51:破滅への一歩
『はい、そこまで〜』
その言葉にさとりはハッと意識を取り戻す。
八雲は軽い調子でさとりに話しかける。
『悪いけど私の過去を知られるのは私個人として少々嫌でね。これ以上は覗かないで欲しい』
『え、ええ……。すみません……』
『それで?どこまで見たかは知らんが私の話を聞くになったかな?』
『はい……。それでは話を聞きましょう』
-数十分後-
『お燐、こいし』
客人の八雲が去った後この場に残った2人をさとりが呼びかける。
『はい?』
『なぁに?』
『私は目が見えないからだけどあの八雲って人……どういう人だった?』
『私には……目の隈が濃い何考えているか分からない人でしたね』
『なるほど、お燐にはそう見えたのね。こいしは?』
『んーっとね、なんだか優しそうな人だったよ!』
『……そっか。さて、私達も準備を始めましょうか』
さとりはそう言うとお燐が眉をひそめる。
『本気でさっきの人の話を信じるつもりですか?』
『私さ、見えちゃったのよ』
『見えたって……何がですか?』
『あの人の過去……って言ってもちょっとだけね』
それを聞くとお燐は驚く。
『いやいや!さとり様の能力って心を読む能力でしょう!?過去を見るのは無理ってさとり様自身が言ってたじゃないですか!』
『そうなのよねぇ。こいし何か私にしたでしょ?』
『さぁ?私には分かんなーい』
『そう言うと思ったわ……。さ、取り敢えず勇儀を呼んできてくれるかしら』
さとりがそう言うとお燐は頷いて猫になった。
『あたいが呼んできますね』
『ええ、お願いするわね』
お燐(猫)は器用にドアを押して開けるとタタタタッと廊下を駆けていった。
さとりは溜息をついた。
『取り敢えずお部屋に戻ろっか?』
『そうね。お願いするわ』
-とある宿屋-
『そんな、そんなの嫌ですよ私はっ!!』
『だからぁ……何度も言っておるじゃろ。事態が急変したんじゃ。お主には外に帰ってもらわないと困るんじゃよ』
『その話を聞く限りだと私に皆を見捨てろって言ってるようなものですよね!?そんな事できる訳ないじゃないですかっ!』
『だー!もう!だから説得は苦手だって言ったのに八雲の阿呆が!!』
『誰が阿保だ』
『げっ、帰ってきたのか……』
『八雲さん!どういう事ですか!?納得のいく説明をしてもらいますからね!』
-紅魔館-
『なぁパチェ?』
『何?あの子達ならもう寝たわよ』
『それは良いんだが……。なんか能力の調子がおかしくてな』
『おかしい?』
『ああ、運命が見えないんだよな。能力を使おうとしても何も見えないんだ』
『ちょっと……それって……』
『いやいや!ありえないって!私がそう簡単にくたばるとでも?』
『けど気をつけた方が良いわよ。能力の不調だったとしても、そろそろ何かあると思うから』
『……そうだな。皆でこのクソ寒い冬を越してゆっくり餅を食べたいもんだね』
-居酒屋-
『まだ酔いつぶれてなかったみたいね』
『お、紫か。どうした?』
『そろそろ宿屋に戻ったらどうかしらと思ってね』
『もうそんな時間になってたのか〜楽しすぎて時間を忘れてたよ。お、猫だ』
『んー?お燐じゃないか!どうした……あ?』
『すげぇ……見ろよ紫。猫と鬼が会話してる……』
『おい、姉さん。急いで地上に戻れ』
『は?けどここに滞在してて構わないって……』
『そういう事じゃない。どうやら地上でなんかあったらしいぞ』
『……!紫!お前はここに残ってろ!!』
『ちょっ!ま、……行っちゃった』
『なんだかキナ臭くなってきたねぇ……』




