48:温泉と疑問
『や、八雲さん……ですか……?』
『お、なんだお前か!えーっと、すみこ?』
『菫子ですっ!す、み、れ、こ!』
『そうだそうだ!菫子だったな。私は人の名前覚えるの苦手なんだよなー』
沙霧はジト目をして八雲を睨みつけながら言う。
『頭は良いくせに……。変なとこで抜けてて巨乳とかずるすぎるぞ!私にそれをよこせぇぇぇ!!』
『おい、口調と一人称変わってるぞ。そして私の胸はやらん!』
八雲は自分の胸を両手で抱きしめるような仕草をし、沙霧から距離を取る。
沙霧は自分の胸を触ってため息をつく。
『おかしい……これは何かの間違いじゃ……我には何故ないのだっ……!』
その時妹紅は髪を洗い終わって風呂に戻ろうとしていた。
その時妹紅は菫子の他に2人いつのまにか増えてることに気づく。
白い髪の胸がない女性と黒髪の巨大な胸の女性だ。
知らない2人のはずだ。
しかし。
(あれ……?霊華お姉ちゃん……?)
-霊夢・萃香-
『はー、いい湯だったわねぇ』
『ここの湯は最高だねぇ。ここの温泉の一部が神社に出たって結構ラッキーなんじゃないの?』
霊夢と萃香は菫子からテレパシーで宿屋の場所を教えられているので迷わず宿屋に向かっていた。
『たしかに……。こりゃ地霊殿が異変起こしてくれて……。いやいや、巫女たる私が異変が起きて良いなんて言うわけがないわ』
『はーん……。お、紫じゃん』
目の前の宿屋から紫が寝ぼけ眼で出てきた。
紫は霊夢達に気づくと手を振る。
『あら、お帰りなさい』
『眠そうな顔してるわね〜。どこか行くの?』
『んー、霊華を迎えにねー。絶対あの子酔ってるから』
『ご苦労なこった。私達は先に宿で寝てるからね?』
萃香は欠伸をしながら言う。
『はいはい。私は霊華回収して温泉楽しんだら帰ってくるわね〜』
そこで霊夢達と紫は別れた。
-菫子・妹紅-
『はー、体がポカポカだわ……』
『お姉ちゃん……。私、眠い……』
『じゃあ抱っこしてあげるから、ね?』
『うん……』
菫子に抱き抱えられるとすぐに妹紅は寝息をたて始めた。
菫子は苦笑しながら宿屋に向かう。
(可愛いなぁ……。妹紅さんも昔はこんなんだったんだ。ちょっと意外かも)
菫子は歩きながら周りを見渡す。
(こんなに長くこっちにいたことなんて久しぶりだけど……。うん。やっぱり私は幻想郷が好きだ。けど異変が終わったら皆とお別れってなると……。ちょっと寂しいかな)
菫子はチラリと妹紅を見てとある女性を頭に思い浮かべる。
ツノが生えている妹紅の大切な妖怪を。
(慧音さんがいれば良かったんだけど……。居場所を知ってるのって妹紅さんだけなんだよね……)
そう考えているうちに宿屋に着く菫子と妹紅。
菫子は考えを中断して部屋に戻ると布団が一枚敷かれており萃香と霊夢が一緒に寝ていた。
霊夢が萃香に体をピタリとくっついて寝ているのでまるで親子が寝ているみたいだった。
『仲が良いなぁ』
菫子はそう呟きながら妹紅を降ろしてもう一枚布団を敷くと妹紅を布団に入れて寝かせる。
その後、菫子は物音を立てないようにこっそりと部屋から出ると外に出る。
そして、菫子はとある場所を目指しいまだに騒がしい旧都の街に消えていった。




