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幻想異変録  作者: 凍曇
9章 雪山にて
111/151

111:一条vs椛

『……ふぅ』


 一条はため息をつくと目を閉じる。

 数秒経ってから目を開くともう一条の目は紅く染まってはおらず普通の目であった。


『流石ですね。レミリアさん』

『久々に体を動かせて楽しかったからついやり過ぎてしまったよ』

『さて、これで全員ですかね?後はどうすれば……』


 一条は考えながら取り敢えず歩いてみる。

 パチュリーとレミリアは周りの景色を見渡しながらふよふよとついていく。

 パチュリーがふと、空を見ようと仰ぎ見ると黒い点が見えた。


『……?』


 パチュリーはその点が何なのか気になり目を細めて黒い点を見つめる。

 するとその点が段々と大きくなってきてることにパチュリーは気づく。

 それが点ではなく影だと気づくのに数秒はかかった。


『一条!上!』

『上!?』


 一条が上を向くと刀を手に椛が一条目掛けて突撃してきた。

 一条は急いで回避しようとするが雪に足を取られてこけてしまう。

 それが幸いにも椛の攻撃スレスレで回避する事に成功してしまう。


『あっぶな……!』


 一条は足を振り上げて雪を椛の顔に飛ばす。

 とっさの障害物に椛はつい反応してしまい体を傾けて回避する。

 一条はその瞬間に振り上げた足を真横に動かして椛の足を引っ掛ける。


『なっ……!』


 体を傾けていたのもあって椛は転倒してしまう。

 その隙に一条は起き上がり椛から距離をとる。


『危ない危ない……。冷や汗かいた……』

『さっきと違って素人の反応だな』

『……不意打ちされれば大抵冷静ではいられないもんですよ』


 椛は立ち上がり刀を構えて一条を見据える。

 一条は一瞬逡巡するが手にグングニルを生み出す。


『……何の目的で来た。侵入者』

『サクヤさんっていう方からの招待で来ました……って言って伝わりますか?』


(崩壊期を迎えた後に幻想天狗様が連れてきたあの吸血鬼か。……となると幻想天狗様も一枚噛んでるな)


『伝わらん、それにどんな理由があろうと不法侵入者は排除する』

『不法侵入者って言われると痛いですが……まぁそうなりますよね』


(力量を測るためか?取り敢えず幻想天狗様の思惑通りに動くのが吉だな)


『ふっ!』


 椛は息を吐くと同時に雪に埋もれた地面を蹴った。


(殺されればそれまで、生き残ってたら見込みあり……だな!)


 椛はこれ以上考えるのをやめて戦闘に集中する。

 この侵入者は一筋縄ではいかない、それはもう椛も肌で感じている。


 一条はグングニルを椛の顔目掛けて突いてきた。

 椛は瞬時にそれを刀で払い上げて軌道をずらす。

 ギャリィン!!と不愉快な音が響きグングニルの突きは椛の頭をかすめる。

 ガラ空きとなった脇腹に刀を走らせる。

 だが一条はそれを予見していたかのように膝と肘で白刃どりのように刀を挟んで止めた。


『なっ……!』


 膝と肘の白刃どりにも驚いたが椛はもう一つの出来事に驚いていた。


(こいつ……!あの槍を弾かれた時点で手放しただと!?しかも迷いもなく!武器を捨てたら圧倒的に不利になるのは馬鹿でも分かるはずだ!それをいとも簡単に……!)


 一条は空いた片手ですぐさま椛の腹部へ殴りつける。

 拳がめり込むと椛が呻き声を漏らす。

 だがそれだけだ。

 椛の目は戦意をまったく失っていなかった。

 それに気づいた一条は再度殴りつけようとするが椛が一条の服を掴み引き寄せる。

 引き寄せた一条の額に椛は頭突きをかます。


『ぐぁ……!』


 一条がふらついた瞬間に刀を引いて膝と肘の白刃どりから刀が抜け出る。

 額から血を流しながらも一条は片目を開けて椛を睨みつける。


『終わりだ』


 椛は片手で一条の服を掴んだまま残る片手で刀を横一閃に振るう。

 一条はすぐに両足を後ろに折りたたむ形でその場にしゃがもうとする。

 そのせいで椛の片腕に一条の全体重がかかる。

 椛の片腕だけでは一条を支えることが出来ず、一条の体重に負け前のめりに倒れてしまう。


 刀はあらぬ方向へ振られ一条髪を少し切るだけになってしまう。

 一条は椛が倒れると同時に服を掴んでいる椛の片手を掴み背負い投げをかける。


 見事に椛の体は宙に浮き、すぐさま地面に叩きつけられる。


『がっ……ぼ……!』


 椛は手を離してしまい一条は自由になる。

 一条は椛に攻撃を加えようとはせず、すぐさま距離をとった。

 

『くそっ……血が邪魔だ……』


 一条は手の甲で額の血を拭いながら背中の杖を取り出す。

 椛は咳き込みながらもゆらりと立ち上がり一条を見据える。

 椛は千里眼を一条は"眼"をもう既に発動させていた。

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