47:他のお客さん
『わぁー!おっきーい!』
『立派な温泉ね……!』
菫子と妹紅は服を脱ぐと青いプラスチックで作られた籠に入れて、タオルを首にかけて湯船に近づく。
ちなみに菫子は眼鏡を外しているため視界が煙に遮られて大変な思いをしていたりする。
桶で妹紅の体を洗い流してから次に自分の体を洗い流し、湯船に浸かる。
『ふぅ……』
『あったかくて気持ちいいね〜』
『そうねぇ……こんな温泉中々ないわね……』
『私髪の毛洗ってくるねー!』
『はいはーい』
菫子は周りを見渡すと少し遠くに2つ影が見えた。
菫子は煙と視力のせいで見づらいが誰かいる事に気付いた。
(先客がいたのね……ていうか混浴だから男じゃないと良いけど……)
そう思いながら2つの影を見ていたら1つだけ影は動いてこちらに向かってくる。
菫子は首元まで湯船に浸かり体を見られないようにと用心する。
しかし菫子は影の正体を見た瞬間それは杞憂だったと思った。
『あなたは……』
-居酒屋-
『そういえば勇儀に聞きたい事があるんだが』
『んー?』
『私達が橋まで来た時お客さんがいっぱいだかなんだかって言ってたろ?私達の他にも来客があったのか?』
『そーそー!あの2人も強かったなぁ。真っ白な白い髪の女と隈の濃い女が来てるんだよ』
『ふーん……』
『まぁまぁ姉御!そんな奴らの事なんか忘れてもっと飲みましょー!』
『なんだ姉御って、お前酔ってるだろ!?』
『こっちの方が呼びやすいからいいでしょ〜えへへ』
-宿屋の近くの温泉-
『お、なんだなんだ。また会ったの』
『えっと……沙霧さん?』
『その名前で定着したのか……いや、もう別にいいや……』
『どうしてここに?』
沙霧は再度湯船に浸かり菫子の隣に座る。
『体を休めに来たんじゃよ。ここ最近ずっと怪我ばっかしておったからの』
『あ、そういえば傷の具合は大丈夫でしたか?』
『まだ治ってなくての〜まだ包帯は取れんけど銭湯では包帯取るのが決まりじゃしな。今はほれ、傷跡が酷くての』
そう言って沙霧は立ち上がると傷だらけの肢体があった。
『うわ……。傷だらけじゃないですか……』
『歴戦の証じゃな』
沙霧は自慢げに頷きながら再度湯船に浸かる。
そして何故か菫子の体を触り始める。
『ななななにをするんですかっー!!』
『いやー、発育良いなぁって思っての。くそっ!胸が我よりあるじゃないか!!』
『きゃー!きゃー!変なところ触らないでー!!』
『何やっておるんだお前は』
『あいだっ!?』
菫子を変態の手から守ってくれたのはもう1人の影であった。
そこにいたのは長い黒髪を解いており見分けづらいが素顔を晒した八雲であった。




