろ!私の馬鹿っ!!)
萃香は残るありったけの妖気を放出させて萃香を燃やし続ける火を消す。
『ほう?まだそんな力が残っておったか』
『お前……何の目的でこんな事を……』
萃香は息も切れ切れに目の前の男に問いかける。
『はて、何の目的とな?俺は命令されただけよ。業腹だがあの現人神とやらには逆らえぬゆえな』
『現人神……?』
『さて、冥土の土産に俺の名前を教えておいてやる。よーく、覚えるんだな』
そう言うと男の周りが熱気でぐにゃりと歪み始めた。
『火之迦具土神。それが俺に与えられた名前だ』
そして。
巨大な熱量の塊が萃香と霊夢を襲った。
草木が、土が、空気が焼けていき全てが炭と化していく。
萃香は自分が炭と化していく中、心の中で謝った。
(ごめん……霊夢を私は守れなかった……ごめんよ……)
もう周りには何も残らなかった。
荒れ果てた大地に立っていたのは火之迦具土神だけだ。
萃香と霊夢は跡形もなく消失した。
-紅魔館-
『死んだ……?霊夢が……?』
『ええ、邪魔でしたので。けどすぐに会えますよ。あなたも霊夢さんと同じ所へ行くんですから』
レミリアは無言で手から槍を生み出す。
早苗の周りから黒い影が出てきた。
『死ね』
レミリアは目にも留まらぬ速さで早苗の背後に回り込み槍を振るう。
しかし、槍が早苗に当たることはなかった。
早苗の周りの黒い影はまるで蛇のような形で槍を受け止めたのだ。
『……!』
『まだまだですよ〜』
早苗が場にそぐわないノンビリした声で言うと黒い影の蛇は次々と出現してレミリアに牙を向ける。
レミリアは手に持った槍をまず目の前の蛇に投擲する。
槍が蛇に触れた瞬間、槍は爆発する。
爆発した瞬間、超人的な身体能力で早苗に距離を詰める。
しかし、早苗は距離を詰められても表情を変えずその場から動こうともしない。
蛇はレミリアの両脇から突撃する。
レミリアはまるで動きを読んでいたかのように蛇には目を向けず身体を捻る形で回避する。
(殺れる!)
レミリアは爪を鋭利に尖らせて早苗の心臓目掛けて突き出す。
だが。
『な……!?』
レミリアの突き出した手は肩から切断されていた。
片腕が突如として無くなってしまったためバランスを保てずレミリアは横に倒れる。
レミリアが地面に倒れる前に蛇がレミリアの脇腹に噛みつきレミリアを吹き飛ばす。
『ゴボッ……』
レミリアは血を吐きながらも残る片腕で蛇の頭を掴み握りつぶす。
しかし、周りから圧倒的な量の蛇が出現する。
レミリアはその瞬間に直感した。
ああ、私はここで死ぬんだな、と。
『オオォォォアアアァァァ!!!!!』
レミリアは最後まで抵抗しようと叫んで自分を鼓舞する。
瞬間早苗が横に回避行動をとった。
レミリアはその行動を不審に思った。
どう足掻いてもレミリアの攻撃は届かない。
それについてはレミリア自身がよく分かっている。
なのに何故早苗は回避行動をとったのか?
答えはすぐに現れた。
周りの蛇が突如消滅し、先程まで早苗がいた場所には見えない何かが着弾したかのように地面が削られた。
『妖怪の山に向かう途中だったんじゃが……流石に見た以上は見捨てられんのぉ』
レミリアの前には笠を被り、錫杖を持った白髪の女性が立っていた。




