17:それぞれの動き
深夜の博麗神社はとても静かだった。
とある一室、霊華と紫が使用している寝室で二人は難しい顔で会話をしていた。
『なるほど…つまりこの異変の原因は誰もつかんでいないと』
『そうよ。それに意味も分からないわ』
『おや、珍しい』
『何よ?』
『何でも知ってそうなお前からそんな言葉が出るなんてな』
少し意地の悪い笑みを浮かべる霊華。
『…本当に今回の異変はまったくもって意味不明なのよ。大抵の異変には必ず意味があるものだけど…今回に限ってはその意図が読めない』
『手がかりといえば宴会の前日の夜中にフードを被ったやつがいたぞ』
『え?いやいや見間違いでしょ?』
『え?』
『そのフードの奴ならこの前レミ…吸血鬼が訪ねてきた時にも来て吸血鬼の手で消滅したわよ』
『は?』
『…ちょっと意見をすり合わせる必要がありそうね』
とある場所で数人が集まって会話をしていた。
『この幻想郷ってとこは化け物の巣窟か何かか!?』
若い女が頭を抱えて絶叫している。
『これは予想外ですねぇ…まさかことごとく私の民がやられるとは…』
フードを被った青年があまり困っている様には聞こえない調子で喋っている。
『けどまぁこっちの思惑通りには話は進んでいる訳だし構わないんじゃないかな?』
『気づいてる奴はいるかもしれないけどね〜。ここを覆っている結界が何の綻びもなく強化されてる事に』
老人の言葉に軽い口調で返事をする女性が凄惨な笑みを浮かべている。
『さぁこれで幻想郷は籠の鳥だ。どう出るかな?』
-博麗神社-
『ふーむ…お前の言う通りならそのパーンとやらは複数いる事になるな』
『ここで今浮上している問題点を挙げるわね』
紫は真剣な表情で語る。
『1、異変の目的と意図が分からない』
『2、この状態で新しい異変が起きた場合対処出来ない可能性がある』
『3、謎の勢力がこちらを狙っている』
『大雑把にこの3つよ』
紫がそして、と付け加える。
『これはまだ確実ではないんだけど…結界に異常がある可能性があるわ』
『結界に?どうしてだ?』
『菫子って子がいるじゃない?』
『ああ、外の子だとかなんとか』
『その菫子は実は幽体みたいなものなのよ』
霊華は首をかしげながら。
『…亡くなっているって事?』
『違うわ彼女は夢幻病よ』
『ああ!なるほど!』
霊華は全て合点がいったという風な顔だ。
『ここまで言えば分かるかしら?』
『ああ、これは確かに異常があるな』
『ここまで異変は類を見ないわ。いつの時だって異変は長くて一週間もあれば全て解決してきた私達だけど…もう既に一月経ってるのは由々しき問題よ』
『ならそろそろ…』
『ええ、反撃開始よ』




