表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想異変録  作者: 凍曇
3章 争奪戦
38/151

38:あっけない決着

 菫子は一瞬自分の耳を疑った。

 "八雲"

 確かにそう彼女は言った。

 けれど。


『八雲って……もしかして紫さん……ですか?』


 その言葉に八雲はぴくりと反応する。

 ……ように見えた。


『さて、どうでしょう?』


 八雲は肩をすくめながら言う。

 八雲はため息をつくと僧に言葉を投げかけた。


『まったくお前は……。怪我してるんだから無理しないで私を起こせば良かったのに』

『おっと、これは手厳しいの。我なりの配慮じゃ、配慮』

『ま、いいか。取り敢えず状況が分かんないんだけど。そこの、あー……菫子と、このガキンチョはどうしてここにいるの?』

『知らん』

『そ、ならいいや』


 八雲は首をコキリと鳴らす。

 そして気絶してしまった霊夢の服を掴むと菫子の方に霊夢を投げる。


『わ、わわ』


 なんとか飛んできた霊夢をキャッチする菫子。


『そいつを安全な所に避難させておけよー危ないから』

『は、はい!』


 八雲は次に周りのパーンに話しかける。


『悪かったな、待たせてしまって』

『いえいえ、私も丁度あなたに聞きたいことがありまして』

『私に?言ってみて』

『妖怪の山でウズメを……私達の仲間を攫ったのはあなたですか?』

『おいおい、突然何を言いだすかと思えばいきなり辛辣だなぁ。私は別になにも……』

『知ってるんですよ。この目であなたの姿を見ました。見間違えるはずもありません』


 八雲はしばらく反応しなかったが、突如八雲の右手の近くの空間が割れた。

 割れた空間からは柄が出てきてた。

 その柄を八雲は掴み取り出す。

 あまりに大きすぎて不恰好な大剣だ。

 その大剣を地面に突き刺すと低い声で言った。


『じゃあ隠す必要もないな。正解、私が犯人だ』


 あまりにもあっけらかんと喋る八雲に対してまたパーンも軽い調子で話しかける。


『いやぁ、いい迷惑ですよ。おかげで私まで駆り出されたんですから』

『お前らがやってる事は何かは知らんが1つの異変の原因なのは明白だからな。私としても手を打っておきたくてね』

『私達からしたら貴方達はイレギュラーです。今の今まで聞いたことも見たこともない人物ばかりだ。私としては貴方達にも興味があるんですがねぇ』

『なに、簡単な話さ。私は"八雲"だからな幻想郷を守る立場として動いてるだけさ』


 パーンは指をパチンと鳴らした。

 すると周りのパーン達が次々と猛獣に変化していく。


『では、私達の敵ですね。死んでください』


 パーンが言い終えたの同時に猛獣が一斉に八雲に群がり襲いかかる。

 八雲はその場から動かずただ言葉を紡いだ。

 戦うための言葉を。


『廃線「ぶらり廃駅下車の旅」』


 瞬間周りの空間が所々から割れてそこから鉄の塊が恐ろしい速度で猛獣達めがけて激突した。

 ゴン!ズズン!と暴力的な音と共に一気に周りの空間が変わってしまった。

 鉄の塊……つまり電車が周りに点々と突き刺さっており周りの猛獣達は影も形もなかった。


『さて、こんなものかな』


 そう言いながら八雲は目の前で倒れている青年の姿を見つける。

 

『動体視力のいいヤツめ。生きていやがったか』


 八雲は大剣を地面から抜くと倒れているパーンに容赦なく振り下ろす。

 ぐしゃりと粘着質な音が響くと八雲は大剣を持ち上げて空間の割れ目に差し込む。

 

『これで終わりかな』


 一瞬の出来事を遠くから見ていた菫子は驚きを隠せずにはいられなかった。


『あっという間ですね……』


 菫子は震える声で呟くと僧は長屋の壁に背中を預けながら軽快に笑う。


『流石我の親友じゃの!』

『これが幻想郷の管理者の力……。本当にここは恐ろしい所なのね……。私良く生きてたわ……』


 菫子は自分が起こした異変の事を思い出しブルっと背筋を震わせた。

 もしもあの時霊夢が、華扇が、マミゾウが菫子の事を気にかけて、止めてくれなければあそこにいるのは私だったかもしれないと思い、改めて自分が犯した過ちを反省する。


『おーっす、沙霧やーい大丈夫か?』

『その名前で呼ぶな気恥ずかしい!』

『はっはっは!もうこの名前以外では呼んでやらん!』

『こいつは……!あ、そういえば1つ聞きたいんじゃが』

『ん?』

『お前ここまで滅茶苦茶にして里をどうするんじゃ?』

『あ』


 八雲は今気づいたとでもいうような声をあげる。


『もしかして八雲、お前……』

『......まぁ、そんな日もあるさ』

『あってたまるか!阿呆が!』

この章もそろそろ終盤です!

次の章はほのぼのとしていきたいですね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ