12:お世話になります
-紅魔郷-
『それで何故にこっちに来るんだ…』
レミリアは溜息まじりに目の前にいる少女二人に言う。
『だって毎回この体の事を説明するの大変だし事情を知って話が分かるのはここぐらいかな〜って』
『うんうん』
霊夢の言葉に続いて紫は頷いている。
先程から何故か紫は頷いてるだけである。
『うちはお前らまで養うほど余裕がないんだ』
帰れ帰れ、と手を振って催促する。
『なによ!ケチンボ!』
『うんうん』
『もううるさいなぁ!メイド!お客人がお帰りだ!』
『了解です〜』
気の抜けた返事か聞こえて来ると扉が開く。そこから出て来たメイドは…。
『げ』
『あらまぁ…』
思わず霊夢と紫は言葉を漏らしてしまった。
そこにいたのはメイド姿のアリスだった。
『あら、二人も小さくなったのかしら?』
『…なんでメイドやってるの?』
『ちょっと事情があってね』
アリスは苦笑しながら言葉を濁す。
『ふーん…まぁ良いや分かったわ私達は帰るわよ』
『あら、あっさりとしてるのね』
『ここで揉めてる場合でもないからね〜』
『うんうん』
じゃあね、と言い残し霊夢と紫は部屋から出ていった。
『彼女達にしてはやけにあっさりしてたわね』
驚いたようにアリスは館の主人、レミリアに気さくに話しかける。
『そうでなくては困る、でないとこっちが苦労するからな』
メイドなのに普通に話しかけられている事に対して特に気にする様子もなくレミリアは会話を続ける。
『てっきりここに居座ってでも貴女の事を屈服させるものかと』
『んーまぁなんだかんだいって気遣ったんだろ』
『なんでかしら?』
『さぁね?何ででしょう?』
意地悪そうな笑顔でクスクスと笑うレミリア。
『相変わらず自分の考えをはぐらかすのね。まぁ良いわこれから咲夜ちゃんと散歩に行かないといけないから』
『ああ、頼むよ一応念のために日傘も忘れずにな』
『…別に構わないけど今まで貴女みたいな事にはなってないんでしょ?』
『それでもだよ』
レミリアは優しい顔で言う。
『事が起きてからでは遅いんだ。家族は私にとって一番大切だからな』
アリスの後ろにある扉がガチャリと開きそこから咲夜が顔を覗かしてきた。
『いた!アリスー約束でしょー!お散歩に一緒に行こうよー!』
『ハイハイ、今から行くわよ』
『行ってらっしゃい気をつけてな』
レミリアが咲夜に手を振ると咲夜も元気にレミリアに手を振る。
『はーい!行ってくるねー!ママ!』
咲夜はアリスの手を引っ張って部屋から出ていった。
-湖付近-
『やけにあっさり引き下がったわね?』
『んー?まぁアリスがあそこにいた時点で大体察しがついたからね』
『と、言うと?』
『どうせ咲夜が小さくなったからわざわざ咲夜の為に来たんでしょ。そんな所にいるなんて野暮じゃないの』
やってらんないわね。と霊夢は呟く。
『ま、神社に帰りましょうか』
『そうねー探すより神社にいれば色んな人が来るでしょ』
『昨日みたいに変なフード男が来ないと良いけどね』
『その時はその時よ』
そして神社に着くと萃香が賽銭箱の近くでうろうろしていた。
『…何してんの?』
『ん?…んん!?え!?霊夢!?それに紫!?どうした!?』
『何故か小さくなった。これ以上言うことはないわよ』
『辛辣だなぁ…』
『この手の説明は飽きたからもう言うのも面倒なのよ』
『ふーん…まぁ分かったけどそんな小さい体でどうやって生活するの?』
『うっ…』
霊夢は困った顔をする。
その顔を見て萃香は溜息をつきやれやれと首を振ると。
『仕方ないなぁじゃあ私が二人共世話をしてあげようじゃないか』
『『え』』
『二人で同じ反応しないでよ…そんなに驚く事かな?』
『いや、だって今の今まで私が世話してあげたじゃない』
『そうそう霊夢にずっと世話をしてもらってるばかりでその逆のイメージが全然ないんだけど』
『私だって山に住んでいた頃は一人暮らししてたからね!』
萃香は胸を張って言う。
『(どうするの?)』
『(知らないわよ!けどどうせ誰もいないんだし世話になるのもありじゃない?)』
『(…そうね。じゃあお世話になりましょうか)』
『おーい、何コソコソしてんだー?』
『何でもないわよ、それより言葉に甘えてお世話になるわね』
『お!やっと決めたか!ならまずは朝ごはんだな』
『私達朝からまだ何も食べてないだったわね』
紫のお腹がグーと鳴る。
『わはは!鳴ってやんの!』
そう言った霊夢のお腹からグーと鳴る。
『はいはい、今作るからまずは中に入ろうね』
そして萃香はお母さん的立場になったのであった。




