36:疑問と電撃戦
霊夢と菫子は驚いていた。
ただ、二人が驚いた理由は別々であり、同じ事について驚いたわけではない。
霊夢の場合は、僧の言葉に驚いていた。
(魂魄ってたしか妖夢の苗字だったわよね……。それに雰囲気が違うけどこいつ……妖夢よね?)
そして菫子の場合は周りの敵に驚いていた。
しかし、これは敵の数などに驚いてるわけではなく、敵そのものに驚いていたのだ。
『パーン……でしたよね』
『おや、これはこれは!竹林ではお世話になりましたね』
『今度は何をするつもりなの!』
『今現在進行形なんですけどねぇ。ただ、あなた達が何もしなければ我々は危害を加える気は今回サラサラありませんよ』
その言葉に僧に魂魄と呼ばれた女性が言い返す。
『それは出来ません。私達は貴方達を退治するために来たのですから』
『……なるほど、彼女はそのためのエサだったと』
『ええ、そうなりますね』
二人は視線を交差し、殺気を出している。
僧は魂魄の肩に手を置く。
『待て嬢ちゃん、緊急事態だ。里の人がこいつの仲間に操られている』
『……!なるほど、だから私と合流したという訳ですね』
『うむ、もうアイツを叩き起こしてこい。それまでは我が手を打つ』
『了解です!』
そう言うと魂魄は霧の方へ走っていった。
『さて、どうやらあの女が思ったよりも重要人物と分かった以上もう一度奪わせてもらおうかの』
『……させると思いますか?』
『おうとも、ここからはアイツの言ってた通り電撃戦じゃ。素早さがモノを言う』
『なら私は時間稼ぎに徹するのみです!』
周りからどんどんパーンが出てくる。
見渡した限り100人以上はいる。
霊夢は亀から降りると懐から札を取り出し、一歩前に出る。
『ちょっと聞きたいことがあるから後で話を聞かせてもらうわよ?あなた、ただの僧じゃないでしょ』
『さて、どうじゃろうな?』
僧も一歩前に出ると笠を取り、投げ捨てる。
『竹林での借りは返させてもらうわよ』
菫子もまた2人と同様一歩前に出る。
僧は前を見据えながら独り言のように呟く。
『久々に血湧き肉躍る戦いじゃ……。くくっ』
霊夢は目を細めて僧のことを見つめる。
(こいつ……さっきまでは気づかなかったけど霊力がかなり高いわね。そんじょそこらの僧じゃないのはこれで確定的ね)
パーンはため息をつくとチッと舌打ちをする。
雰囲気が変わった。
今まで優しい青年みたいな雰囲気だったが今は荒々しい雰囲気が出ている。
『調子に乗るなよ人間風情が』
そして3対100の理不尽な争いが始まるのであった。




