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幻想異変録  作者: 凍曇
9章 雪山にて
105/151

105:挑戦状

『……おはようございましゅ』


 一条が寝ぼけながら襖を開けると魅魔が周りに酒瓶を散らかしながら寝そべっていた。

 魅魔は一条の声に気づき一条の方へ顔を向けると思わず吹き出した。


『あははは!!お、お前!すげぇ寝癖してるぞ!!あっははは!』

『ぬー、朝だから仕方ないですよ……』

『ひーひー、腹痛てぇ……!そこまでいくと芸術だわ』


 魅魔の笑い声で起きたのか寝ぼけ眼の天子も起きて一条達のいる部屋に来た。


『朝から元気あるわね……』

『あっははは!お、お前もか!!髪の毛変な方向に跳ねてるぞ!!お前ら2人揃って寝癖ヒドイなぁ!』


 魅魔に笑われて天子と一条は互いの顔を見る。

 だがまだ頭が覚醒していないのかいまいち要領を得ない顔だ。


『あー、くそ……。朝から爆笑もんだぞ……くふふ……』

『……いつまで笑ってんのよ』

『えっふ、お前ら芸術コンビのせいだよ……』

『てか、こんなに酒瓶散らかして……。夜飲んでたんですか?』


 魅魔は欠伸をしながら答える。


『針妙丸と話が盛り上がって結構飲んじまった』

『針妙丸?』

『ここの主人の小人の名前よ』

『ああ……』


 一助はお椀に酔いつぶれて入っている小人を見て頷く。

 散らかった酒瓶を集めているとテーブルに手紙が置かれているのに気づく。


『なんの手紙です?これ』

『あー、そうそう。それあのサクヤとかいう女からのお前宛の手紙だってよ』

『へー、開けていいですか?』

『お前の手紙だろ〜好きにしろよ』


 一条は大きな欠伸をして、手紙を広げる。


『……』

『何書いてあったの?』

『あー、招待状?というか挑戦状ですかね……』

『どれどれ、見せてみなさいよ』


 天子はちょいちょい、と手招きする。

 一条は言われた通り手紙を天子に渡す。


『……何これ。白紙じゃない』

『え?いやいや、思いっきり文字書いてあるじゃないですか』

『えぇ?私にはただの白紙にか見えないんだけど……魅魔はどう思う?』


 天子は手紙を魅魔に投げつける。

 魅魔は投げつけられた手紙を指で挟み、キャッチすると手紙を見る。

 だが反応は天子と一緒だった。


『……白紙だな。どっからどう見たって』

『……マジですか?俺には普通に文字が書かれてるように見えるんですけど』

『お前今"眼"は?』

『発動させてませんけど』


 魅魔は少し考えるような素振りを見せて一条に再度話しかける。


『恐らく吸血鬼にしか読めない文字かなんかだな。私も詳しくは分からんが』

『……なるほど。もしかしてバレてたんですかねあのサクヤって人に』

『ちょっとちょっと、吸血鬼?何それ!初耳なんですけど!』

『詳しくは前の話を読み返せ』

『魅魔さん!そんな事言っちゃダメですって!』


 だが天子はそれで何故か渋々納得し、これ以上聞いてこなかった。

 

『なんでそれで納得しちゃうんですか天子さん……』

『私だって空気を読むときは読めるのよ。あれ以上掘り下げたら魅魔の口からどんな言葉が出てくるか分からないわ』

『思ったよりもマトモに考えてたんですね……』

『なんだ、人を爆弾みたいに』


(アリスさんの服を気分で破ってた人が言うセリフかなそれ……)


 一条は咳払いをしてこの話は終了だと暗に告げる。

 このままこの会話が続けば物語がややこしくなると考えたからだ。


『とりあえずこの手紙の内容を要約するとですね』

『おう』

『妖怪の山?とやらに館があるからそこまで俺一人で来いと』

『それだけだとただの招待状じゃね?』


 魅魔の言葉に天子も同意の意味として頷く。


『や、それがですね。なんか、これは力試しも兼ねてるので死を伴う危険性あり、って書いてあるんですよ……』

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