33:敵は味方の中に…?
『完璧にはぐれた…。私一人でどうすればいいんですかー!』
割れた仮面の女性をおぶっている彼女は叫ぶが、しかし虚しく響くだけである。
(反応はなし…か。少し様子がおかしいですね…気づいたら里の人達が一人もいない…)
『はい、こんばんは』
後ろからの声に彼女は驚いて思わず距離をとる。
彼女に声をかけてきたのはフードを被った青年であった。
彼女は警戒をしながらフードの青年に問いかける。
『……誰ですか』
『めんどくさい話はなしです』
『はぁ?』
彼女は青年の言葉に戸惑いを覚える。
あまりの素っ気ない答えに知り合いかと思い、知り合いにこんな人いたっけ…?と頭で考えていると青年はフードをとり素顔をさらけ出す。
知らない顔であった。
しかし青年は真剣な表情で彼女を見つめている。
その表情を見て彼女も警戒心を益々強める。
『私はその方を助けにきました。返してもらいましょうか』
『もし嫌だと言ったら?』
青年を警戒して少しずつ距離をとる彼女の背後から青年の声が聞こえてきた。
『!?』
『無理矢理でも返してもらいますよ』
直後赤い鮮血が空に飛び散った。
-茶屋の前-
『どうしたもんかの』
『どうするも何もこいつらをはっ倒せば良いじゃない』
僧の言葉に霊夢は当たり前のように返すが僧は首を振る。
『里の人を傷つけるわけにはいかんぞ。そうした場合不利になるのは我等じゃぞ』
『はぁ?なんでよ、別にそれぐらい良いじゃない』
『物騒な奴じゃのう……』
そこに菫子が会話に割って入る。
『じゃあ教えてください。私達は今どうすれば良いんですか?』
『…管理者はどうした管理者は。人里は何かあった時に賢者が対応するシステムと聞いたんじゃが?』
その言葉に二人はハッとする。
二人の心に浮かんだ賢者はただ一人。
そして今の状態も…。
(紫の事だ!ちびっ子になって動けませんなんて言えない…!)
(紫さんの事だ…!けど今の状態を伝えたら色々とマズイ気がする…!)
『あー…多分賢者は今来れないんじゃないかな〜』
『はあ?なんでじゃ?』
『い、いや私達もその賢者さんは知らないけど最近見ないって聞くし…』
『知らんのに誰からそんな情報聞いたんじゃ?』
『え、えっと霊夢さんあれですよ!前に華扇さんから聞いたじゃないですか!』
『そ、そう!それ!あの仙人は賢者と知り合いらしいから!』
『なるほどのぅ…それじゃあどうにかしてこの状況を切り抜けるしかないって事かの…』
僧は真剣な表情でアゴに手をやり悩む仕草をとる。
(や、やった!どうにか信じてくれた!ナイスフォロー菫子!)
(ひぇぇ…心臓バクバクしたぁ…!し、信じてくれて良かった…!)
二人は別な意味でドキドキしまくりな状況であった。
真の強敵は質問をしてくる僧だったのかもしれませんね…!




