21:圧倒的な強さ
『むおお…これ結界じゃね?ここの山って私が見てない間にここまで進化したの?』
霊華と紫は山に入ろうとした所、結界が張られていて山に行けず立ち往生してるのが今の状況である。
『あなたがいない間にここは妖怪の山になったのよ。けど…結界は張られることなんてないはずなんだけど…』
『ふーん…あ、そうだ良い方法思いついたんだけど…?』
『…嫌な予感しかしないけど聞いてあげる』
霊華は自分が思いついた案を紫に伝える。
『はぁ!?アンタ馬鹿言うのもほどほどにしなさいよ!?』
-守谷神社-
『そらそらそら!!どうした!!』
幻想天狗は蛇切丸を巧みに使いこなし、あらゆる攻撃をいなしてくる。
まるで剣の達人と戦っている気分に思えてしまう…それほどまでに幻想天狗は強かった。
『くっ…!』
諏訪子が呻き声を上げる。
早苗が応戦しながら諏訪子の方をチラリと見る。
すると諏訪子が肩から血を流していた。
『諏訪子様!』
『余所見か?随分と余裕じゃな』
幻想天狗が一瞬の隙をついて早苗の死角に回り込んでいた。
(しまっ…!?)
しかし、幻想天狗の一太刀が来る前に早苗と幻想天狗の間に柱が飛び出て来る。
だが柱は幻想天狗の一太刀で豆腐のようにスルリと切り落とされる。
その一瞬の間に早苗は後ろに下がっておりなんとか斬られずに済んだ。
『た、助かりました…』
『チッ、埒があかないのぉ…』
ヒュンと蛇切丸についた血と柱のカケラを払う。
そして蛇切丸を鞘におさめた。
『…なんのつもりですか?』
『これでは埒があかないのでな少し我の力を見せてやろうと思ったのよ』
『力?』
あれでまだ少しにも満たない力ということを思い知らされたような気がした。
気づくと幻想天狗の手には錫杖があった。
そして幻想天狗が両手を合わせる仕草をすると赤い不思議な紋様が顔に浮かびあがる。
『これより見せるは六道なり。いざ、参らん。六道が一つ、人間道「愛別離苦」』
早苗が眉をひそめた瞬間、衝撃が早苗の体を貫いた。
早苗が自分の体を見ると体に穴が開いていた。
『…あ』
早苗はゆっくりと地面に倒れた。
神奈子と諏訪子はあまりの出来事に絶句しており身動きすらとれなかった。
『まず一人』
幻想天狗はそう呟いた。




