100:長引く会議に進まない物語
『ねぇ、私を戦力に入れられても困るんだけど』
一条は困ったようにサクヤに小声で話しかける。
『え、戦えないの?』
『無理よ。能力者でもないし武術に心得があるわけでもないのよ?』
その言葉に天子もヒソヒソ声で密会に参加してくる。
『一条は特殊な"目"があるんじゃなかったけ?』
『あるにはあるけど私じゃ無理なのよ。この子にしか使えないみたいで私には使えないみたい』
『ええ……。貴女何の為に出てきたのよ……』
『今一番言われたくない言葉だわ、それ』
アリッサはヒソヒソ密会している3人に向けて呼びかける。
『おーい?会議はもう終わったかしら?』
『まだだからもう少し待ってよう。余裕があるなら待つぐらい出来るでしょ?』
『あ、当たり前よ!ふん、いいわ。待っててあげる!』
(あの子なんで素直に言うこと聞いちゃうのかしら……。まぁ助かるけども)
天子とアリッサの会話に疑問を覚えたがあえて口には出さないサクヤ。
彼女は場の空気をちゃんと読めるのだ!
『それじゃあこうしましょう。一列に並んで前から私、アホ天人、一条で』
『おい、アホ天人って何よアホ天人って』
『アホだから』
『むきゃー!』
『ちょっと、ここで喧嘩しないでよ!』
『こいつがアホ呼ばわりするからよ!』
ぎゃあぎゃあ喚きあってる3人を見ながらアリッサは鎧武者の腕に乗っかり足をブラブラさせてた。
(早く終わってくれないかなぁ……)
『煩いわねぇ。些細なことでいちいち怒らないの』
『ほぉ!?張本人がそれを言うかしら!?』
『あー、もう煩い煩い!!そもそもアンタらが……』
一条が言葉を言い切る前に突然城が逆さまになる。
『お?』
それに伴い重力が逆転し元天井の床に全員頭を打ちつける。
『———っ!!』
『頭がっ!!』
『……』
『あ!一条が気絶してる!』
一条は頭を打ちつけ、見事に気絶してぐったりしていた。
ちなみにアリッサは鎧武者が庇ったとはいえその甲斐も虚しく普通に頭を打ちつけた。
『うぉぉ……星が見えた……』
突然の出来事に皆は混乱していたがサクヤだけは思い当たる節があった。
『これ多分天邪鬼の仕業ね……』
『あー、そういえば一条が正邪とかいう天邪鬼も来てるって言ってたわよ』
『それね……。というか頭痛かった……』
天子は頭を押さえながらアリッサに話しかける。
『ここは休戦しましょ?ちょっと頭が思ったよりも痛くて……』
『な、何を言ってるのよ!そんなの許さないわ!』
『こっちは1人気絶してるのよ!』
『ぬぐっ……!わ、分かったわよ……』
(チョロいわねぇ)
(この子押しに弱いのね……)
なんとも素直な敵だった。




